アメリカの世界覇権は、ついに終わった。
2021年は歴史に残る年となった。アメリカの覇権が終わった年として。
今回のアフガンの決着が、それを雄弁に語っている。
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タリバンがカブールに入城し、逃げ出したい欧米人やアフガン人が空港に殺到し
て空港が混乱したことを受け、米政府は混乱解決のため6千人の米軍部隊をカブ
ール空港に投入した。米軍はタリバンと話し合いの場を持っており、タリバンは
カブールの市街地から空港まで米欧人が無事に行けるようにする安全な経路を確
保すると提案してきた。米政府はタリバンの提案を受諾し、8月末までの計画で
カブールにいる米欧人を空港から出国させていくことにした。ベトナム戦争末期
の1975年のサイゴン陥落時、米国勢は自力で何とか撤退したが、今回のカブール
陥落で米国勢は自力で撤退できず、敵だったタリバンの温情で退避路を確保して
もらって撤退していく。米国にとって、カブール陥落はサイゴン陥落よりさらに
惨めで恥ずかしい話になった。(国際問題ジャーナリスト;田中宇氏メルマガ)
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愚かな政権が引き起こした9・11事件の尻拭いをアフガニスタンにやらせるとい
った19世紀植民地時代のような無茶苦茶な勝手気ままなやりかたの結末だ。
こんなことでは民主主義国家が連携して強権主義国家に対峙してゆくという理想
が幻影化する可能性が濃い。