夢と現実のおとぼけバラエティー

実際に夢で見た内容を載せています。それと落語や漫才・コント・川柳・コラムなどで世相を風刺したりしています。

怪談:『大絵図』

2021-08-06 20:35:17 | 夢と現実のおとぼけバラエティー
 

テン・ツク・ポン・テケ・テン・ポン


     怪談『大絵図』



ようこそのお運びでございます。
日本の夏に欠かせませんのが、昔から怪談
噺となっております。
「こう暑いとなんだな、うちわぐらいじゃ
 追っつかないな」
「ひゃーっと冷たい風が吹かねぇかな」
「クーラー入れたらいいだろう」
「それじゃあ、情緒ってもんがねぇだろ」
「じゃあ、寄席に行って怪談噺を聞こう
 じゃねぇか」・・とまぁ、
こうなる仕組みでございます。



大阪夏の陣から早や数年、幕府の置かれ
た江戸はいよいよ発展し、世はすっかり
徳川の時代になりましたようで・・。
徳川の世になったとはいえ、天下は隅か
ら隅まで安定した・・
というわけにはまいりません。
まだ、全国のいたるところに豊臣恩顧の
大名がおりましたし、
関ヶ原合戦や大阪夏冬の陣で禄を失った
浪人がうようよしておりました。
季節はちょうどいまごろ、蒸し暑い夜で
ございます。
江戸城奥の老中溜まり場では「全国大名
領地一覧大絵図」の書き換え作業をやっ

ております。
これは、毎年、領地移封やお取り潰しな
ど、大名の世界もけっこうリストラや人
事異動がありますので、
データを常に更新しなければなりません。
おりしも四人の老中が額を寄せあって、
畳 3 枚分ぐらいの大きさもある「大絵図」
を囲んで、大名の名前を書き換える作業を
しておりました。
ひと通り書き換え作業が終わり、・・さて、
大名の総数に間違いがないかどうか数える
段になりますと・・・。
この日は、どうしたわけか何度数えても、
・・数が合わない・・。
それも一つや二つではなく、十も二十も
ズレが出てくるというわけで・・。


老中A「きょうは、妙でござるな・・? 
             こんなに数が合わないということ
             は・・? 」

老中B「各々方、少々疲れたのではござら
             ぬかの ? 」

老中C「昼からぶっ通しでござるからな、
             もう夜更けでもあり、この辺で休
            息といたしては、如何でござろう」

老中D「それがいい。
     ・・だが今夜は妙にじとっとして
    うす気味悪い晩でござるの 」

老中A「よしっ、これより一人ずつ順番に
             数え役をいたそう。
     最初は拙者がやる。各々方はまず、
     控えの間で休息を取られよ 」

老中B「かたじけなく存知候・・。
     わしゃ、眠い・・ 」

「では、お先にごめん 」というわけで、
三人の老中が控えの間に休息を取りに引き

下がります。
老中溜り場から控えの間までは、長くて暗
い廊下をいくつも曲がって行きますが、・・
所々に壁掛けの行灯(あんどん)が、ぼんやり
とあたりを照らしているだけで、
あたりは、しーんと静まり返っております。
時は、草木も眠る丑(うし)三つ時・・。
どこか遠くの寺で鳴らすのでしょうか、
鐘の音が陰に隠(こも)って・・ご〜〜〜ん
老中A「明日は、上様に差し出さねばなら
     ぬからな・・」
・・と気を取り直して「大絵図」の前に座
りますと、・・・部屋の周りの襖(ふすま)が
かすかにカタカタと揺れる音がします。
「はて、地震かな・・」と不審に思いつつも、
絵図の上を北から順番に一つ二つと数え始め
ます。
・・南の端まで数え終わると二百三十と出ま
した。
「よしっ、こんどは南から数えてみよう 」
・・とやはり一つ二つと数え始め、
・・やっと北の端まで数え終わると、なんと、
二百五十・・と完全に狂った数になります。



老中B「A殿は、ずいぶんと遅うござるな 」



・・とそのとき、部屋全体がゆさゆさと揺れ、
太鼓の音がドロドロ・・・



老中B「よしっ、身供(みども)が様子を見て
             参ろう 」



・・と老中Bが席をたち、先ほどの
部屋に向かいます。
ですが、・・行ったきり、戻っては来ませ
ん・・・。
・・で、またしても部屋全体がゆさゆさと

揺れ、太鼓の音がドロドロ・・・


老中C「妙だな・・・。
             では、拙者が見て参る 」



・・と出て行きますが、この人も行ったき
りで・・・
またしても部屋全体がゆさゆさと揺れ、
太鼓の音がドロドロ・・・



老中D「どうも様子が尋常(じんじょう)では
             ない ?よしっ、もう我慢ならぬ 」



と、急いで先ほどの部屋に駆けつけざまに
襖を開けて、あっ !! と息を呑んだ。



・・なんと、先ほどの「大絵図」の中に
老中Cの体が半分ほど引きずり込まれ、
足だけがむなしく空にもがいております。




老中D「もしっ、いかがなされた !!? 」




・・急いで足を引っ張ってみるのですが、
ものすごい力で引きずり込まれており、
何ともしようもありません。
みるみるうちに老中Cの身体は、
「大絵図」の中に消えてしまった・・・
老中Dが、恐るおそる「大絵図」を
めくって見ると、その下は畳だけでして、
大きな穴など開いておりません。
絵図にも穴など無く元のままでございます。




老中D「さても奇怪なことがあるものよ !? 」




・・とその場に呆然(ぼうぜん)と立ちすくん
でしまいました。
・・と、その時、背後にものすごい殺気を
感じ、おもわず脇差しの柄(つか)に手をかけ、
振り向いたとたん・・
「おおおっ・・ !!! 」
・・あとは声にならなかった。
背後の大襖(ふすま)はすべて消えて無くなり、
その向こうの薄暗い大広間には数百の・・
いや、無数の鎧(よろい)武者達が、無気味に
光る目で、一斉に、じ〜っとこちらをにらみ
つけております・・。
そして、その鎧武者達の中ほどに白装束に
ざんばら髪の男女が二人、青白い顔につり
上がった目で刺すように老中Dを睨みつけ
ております。
「もしや、・・秀頼公と淀の方の怨霊 !! 」
と思うまもなく、老中Dの体は金縛(しば)り
になり、そのまゝ、つ---っと宙に浮いたと
みるや、その状態で大広間の鎧武者達の中
にす---っと吸い込まれて行った。


さあ翌朝の江戸城内は大騒ぎでございます。
老中溜まり場には、裃(かみしも)を着た四人
の老中の白骨死体があったのですから。
さらに、例の「大絵図」中の全国大名領地
は全て、豊臣方の大名の名前に書き換えら
れていたそうで・・・。
この一件は、表沙汰にはされませんでした
が、怖〜い話として秘かに語り伝えられた
そうにございます。
例の「大絵図」はその後、豊臣神社に奉納
されましたとか、
・・巷(ちまた)の噂(うわさ)でございます。



             お後がよろしいようで・・・

   

夢って、奇妙キテレツ!(8/6)

2021-08-06 06:01:48 | 夢と現実のおとぼけバラエティー
学生寮にいる。
2階のトイレでA先輩が便秘で悩んでいる。
B先輩のアイデアで、トイレに水を一杯溜めて
大勢で床を踏み鳴らせば、
床が抜けてみんな1階に落ちて、A先輩の便秘
も解消するだろうということになり、
みんなで床をドンドン踏み鳴らし始めた。