創造主 「あなたがたは、無条件に愛されるということはどんなこと
なのかを忘れている。神の愛の体験を思い出せない。
だから、世間で見出す愛を基準にして、神の愛も同じような
ものだと思う。
あなたは、親の役割を神に投影し、善いか悪いか判断して、
褒美を与えたり罰したりする神を想像する。
だが、それはあなたがたの神話にもとづく、単純すぎる見方だ。
ほんとうのわたし(宇宙の創造主)とは何の関係もない。
こうして神の真実ではなく、人間的な経験をもとに、あなたがた
は神についての思想をこしらえた。
そこから愛をめぐる現実のすべてが生まれた。
それは不安の上に築かれた現実で、復讐心を持った恐ろしい神と
いう考え方に根ざしている。
神が恐ろしいものだという考え方は間違っているが、それを否定
すれば、あなたがたの宗教は崩れる。
不安を秘めた愛という現実が、あなたがたの愛の経験を支配して
いる。
人間行動のすべては。愛か不安に根ざしている。
人間関係だけではない。ビジネスや産業、政治、宗教、社会経済、
戦争や平和、団結、分裂、自由な選択のすべてが、存在しうるた
だ二つの考えから発している。愛か不安か。
これ以外の選択肢はない。
だが、どちらを選ぶかは自由に決められる」
人間 「簡単なことのようにおっしゃいますが、決断しようとすると不安
が勝ってしまうほうが多いですよね。それはなぜなのですか?」
創造主 「不安を抱えて生きるように教えられているからだ。
あなたがたは適者生存、いちばん強い者が勝利を得る、いちばん
利口な者が成功すると聞かされてきた。
いちばん愛らしいものの栄光については、ごくわずかしか語られ
ない。
愛に支えられた行動をとれば、生き延びるだけでなく、勝利する
だけでなく、成功するだけでなく、それ以上のことができる。
そのとき、自分はほんとうは何者か、そして何者になりえるのか
という、栄光に包まれた経験ができるだろう。
すぐれた教師は昔もいまもたくさんいる。
しかし、いちばん偉大な教師は外にいる者ではなく、あなたがた
の心の声である。それがわたしが使う第一の道具だ」