沖縄・台湾友の会

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EUもウイグル産品排除へ 有本香

2022-09-18 14:10:59 | 日記
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EUもウイグル産品排除へ
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       有本香


【有本香の以読制毒】EUもウイグル産品排除へ 日本だけが取り残され る恐れ…29日に証言集会「日中友好50年」が育てたモンスターによる加害 の実情 

中国・新疆ウイグル自治区にある収容所の外壁(AP)
欧州連合(EU)欧州委員会は14日、強制労働によって生産された製品の EU市場での販売を禁止する法案を発表した。中国、特に新疆ウイグル自 治区での、主にウイグル人の強制労働問題を念頭に置いた策とみられる。

本コラムではこれまで、昨年末に米国連邦議会が「ウイグル強制労働防止 法」を成立させ、今年6月に施行させたことなどを伝えてきた。米国では 現在、原則として、ウイグルの産品の輸入を禁止しており、その対策の1 つとして、需要の大きい太陽光パネルについて、東南アジア4カ国(カン ボジア、マレーシア、タイ、ベトナム)からの輸入関税を免除するという 大胆な策まで打ち出している。

今般の欧州委員会の法案発表は、この米国を追う動きだ。法案は今後、加 盟国や欧州議会の同意を経て成立し、その2年後から適用されるという が、日本企業にも影響が出る可能性は大きい。

ついに世界は、「人権保障」を、ビジネスを行う上での最低条件に定める 段階に来た。中国の強制労働問題対策に積極的とは見えない日本政府と、 対中非難決議すらまともにできないわが国の国会は、一体どうするつもり なのか。

政府を擁護する気はないが、日本政府は7月19日、1957年の「強制労働の 廃止に関する条約(第105号)」の批准書を国際労働機関(ILO)に寄 託している。日本はILO加盟国の中で177番目の批准国となり、来年7月 には、同条約が日本国内で発効する。


「強制労働廃止条約」を批准した国は、すべての分野において強制労働を 廃止し、かつ利用しないことが求められる。つまり日本国内に強制労働を 存在させないのはもちろんのこと、今後、日本企業が、例えば中国で製造 したもののうち、強制労働が含まれる疑いを排除できない製品は、日本に 輸入し流通させられないばかりか、米国や欧州へ輸出することも不可能と なるのだ。

この厳しいビジネス環境の変化への対応、対策は、個々の企業や業界任せ で可能なことではない。筆者の取材の範囲だが、日本企業の多くが、世界 のこの動きに明らかに戸惑っている。

いまこそ政府、岸田文雄政権が強力なリーダーシップを発揮して、国内の ルールやガイドラインの整備を急ぐべきである。

そして、わが国の国会が優先して論ずるべきことの1つが、これではない か。間違っても、安倍晋三元首相の「国葬(国葬儀)」に難癖をつけるこ とではない。

ちなみに、ILOは12日、今日の世界全体で約2760万人もの人々が強制労 働に従事させられている─との推計を発表している。2017年の推計が2490 万人だったことを見れば、EUの果断な動きが、この悪しき現状を意識し たものであることは明らかだ。

EUでは、強制労働による製品かどうかの調査は、各国がILOなどの基 準に則って行うとされている。ただし、先立ってEUが、強制労働が行わ れている地域や製品のデータベースを構築する方針とも発表された。

日本だけが、取り残される恐れを強く感じる

わが国のEEZ(排他的経済水域)内に弾道ミサイル5発を撃ち込まれな がら、経済活動においても世界が大きく変化するこの状況下で、まさか岸 田首相や林芳正外相が、「日中国交正常化50周年」に祝意を寄せるような ことのないようにと、強く言いたい。

ところで、1972年の「日中共同声明」から、ちょうど50年となる今月29日 の夕刻、在日ウイグル人団体の「日本ウイグル協会」が、中国の強制収容 所から生還した亡命ウイグル人女性らを欧州から招いて「ウイグルジェノ サイド証言集会」を開催する(=詳細は『日本ウイグル協会』のサイ ト=https://uyghur─j.org/japan/へ)。会場は、首相官邸からも国会か らも至近の永田町「星陵会館」、筆者も登壇する予定だ。

29日夕刻には、岸田首相、林外相にぜひとも星陵会館へお出ましいただき たい。「日中友好50年」が、結果として育て上げたモンスターによる加害 がいかなるものか。その実情をよく聞いてほしいのである。


『借金の罠』、こんどはザンビア(旧北ローデシア)に焦点     嘗て5万人の中国人労働者がやってきて鉄道を建設した

2022-09-18 14:09:49 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)9月18日(日曜日)
        通巻第7467号 
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 『借金の罠』、こんどはザンビア(旧北ローデシア)に焦点
    嘗て5万人の中国人労働者がやってきて鉄道を建設した
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 内陸国家の典型はザンビア。世界に有名なのはヴィクトリア瀑布。産業としては銅鉱山。英国植民地時代は北ローデシアで、農業が栄えた。南ローデシアは現在のジンバブエだ。
 中国が這入り込んできたのは毛沢東時代で、タンザニアへ抜けるタンザン鉄道の敷設には嘗て5万人の中国人労働者がやってきて工事にあたり、百数十の犠牲がでた。

 「鉄魂公園」を造成し、そこは墓地を兼ねる。中国から来賓があると、この公園で記念式を行うのが通例で、現在はヒチレマ大統領だが、パンダ大統領時代(2008-11)からザンビアは中国にのめり込む。名前が共通だったから?
 公園入り口の大きな石碑は中国語で「鉄魂」と大書されている。

 面積は日本の二倍もあるが人口は1800万。電力は水力でまかない、輸出の殆どが銅、北部はカバーベルトと呼ばれ、首都ルサカは海抜1200メートルの高原都市である。銅は一時期、ザンビアの輸出の90%を占め、中国企業が労働者を過酷な条件で酷使し、給与不払いもあったため反中暴動が起きたこともあった。
 中国は交渉の際に必ずタンザン鉄道を持ち出し、その「鉄魂」を強調する。げんに22年5月31日に習近平とヒチレマ大統領は電話会談を行ったが、「全天候型の友好関係だ。中国は『タンザン鉄道精神』(鉄魂)でのぞむ」等と習近平は発言している。

 「中国の「借金の罠」が言われるようになった。2020年ザンビアはアフリカではじめて債務不履行に陥り、IMFと救済交渉を開始した。対外債務170億ドルのうち、60億ドルが中国からの借金と判明した。先頃、IMFは14億ドルの緊急融資を行い、さらに残高のうち84億ドル分に関して「救済プログラム」の交渉を始めた。
最大のネックが中国で、契約内容や融資条件を公開しないのだ。