沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

広島G20をインドのメディアはいかに報じたか   ゼレンスキー、クアッドも大事だが、優先は「食糧安保だ」

2023-05-21 14:48:26 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)5月22日(月曜日)
       通巻第7758号  <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 広島G20をインドのメディアはいかに報じたか
  ゼレンスキー、クアッドも大事だが、優先は「食糧安保だ」
****************************************

 カーキ色の軍服で何処にでも出没するゼランスキーに対して服装の非礼を批判する論調はない。
民族衣装で現れたのはインドのモディ首相で、ウクライナ問題の影に隠れたが、外交的には着々とポイントを挙げた。

 モディ首相が訪日で重視したのはグローバルサウスの問題は食糧安全保障と農業肥料であり、インド太平洋安全保障より優先すべき課題だと示唆した。
広島原爆記念館の訪問にもたいした感想をのべず、旧宗主国イギリスと豪州首相との会談を重視した。
とくに豪に対してはシドニーに二万のインド人が定住しているが、この移民枠の増加を豪首相とはなし合った

 日米豪が期待するクアッドでもインドの積極姿勢を期待したが、モディは慎重に対応した。ただし2024年のクアッドは印度開催が決まっている。

G7広島はぜレンスキーに掻き荒らされた   F16供与、援助継続など晴れの舞台を独り占め

2023-05-21 14:46:34 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)5月21日(日曜日)弐
       通巻第7757号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

G7広島はぜレンスキーに掻き荒らされた
  F16供与、援助継続など晴れの舞台を独り占め
****************************************

 エネルギー、とくに変電施設。この冬を越せたのは日本の援助のおかげです。日本のみなさん、ありがとう。ゼレンスキー大統領は読売新聞との独占インタビューに答えた。
 「今後、どんな支援を期待するか」との問いに、「医療システムの構築、そして復興には『日本の指導力』に期待している」。その語彙は洗練されているが、要するに「カネ、呉れ」である。

 ウクライナのメディアは、こんどのゼレンスキー大統領の訪日をどう伝えたか?
 第一に到着前にF16供与を勝ち取ったと大きく伝えた。サリバン補佐官は広島で記者会見して、「同盟国に米国が供与したF16を、ウクライナに供与するにあたっては米国の許可が必要だが、米国は『容認』する」とした。
まるでタイムスケジュールにあわせたかのようにぜレンスキーの訪日と呼吸が合っている。舞台裏で話し合いが出来ていたのだろう。

 第二に到着早々、真っ先にインドのモディ首相と会い、「インドは可能な限りの支援をする」との言質を特筆して伝えた。
ロシア制裁に加わらず、原油を大量に輸入しているインドは「グローバル・サウス」の代表格で、外交的に切り崩しを狙ってきた。

 第三にゼレンスキー大統領の宿泊先ホテルを訪ねたのがイタリア、EU議長、ドイツ首相、英国、そしてマクロン大統領らと会談した。
舞台裏でフランスがゼレンスキー大統領に飛行機を提供し、来日のタイミングを教えたことには触れていない。

 G7広島は日本が当初予定していた思惑と大きくずれた。ぜレンスキーに掻き荒らされた観がある。

G7広島にぶつけて開催された中国・中央アジア首脳会議   習近平は西側の介入、カラー革命を懼れている

2023-05-21 14:45:28 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)5月21日(日曜日)
       通巻第7756号  <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 G7広島にぶつけて開催された中国・中央アジア首脳会議
  習近平は西側の介入、カラー革命を懼れている
****************************************

昔の名前は長安。シルクロードの起点でもあり、幾多の王朝の首都でもあった。
ペルシア人もソグド人も突厥もウイグル人、チベット人。そして阿倍仲麻呂、吉備真備、藤原清河がいた。国際都市である。
いまの西安郊外には秦始皇帝の広大な御陵、豪華宮殿だった「阿房宮」跡、そして玄宗皇帝ゆかりの場所も数々、西安事件の現場ちかくには楊貴妃の白亜像。

 2023年5月18日~19日、この西安で「中国 中亜峰会」(中国と中央アジア諸国首脳会議)が開催され「西安宣言」が採択された。
同首脳会議には、カザフスタンのカシム・ジョマルト・トカエフ大統領、キルギスタンのサディル・ジャパロフ大統領、タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領、トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領が出席した。
「西安宣言」が採択され、ほかに七つの二国間および多国間文書に署名した。 

