評価:★★★★[4/5]
予告編のイメージと違い、どこか切なく心に残る。
クヒオはほんとうに詐欺師だったのだろうか・・・。
自分の妄想一大叙事詩にいっしょに遊んでくれる相手が
ただ、欲しかっただけのような気もする。
◇
いつも軍服を着ている自称36歳のアメリカ人、
ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐。
父はカメハメハ大王の末裔、母はエリザベス女王の
妹の夫のいとこ、現在は米軍特殊部隊ジェットパイロットという
華麗な経歴の持ち主。
しかし、その正体はデタラメな経歴とベタな変装で
女性たちを騙しては金を貢がせる結婚詐欺師だった。
弁当屋の女社長・永野しのぶは
そんなクヒオ大佐の虚言を信じて
目前に迫った結婚の準備に勤しむ日々。
一方クヒオ大佐は、博物館学芸員の浅岡春を
新たなターゲットに定め、言葉巧みに近づいていく。
さらに、銀座のホステス須藤未知子にも目を付け、
虎視眈々とチャンスを窺うクヒオ大佐だったが…。
<allcinema>
◇
クヒオに最も貢いだであろう、弁当屋の社長のしのぶ。
そのしのぶの弟・達也が久しぶりに家に帰って来た。
達也は偶然にも、しのぶに掛けたクヒオからの電話に出てしまう。
そこで面白いことに、一瞬でアメリカ人でないことを見抜く。
達也「おまえ!アメリカ人じゃないだろ」(これだけで怪しいからね)
「これ以上、姉に近づいたらぶっ殺すぞ!」
クヒオ「…Don't kill you!」(あなたを殺さないで!)
達也「はぁ?そこはDon't kill me!だろうが」
クヒオはほんとうに詐欺師だったのか?
少なくとも米軍パイロットに憧れていたことは確かだった。
おそらく、少年時代の家庭環境に於ける問題で
心的外傷(トラウマ)を患い、いつのまにか
そこから現実逃避する術を自然と身に付けて行ったのでしょう。
彼のしていることは決して許される行為ではないんだが
ジョナサン・E・クヒオという男を完全否定することもできない。
しのぶの弟・達也に呼び出され
ある食堂に行くのですが、そこで哲也から
「普通、待ち合わせたら、いちおう店内を確認するだろうが!」
「おまえ日本人じゃん!なにその鼻?整形したの?」
「姉貴の金は俺の金!100万持って来い!」
もう達也からダメだし発言のオンパレード!
だが、クヒオは、ただ黙って頷いているだけ。
まぁ、相手の達也自体もほとんどチンピラ風味だったので
怖いのは分かりますが、クヒオは開き直る度胸もない
小心者というのがよく描かれていました。
しかし、直後に取ったクヒオの行動に
達也も思わずのけ反るような意外なシーンがありますが
これがなんともホロリとさせるんです。
この男、かなりヤバいのがここで分かります(ノД`)・゜・。
その後も数回、達也と絡むシーンがあるわけですが
達也の言うことは、私たち観客の思ってることを
そのまんま代弁してくれているみたいで
この達也のキャラ側に立って観ている自分が居ました。
そう、例えばプロボクシングの試合で応援している選手側から
見ていると、一発ヒットしたパンチが、さも優勢と思えるような
錯覚を受けてしまう偏った見方がそれ。
と言っても達也の方が一方的にまくし立ててはいたが^^;
それにしても、達也との絡みは最高でした!
