
評価:★★★★☆【4,5点】
まったく期待しないで観たために高評価!?
本作は、ゾンビ映画でお馴染みジョージ・A・ロメロ監督の
『ザ・クレイジーズ』(1973)のリメイク作品だそうです。
ということで、ロメロならゾンビ映画なのか?みたいな感じで
予告編を1回観ただけの、以降まったく予備知識なしで鑑賞を決行。
今やヴァンパイアに、アクションホラーのキングの地位を剥奪された格好の
いち時代を築いた(?)ゾンビ映画の名残りだろう!という
なはから舐めてた部分があったのですが、これがみごとに裏切られました!
良い!これは良かった!オリジナルと比較したいのが今の気持ち^^
◇
米アイオワ州郊外の小さな町オグデンマーシュ。
保安官のデヴィッドはパトロール中、銃を持った男に遭遇、
制止を聞かなかったため射殺する。
その男は酒乱気味だったが、アルコール検査は陰性だった。
一方、医療センターではデヴィッドの妻で女医のジュディが、
ある一家の要望で様子が変だというその父親を診察する。
異常は見られなかったが、その夜、彼は妻子を
家もろとも焼き殺してしまうのだった。
そして翌日、デヴィッドたちは通報を受けて川を探索。
すると川底には、1週間前に墜落した大型飛行機が沈んでいた。
積荷から町の飲料水として使われているこの川に
毒素が流出したものと推測したデヴィッドは、ただちに給水を遮断。
しかし時すでに遅く、人々が次々と凶暴化していく。
そんな中、いつの間にか町に現われた軍の兵士たち。
彼らは有無を言わさず住民たちを拘束し始めるのだったが…。
<allcinema>
◇
【ネタバレに注意】
ストーリー自体は、よくある感染系のものです。
しかし、これはひと味違います。
脚本がしっかりしているというのが第一印象でした。
冒頭から、すべての流れに伏線が張ってあり
辻褄がみごとに合うように、主人公である保安官の行動も
まったく破綻してなかったのが好印象でした。
町ではひとりの人間の奇妙な行動を発端に
それまで、のどかだった町が徐々に変わっていく様を
説得力ある演出、カメラワーク、そしてなにより
ひとりの人間の命を重んじる彼らの人間性がリアル感を生み
映画ではあるけれど、もしも、実際自分たちが
この世界感に放り込まれたなら、こういう行動をとるだろうと
そんな風に思わせてしまうところが、この作品のすばらしいところです。
この映画を見ながら思ったのは、主人公たちが
自分たちの身の回りに起こっている未曾有の出来事を
理解できないまま、とにかく逃げる映画『クローバーフィールド』(2008)。
本作も、町の住民が武装した何者かに強制連行されていく物々しさに
保安官たちも、ここで今、何が起こっているのかわからない。
突っ込みどころもありますが、そんなことはどうでもよくなる。
事の発端が曖昧なゾンビ映画とちがい、こちらはしっかりと理由がある。
その理由も、まったくの絵空事ではなく現実感を匂わせるので
観ていてグイグイと惹き込まれていってしまうのです。
やっぱり政治が絡んでくるとストーリーが面白くなりますね~。
追記)
・突然、奇妙な行動をとり始めた人間の描き方がうまい!
まるで今の現実社会でも、“ある病気”に侵されてしまうと
こういう行動も映画の中としてでなく現実味を帯びてくるところが怖い。
ましてや、銃社会の米国であるからこそ尚更だと思う。
・父親が感染し離れた納屋で奇妙な行動をし、心配そうに見守る家族が
その後に起こる恐怖体験シーンは、ホラー映画の傑作シーンに入れたい。
・もしも、政府のお偉い方々をワンシーンでも入れていたら
この映画は、ど~んと評価が下がってたかもしれない。
あくまでも、主人公目線で貫き通したところに評価があがったかなと。
・そして、あの軍のお兄ちゃんの解放と保安官補佐のお兄ちゃんの
感染の有無の緊張感はなかなかのものだった。
・偶然とはいえ、あの少女は命と引き換えに主人公たちを救った形となったが
これもオリジナルでは、こういう上手い演出を描いているのだろうか。
なにより、あの少女が可愛かったと思う。
映画ファンとして初期の頃のお気に入り女優・フィービー・ケイツ系かと^^
・凶暴化した校長先生が“ジグソウ”に見えてしかたなかった^^;
・保安官の妻は医師。しかしそのキャラを上手く活かしきれてない。
唯一、旦那さんの右手の刺し傷を止血した程度というのは残念。
とはいえ、妻として随所で保安官に制御かけるところは、あのサラ・コナーと
同じくらい逞しく見えてしまった。これって続編ないかな?