 習近平国家主席は中央アジア五ケ国と産業や投資を含む様々な分野での協力強化、連帯強化、エネルギー開発のパートナーシップ構築を提唱した。
すでにシルクロード(一帯一路)建設開始から十年、中国は当該地域に37億ドルを投資し経済発展に大きく貢献したなどと発言した。

 その一方で「諸国の内政に干渉し『カラー革命』を扇動する外部の試みに反対するための協同」を呼びかけた。中央アジアに急速に拡がる民主主義、法治、人権という西側の価値観への共鳴を加盟国の多くは反政府活動と捉え、またウイグル独立、チベット独立などを唱える活動家にはテロリストのレッテルを貼ってきた。

同会議を政治協議のメカニズムとして制度化する必要があり、次回サミットを2025年にカザフスタンで開催することで合意した。また首脳らは、常設事務局を中国に設置することに賛成した。

 とくに注目されるのは中国と中央アジアの「エネルギー開発パートナーシップ」構築が謳われ、習近平は「ガスパイプラインの建設を加速すること、すでに7000億ドルに達した相互間貿易を増強するために鉄道貨物量を増やし、カスピ海を横断する国際輸送回廊の建設を支援し、港湾近代化プロジェクトを加速し、欧州へいたる貨物列車の拠点を増設強化する」と述べた。


 ▲パイプライン増設、貨物輸送拠点も増強

 中国とカザフスタンは、両国国境に3本目の鉄道を建設している、
ガスパイプラインは既存の三本で年間 550 億立方メートルの輸送がなされているが、加えて四本目の建設が謳われた。
トルクメニスタン大統領が珍しく出席したのも、このパイプラインはトルクメニスタンから新彊ウイグル自治区へ運搬されているからだ。

 ブルームバーグは「中央アジア諸国との安全保障協力を強化するという中国の狙いは、ロシアとの関係において中国がますます優位な立場にある」とし、ロシア側の反応が否定的なニュアンスを示唆した。

 秦剛国務委員兼外相は、「中央アジア諸国と中国の協力関係は第三者によって拘束されず、他国を排除する小さな派閥を形成しようとするものではない」とし、「歴史の正しい側、文明の側に立つものであり、国際社会とともに地球規模の課題に立ち向かい、平和と発展を促進する」と歯の浮くような台詞を吐いた。

 ウクライナ戦争によりロシアの窮地を横目に、中国は白昼堂々の中央アジア政治への介入だから、プーチンにとってはおもしろい筈はない。
 しかしカザフスタンを筆頭にロシア場慣れも顕著となっており、中国アジア五ケ国はイスラムでは共通だが、そのイスラム教とを弾圧する中国に、ビジネスは別だとして近づくのも大きな矛盾である。


米国の債務上限問題の深刻度     高橋洋一

2023-05-21 14:43:55 | 日記
わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6507号 

━━━━━━━━━━━━━━━━
米国の債務上限問題の深刻度
━━━━━━━━━━━━━━━━
          高橋洋一


【日本の解き方】過去には政治的妥協図り決着「政府紙幣発行」という切り札も 


米国の債務上限問題が浮上している。過去に何度も繰り返されているが、今回も同じ構図なのか。決着のめどはあるのか。

まず米国の国債制度を確認しておこう。毎年度の国債発行額は、1917年制定の第二自由公債法に基づく発行残高についての制限を受けるのみである。日本の場合、毎年度の建設公債発行額が予算総則で、特例公債が特例法で制限されているが、米国では第二自由公債法の債務残高上限さえ下回っていれば、毎年度の発行には支障がない。

債務残高上限は、現在まで100回程度、何らかの方法により引き上げられてきた。現在の法定上限は31兆4000億ドル(4200兆円程度)である。

今年1月に債務上限は法定上限に達したので、米財務省は公務員退職・障害者基金などの償還や新規投資の停止を通じて、必要資金を捻出してきた。しかし、その措置も尽きてきて、イエレン財務長官は5月1日、連邦議会のマッカーシー下院議長ら上下両院の民主、共和両党のリーダー4人に書簡を送り、議会が債務の上限を引き上げるか上限の適用を停止しなければ、6月1日にも債務不履行(デフォルト)に陥る恐れがあるとの見通しを示した。

