ゾディアック

評価★★★★


１９６０年代のこの雰囲気は好きです。




『アメリカ犯罪史上類を見ない凶悪事件、「ゾディアック事件」。今なお解決に至っていない実在するこの事件をもとに、“ゾディアック”を追うことで人生を狂わされていく４人の男の姿を描いていく。徹底的なリサーチを元に「ゾディアック事件」を追いかけるというサスペンス映画としての側面と、事件に没頭していく４人の男を追う人間ドラマとしての側面のふたつの顔がこの作品には存在し、それゆえ２時間３７分という長尺映画ながらも観ている者を飽きさせない魅力を持っている。監督は『セブン』などで知られるデビッド・フィンチャーが務めた。』

まず、映像がきわめてシットリしている。特に最初のカップルのシーンなど、その現場に行ってみたくなるような感覚になった。

演出もフィンチャーらしさが良く出ていたと思います。この監督はどちらかといえば“静”の表現が実に上手いのである。

フィンチャー監督のデビュー作『エイリアン３』の時も、前作のキャメロン監督の『エイリアン２』が可也のド派手映画だったものを、１８０度変えてしまい、これが同じリプリーなのか？と思うくらい、またストーリー全体を“陰と静”に重点を置き独特の雰囲気を出していたのである。

今回の『ゾディアック』はカメラの構図とライティングが非常に良かったと言える。街路灯の演出など往年のヒッチコックを思わせる仕上がりである。

ただ、映画全体として見た場合、実話であるがゆえに盛り上がりのなさは仕方の無いことだと思う。しかし、それを差し引いても、この長い映画を最後まで飽きさせずに見せたことは、フィンチャーの演出とデヴィッド・シャイアのピアノによるスコアが絶品であったためだと感じました。

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監督：デヴィッド・フィンチャー
脚本：ジェームズ・ヴァンダービルト
撮影：ハリス・サヴィデス
音楽：デヴィッド・シャイア

出演：ジェイク・ギレンホール/マーク・ラファロ/ロバート・ダウニー・Ｊｒ/アンソニー・エドワーズ/クロエ・セヴィニー/イライアス・コティーズイライアス・コティーズ

『ゾディアック』オフィシャル・サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/zodiac/