・エンドロールが始まると、即行で帰っていく客が数人いましたが
あのひとたちは、その後に流れた重要なシーンを見逃しましたね^^
最近の映画の中では本編の意味を変えるもっとも重要なシーンと見ましたが。
まぁ、本編中に予想は付きますが、どこの政府もみな同じかな。
---------------------------------------------------------
監督:ブレック・アイズナー
脚本:スコット・コーサー/レイ・ライト
撮影:マキシム・アレクサンドル
音楽:マーク・アイシャム
出演:ティモシー・オリファント/ラダ・ミッチェル/ジョー・アンダーソン/
ダニエル・パナベイカー/クリスティー・リン・スミス/
『クレイジーズ』
まったく期待しないで観たために高評価!?
本作は、ゾンビ映画でお馴染みジョージ・A・ロメロ監督の
『ザ・クレイジーズ』(1973)のリメイク作品だそうです。
ということで、ロメロならゾンビ映画なのか?みたいな感じで
予告編を1回観ただけの、以降まったく予備知識なしで鑑賞を決行。
今やヴァンパイアに、アクションホラーのキングの地位を剥奪された格好の
いち時代を築いた(?)ゾンビ映画の名残りだろう!という
なはから舐めてた部分があったのですが、これがみごとに裏切られました!
良い!これは良かった!オリジナルと比較したいのが今の気持ち^^
◇
米アイオワ州郊外の小さな町オグデンマーシュ。
保安官のデヴィッドはパトロール中、銃を持った男に遭遇、
制止を聞かなかったため射殺する。
その男は酒乱気味だったが、アルコール検査は陰性だった。
一方、医療センターではデヴィッドの妻で女医のジュディが、
ある一家の要望で様子が変だというその父親を診察する。
異常は見られなかったが、その夜、彼は妻子を
家もろとも焼き殺してしまうのだった。
そして翌日、デヴィッドたちは通報を受けて川を探索。
すると川底には、1週間前に墜落した大型飛行機が沈んでいた。
積荷から町の飲料水として使われているこの川に
毒素が流出したものと推測したデヴィッドは、ただちに給水を遮断。
しかし時すでに遅く、人々が次々と凶暴化していく。
そんな中、いつの間にか町に現われた軍の兵士たち。
彼らは有無を言わさず住民たちを拘束し始めるのだったが…。
<allcinema>
◇
【ネタバレに注意】
ストーリー自体は、よくある感染系のものです。
しかし、これはひと味違います。
脚本がしっかりしているというのが第一印象でした。
冒頭から、すべての流れに伏線が張ってあり
辻褄がみごとに合うように、主人公である保安官の行動も
まったく破綻してなかったのが好印象でした。
町ではひとりの人間の奇妙な行動を発端に
それまで、のどかだった町が徐々に変わっていく様を
説得力ある演出、カメラワーク、そしてなにより
ひとりの人間の命を重んじる彼らの人間性がリアル感を生み
映画ではあるけれど、もしも、実際自分たちが
この世界感に放り込まれたなら、こういう行動をとるだろうと
そんな風に思わせてしまうところが、この作品のすばらしいところです。
この映画を見ながら思ったのは、主人公たちが
自分たちの身の回りに起こっている未曾有の出来事を
理解できないまま、とにかく逃げる映画『クローバーフィールド』(2008)。
本作も、町の住民が武装した何者かに強制連行されていく物々しさに
保安官たちも、ここで今、何が起こっているのかわからない。
突っ込みどころもありますが、そんなことはどうでもよくなる。
事の発端が曖昧なゾンビ映画とちがい、こちらはしっかりと理由がある。
その理由も、まったくの絵空事ではなく現実感を匂わせるので
観ていてグイグイと惹き込まれていってしまうのです。
やっぱり政治が絡んでくるとストーリーが面白くなりますね~。
追記)
・突然、奇妙な行動をとり始めた人間の描き方がうまい!