この債務上限問題はこれまで何度も起きている構造的欠陥だ。債務上限の数値を法律で決めているため、すぐに債務額が上限に達し、しばしばそれが政治駆け引きに使われてきた。今回のように、民主党政権だが下院では共和党が多数派といった「ねじれ」があるときには、なおさらだ。

記憶に新しいところでは、2011年と13年などにもあったが、すったもんだの騒ぎの後に債務上限が引き上げられたのを記憶している人もいるだろう。当時、国民の批判の矛先は、野党の共和党に向かった。民主党がひどいからといって、共和党はやり過ぎだという批判が多かった。

過去の歴史を見ると、政治にはハプニングがつきものだから、政治交渉が決裂したこともあった。その場合には、政府機関閉鎖になるが、それでも米国債のデフォルトにはなっていない。

以上の歴史からみると、今回も前と似ているように思える。ただし、今回は、デッドラインである6月1日の直前、5月19日から21日まで主要7カ国(G7)広島サミットがある。バイデン大統領とマッカーシー下院議長らの会談に時間の余裕はあまりない。

債務上限問題について、マッカーシー下院議長は歳出削減法案を下院で可決しているが、バイデン大統領は反対だ。米国では、金融機関の破綻があり、債務上限問題が片付かないと金融市場への悪影響もありえる。

カギは共和党優勢の下院が握るので、楽観的に見れば、これまでのように政治的な妥協が図られるのではないだろうか。

政府には政府紙幣発行という最後の手段があるから、議会が債務上限で政府を脅しきれないという構図もこれまでと同様である。 (元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)


アラブ連盟首脳会議に二人の闖入者   ゼレンスキー大統領の演説にアサドはイヤフォンを外した

2023-05-21 14:43:17 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)5月20日(土曜日)弐
       通巻第7755号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 アラブ連盟首脳会議に二人の闖入者
  ゼレンスキー大統領の演説にアサドはイヤフォンを外した
****************************************

 5月18日、広島で開催中のG7に当てつけるかのように、アラブ連盟首脳会議がサウジアラビアのジェッダで開催された。
一方、中国の西安では「中国・中亜首脳会議」が凄まじい宣伝の下で開催された。演出度から言えば、西安の舞台装置はド派手。ミニ五輪のように華やかだった。

 アラブ首脳会議への闖入者は、参加国でもないウクライナからのゼレンスキー大統領だ。13年ぶりに復帰したシリアのアサドに注目が集まるはずなのに、アラブ首脳は、闖入者の発言に耳を傾けた。サルマン皇太子は歓迎の意を述べた。

「クリミアには多くのムスラムがいる」とゼレンスキー大統領は言った。
彼の演説中、同時通訳のイヤフォンをこれ見よがしに外していたのはシリアのアサド大統領だった。もとよりシリアのアラブ連盟への復帰は会議直前に認められており、アサド大統領の出席は予定されていた。

 いまひとつの驚きというか、疑問はゼレンスキー大統領がフランスの提供した飛行機でジェッダに降り立ち、いきなりサルマン皇太子と会談したことだろう。

 他方、G7にぶつけるように西安では「中国・中央アジア首脳会議」が開催され、習近平のもとへは、トルクメニスタン大統領、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスの首脳が集結した。表向きの綺麗事とは別に、鎖国しているトルクメニスタンが出席したことに注目が集まり、またウズベキスタンとキリギス大統領は夫人同伴だった。
中央アジアのイスラム五ケ国は旧ソ連であり、モスクワは、この西安での動きに神経をとがらせた筈である。

 ゼレンスキー大統領がジェッダへ飛んだのは、この機会を利用してロシアに中立的な国々をロシアに近寄らせない牽制であり、制裁に加わらないアラブ諸国へのジェスチャーでもある。


 ▲広島へ押しかける理由は何か?

 そのうえでゼレンスキー大統領はG7開催中の広島へ向かうとツィッターで予告し、世界のメディアが驚きを持って報道した。
 広島のG7はお祭りでもあるが、バイデンは渋々原爆資料館見学に付き合い、記念写真に納まったものの謝罪はなかった。

 ゼレンスキー大統領は直前にキエフを訪問した中国の李輝特別代表等に「1インチも譲らない」と強硬姿勢をしめしたばかりだが、G7に飛び入り参加は、欧米諸国の援助疲れに対しての援助拡大要請、F16供与などの諸問題もあるが、欧米が、ゼレンスキー大統領を抜きにして停戦へ動きかねないムードへ水をさす目的があるようだ。