映画でこんなに可笑しくて吹き出したのは久しぶりかもな~。
◇
クヒオと絡む3人の女性に共通する孤独感。
そんな彼女らの脆弱な心を揺さぶるかのように現れた滑稽な男。
人生、突っ張って生きている彼女らにとっては
このクヒオとの出会いが、ホンの癒される瞬間だったのだろう。
どこか共通するものを見つけた瞬間、互いに惹き合うんだな~。
“あなたが望むことをしてあげただけ”
これはとても考えさせられる、重い台詞だった。
おまけ)
・もし、自分がカウンセラーだったらクヒオに対し
どのように心のケアをしていくんだろうと余分なことを思った。
・クリタケとニガクリタケ。ロシアンルーレットで言えば
リボルバーの6つの弾倉に弾を3発装填したのと同じ考えで
ある意味、強運の持ち主であることが分かる。
・あの腕立て伏せは連続50回位はしていたみたいだが
顎を地面に付けるルールでやってもらいたかった(爆)
・『南極料理人』のメンバーが懐かしかった。
髭の主任(古舘寛治)刑事、マーガリン男(黒田大輔)コスプレ男。
・もしも、このクヒオを別の俳優がやるなら、このひとしかいません。
ウンナンのウッチャン。
---------------------------------------------------
監督:吉田大八
脚本:吉田大八/香川まさひと
撮影:阿藤正一
音楽:近藤達郎
出演:堺雅人/松雪泰子/満島ひかり/中村優子/新井浩文/
児嶋一哉/安藤サクラ/
『クヒオ大佐』
予告編のイメージと違い、どこか切なく心に残る。
クヒオはほんとうに詐欺師だったのだろうか・・・。
自分の妄想一大叙事詩にいっしょに遊んでくれる相手が
ただ、欲しかっただけのような気もする。
◇
いつも軍服を着ている自称36歳のアメリカ人、
ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐。
父はカメハメハ大王の末裔、母はエリザベス女王の
妹の夫のいとこ、現在は米軍特殊部隊ジェットパイロットという
華麗な経歴の持ち主。
しかし、その正体はデタラメな経歴とベタな変装で
女性たちを騙しては金を貢がせる結婚詐欺師だった。
弁当屋の女社長・永野しのぶは
そんなクヒオ大佐の虚言を信じて
目前に迫った結婚の準備に勤しむ日々。
一方クヒオ大佐は、博物館学芸員の浅岡春を
新たなターゲットに定め、言葉巧みに近づいていく。
さらに、銀座のホステス須藤未知子にも目を付け、
虎視眈々とチャンスを窺うクヒオ大佐だったが…。
<allcinema>
◇
クヒオに最も貢いだであろう、弁当屋の社長のしのぶ。
そのしのぶの弟・達也が久しぶりに家に帰って来た。
達也は偶然にも、しのぶに掛けたクヒオからの電話に出てしまう。
そこで面白いことに、一瞬でアメリカ人でないことを見抜く。
達也「おまえ!アメリカ人じゃないだろ」(これだけで怪しいからね)
「これ以上、姉に近づいたらぶっ殺すぞ!」
クヒオ「…Don't kill you!」(あなたを殺さないで!)
達也「はぁ?そこはDon't kill me!だろうが」
クヒオはほんとうに詐欺師だったのか?
少なくとも米軍パイロットに憧れていたことは確かだった。
おそらく、少年時代の家庭環境に於ける問題で
心的外傷(トラウマ)を患い、いつのまにか
そこから現実逃避する術を自然と身に付けて行ったのでしょう。
彼のしていることは決して許される行為ではないんだが
ジョナサン・E・クヒオという男を完全否定することもできない。
しのぶの弟・達也に呼び出され
ある食堂に行くのですが、そこで哲也から
「普通、待ち合わせたら、いちおう店内を確認するだろうが!」
「おまえ日本人じゃん!なにその鼻?整形したの?」
「姉貴の金は俺の金!100万持って来い!」
もう達也からダメだし発言のオンパレード!
だが、クヒオは、ただ黙って頷いているだけ。
まぁ、相手の達也自体もほとんどチンピラ風味だったので
怖いのは分かりますが、クヒオは開き直る度胸もない
小心者というのがよく描かれていました。
しかし、直後に取ったクヒオの行動に
達也も思わずのけ反るような意外なシーンがありますが
これがなんともホロリとさせるんです。
この男、かなりヤバいのがここで分かります(ノД`)・゜・。
その後も数回、達也と絡むシーンがあるわけですが
達也の言うことは、私たち観客の思ってることを
そのまんま代弁してくれているみたいで
この達也のキャラ側に立って観ている自分が居ました。
そう、例えばプロボクシングの試合で応援している選手側から
見ていると、一発ヒットしたパンチが、さも優勢と思えるような
錯覚を受けてしまう偏った見方がそれ。
と言っても達也の方が一方的にまくし立ててはいたが^^;
それにしても、達也との絡みは最高でした!