まるで今の現実社会でも、“ある病気”に侵されてしまうと
こういう行動も映画の中としてでなく現実味を帯びてくるところが怖い。
ましてや、銃社会の米国であるからこそ尚更だと思う。
・父親が感染し離れた納屋で奇妙な行動をし、心配そうに見守る家族が
その後に起こる恐怖体験シーンは、ホラー映画の傑作シーンに入れたい。
・もしも、政府のお偉い方々をワンシーンでも入れていたら
この映画は、ど~んと評価が下がってたかもしれない。
あくまでも、主人公目線で貫き通したところに評価があがったかなと。
・そして、あの軍のお兄ちゃんの解放と保安官補佐のお兄ちゃんの
感染の有無の緊張感はなかなかのものだった。
・偶然とはいえ、あの少女は命と引き換えに主人公たちを救った形となったが
これもオリジナルでは、こういう上手い演出を描いているのだろうか。
なにより、あの少女が可愛かったと思う。
映画ファンとして初期の頃のお気に入り女優・フィービー・ケイツ系かと^^
・凶暴化した校長先生が“ジグソウ”に見えてしかたなかった^^;
・保安官の妻は医師。しかしそのキャラを上手く活かしきれてない。
唯一、旦那さんの右手の刺し傷を止血した程度というのは残念。
とはいえ、妻として随所で保安官に制御かけるところは、あのサラ・コナーと
同じくらい逞しく見えてしまった。これって続編ないかな?
・エンドロールが始まると、即行で帰っていく客が数人いましたが
あのひとたちは、その後に流れた重要なシーンを見逃しましたね^^
最近の映画の中では本編の意味を変えるもっとも重要なシーンと見ましたが。
まぁ、本編中に予想は付きますが、どこの政府もみな同じかな。
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監督:ブレック・アイズナー
脚本:スコット・コーサー/レイ・ライト
撮影:マキシム・アレクサンドル
音楽:マーク・アイシャム
出演:ティモシー・オリファント/ラダ・ミッチェル/ジョー・アンダーソン/
ダニエル・パナベイカー/クリスティー・リン・スミス/
『クレイジーズ』
いつもながらの新作映画への精力的且つ果敢なアプローチ、心の中で拍手しております。
私、最近ちょっと失速状態です。(T_T)
それはさておき、本作、珍しく貴レヴューでコメント投入未となっていますが、ゾンビものが大の苦手の私ながら(いいえ、大の苦手であるからこそ?)
気になっておりました一作です。
とはいえ、怖いので決して鑑賞が叶うことはないはずの一作でもありますが、とにかく“骨格のしっかりした”恐怖映画という感じを各紙の評価等から受けました。
もしも何か異変が起こって?ゾンビものが大好きになったら(^_^.)観ることにします。
今頃に本作へのコメ、すみません。
コメント(1)していただきありがとうございます^^
ココ最近は年間100本に向けて頑張っているのですが、ちょっと無理な気がしてる今日この頃^^;
本作は感染系で言えばゾンビのようですが、これが微妙に違うので安心してください^^
その感染の元になっているものや、少しずつ変異していく町の様子がとてもリアルで
映画にリアル感を求めるワタシには大好物な素材だったわけです。
>もしも何か異変が起こって?
4年に一度くらい異変を起こしても楽しいかもしれませんね^^;
ワタシなら、その年は完全アート系作品しか観ないとかね^^
>今頃に本作へのコメ、すみません。
なにを仰います。優しいぺろんぱさんありがとうです。