「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)6月2日(金曜日)弐
通巻第7778号
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欧州で連続的なNATO、EUサミット
7月のNATOビリニュス首脳会議を前に大きな動き
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ゼレンスキー大統領、こんどはキエフへのミサイル攻撃がつづく中、モルドバの古城に現れた。モルドバはウクライナと国境を接する。ウクライナから僅か12キロの場所に古城が聳えている。
6月1日、「モルドバEUサミット」はこの城を舞台に開催された。ゼレンスキー大統領、マクロン、シュミット、スナクらも顔をそろえた。EU加盟27ヶ国首脳と近隣20ヶ国からのオブザーバー。議題はウクライナのEU加盟、ウクライナ支援が中心となった。
議長役はサンドゥ(モルドバ大統領)で、彼女は親西側路線で知られる。
一方、オスロで非公式のNATO外相会議が5月31日に開催された。
ここでも議題はウクライナのNATO加盟問題で、7月11日からリトアニアのビリニュスで開催されるNATO首脳会議の準備会合だった。
問題はウクライナがもしNATOメンバーとなると、NATO全加盟国はロシアとの戦争に加担することになる。事実上、武器支援をしているのだから「加盟承認」は実態の追認に過ぎないとすする分析もあるが、正式加盟国として扱うには、いくらゼレンスキー大統領が「準備はできている」と言っても参加資格、分担金などの条件を満たしていない。ほかにアルメニアvアゼルバイジャン紛争、コソボにおける住民衝突など問題が多い。
またスウェーデンのNATO加盟にはトルコが反対しているほか、ハンガリーも距離を置いている。EU本部から見れば「ハンガリーは黒い羊でアリ、不愉快な存在」と扱われている。しかし欧州政治の次の日程がこれでみえた。
令和五年(2023)6月2日(金曜日)弐
通巻第7778号
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欧州で連続的なNATO、EUサミット
7月のNATOビリニュス首脳会議を前に大きな動き
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ゼレンスキー大統領、こんどはキエフへのミサイル攻撃がつづく中、モルドバの古城に現れた。モルドバはウクライナと国境を接する。ウクライナから僅か12キロの場所に古城が聳えている。
6月1日、「モルドバEUサミット」はこの城を舞台に開催された。ゼレンスキー大統領、マクロン、シュミット、スナクらも顔をそろえた。EU加盟27ヶ国首脳と近隣20ヶ国からのオブザーバー。議題はウクライナのEU加盟、ウクライナ支援が中心となった。
議長役はサンドゥ(モルドバ大統領)で、彼女は親西側路線で知られる。
一方、オスロで非公式のNATO外相会議が5月31日に開催された。
ここでも議題はウクライナのNATO加盟問題で、7月11日からリトアニアのビリニュスで開催されるNATO首脳会議の準備会合だった。
問題はウクライナがもしNATOメンバーとなると、NATO全加盟国はロシアとの戦争に加担することになる。事実上、武器支援をしているのだから「加盟承認」は実態の追認に過ぎないとすする分析もあるが、正式加盟国として扱うには、いくらゼレンスキー大統領が「準備はできている」と言っても参加資格、分担金などの条件を満たしていない。ほかにアルメニアvアゼルバイジャン紛争、コソボにおける住民衝突など問題が多い。
またスウェーデンのNATO加盟にはトルコが反対しているほか、ハンガリーも距離を置いている。EU本部から見れば「ハンガリーは黒い羊でアリ、不愉快な存在」と扱われている。しかし欧州政治の次の日程がこれでみえた。