映画でこんなに可笑しくて吹き出したのは久しぶりかもな~。
◇
クヒオと絡む3人の女性に共通する孤独感。
そんな彼女らの脆弱な心を揺さぶるかのように現れた滑稽な男。
人生、突っ張って生きている彼女らにとっては
このクヒオとの出会いが、ホンの癒される瞬間だったのだろう。
どこか共通するものを見つけた瞬間、互いに惹き合うんだな~。
“あなたが望むことをしてあげただけ”
これはとても考えさせられる、重い台詞だった。
おまけ)
・もし、自分がカウンセラーだったらクヒオに対し
どのように心のケアをしていくんだろうと余分なことを思った。
・クリタケとニガクリタケ。ロシアンルーレットで言えば
リボルバーの6つの弾倉に弾を3発装填したのと同じ考えで
ある意味、強運の持ち主であることが分かる。
・あの腕立て伏せは連続50回位はしていたみたいだが
顎を地面に付けるルールでやってもらいたかった(爆)
・『南極料理人』のメンバーが懐かしかった。
髭の主任(古舘寛治)刑事、マーガリン男(黒田大輔)コスプレ男。
・もしも、このクヒオを別の俳優がやるなら、このひとしかいません。
ウンナンのウッチャン。
---------------------------------------------------
監督:吉田大八
脚本:吉田大八/香川まさひと
撮影:阿藤正一
音楽:近藤達郎
出演:堺雅人/松雪泰子/満島ひかり/中村優子/新井浩文/
児嶋一哉/安藤サクラ/
『クヒオ大佐』
さて、本日19:00解禁の映画を女房につきあわされて見てきました。「This is it !」です。
まぁ1回見ればいいかな。僕はそんなにマイケルのファンではないから。
前半の超話題作が続いたことを思うと
夏以降の映画には、そんなに待ち望んだ映画というものがなく
少しばかりさみしかったです^^
>本日19:00解禁の映画を女房につきあわされて見てきました。「This is it !」です。
マイケルの映画ですね。
2週間限定とのことですが、ワタシはスルーします。
と言いつつ時間が空いたら観に行ってもいいかなとも思っていますよ。
そうでしたか~!
時間差で若干の遅れもあるかもしれませんが
上映されるなら是非ともご覧くださいね^^
『3時10分』とかも予定に入ってるんでしょう(*^-゜)vィェィ♪
ご覧になられたのですね~。
>心的外傷
いく通りもの“怪しげな”微笑みの中でも、笑みながら哀しみを滲みだしてた表情は、やっぱり堺さんならではのものを感じました。
>達也
演じてらした新井浩文さん、『ゆれる』でも一瞬、光ってました。両作とも「かかわるんならきっちり責任をとれ」ってスタンスの役柄でした。(*^_^*)
>クリタケとニガクリタケ・・・強運の
まさしく。
あ、、、でも本気で死ぬ気だったのなら逆にある意味“運にも見放されてた”とも言えるような・・・^^; って、こういう発想がそもそも
ネガティヴなんですよねぇ、私。しゅん。
キッパリと宣言しましたが、堺さんのクヒオさんには、騙されたとしても憎みきれないかも…(笑)
お間抜けでシャイで小心で、、、
こんなの知っちゃうと、一度は愛しちゃった女性なら尚更かもですね。
タイムリーで何千万も詐欺した女のニュース。。。
殺人はダメだよぉ(汗)
堺さんはいい俳優ですね~。
チョッとした表情で哀愁を感じさせることができる
若手の中では数少ない演技派となるんでしょうね~^^
>新井浩文さん、『ゆれる』でも一瞬、光ってました。
>両作とも「かかわるんならきっちり責任をとれ」って
今回の作品では、このひとの台詞回しがほんとに自然で
ワタシは今後、この俳優さんにチェックしていきたいと思いましたよ^^
>逆にある意味“運にも見放されてた”とも言えるような・・・^^;
しのぶ目線ですね^^
クヒオはあそこで決して怒鳴らなかった部分で
根はいいやつなんだな~と。
クレイジーキャッツの『日本一の無責任男』シリーズの植木さんみたい^^
(う~ん、チョッと違うか^^:)
堺クヒオ限定でですよね^^
間違っても温水洋一クヒオだったらいやですよね~。
>騙されたとしても憎みきれないかも…(笑)
ひとりベッドで眉間にしわを寄せ思いふけっているクヒオが愛しかったですか?
やさしいオリーブリーさんだ^^
でも、あの百万円はダメですよね~^^;
>タイムリーで何千万も詐欺した女のニュース。。。
え~!それは知らなかった!
もしや!女クヒオなんでしょうか?(こらこら)
兄貴でユキオとか、いたりして(=^_^=)
もうちょっと笑わせて欲しかったですかねぇ、、
ま、でも「腕立ては狩猟民族的アピール」ってことは良ぉく分かりました(=^_^=)
なんだか、「サンダ対ガイラ」になりそうですね。
ワタシは達也との掛け合いで十分笑っちゃいました~^^
ボケと突っ込みで息がぴったりだと思うんですけどね。
>ま、でも「腕立ては狩猟民族的アピール」ってことは良ぉく分かりました(=^_^=)
俗に言う「野蛮人」ってことでいいかもしれません。
にしても、あの付け鼻メイクは自然で特殊メイクの進化を感じましたね。