フィンランド建築・デザイン雑記帳

森と湖の国、SUOMIのクリエーター達に想いをよせて....
チョット書き留めておきたいこと、昔の思い出・備忘録

フィンランドの「建築・デザイン」をテーマにした切手 その4

2006年03月16日 | 建築・デザインをテーマにした切手



今回は建築家エリエル・サーリネン(Eliel Saarinen 1873-1950年)に関するものを紹介しよう。

1枚目は生誕100年にあたる1973年に発行されたもので、国会議事堂設計競技で1等を獲得した応募案(1908年)とサーリネンの写真で構成されている。 
2枚目は2005年3月発行の「ヴィトレスク(Hvitträsk) (エリエル・サーリネン、ヘルマン・ゲゼリウス、アルマス・リンドグレンの住居であり建築スタジオでもあった)」の切手である。

上の切手は、1973年に発行されたエリエル・サーリネン生誕100年の切手だが、建築家やデザイナーがこのような形(デザイン)で切手に取り上げられるのは、なんとも羨ましく文化の差を感じてしまう・・・・・。


切手に使われた写真 アトリエでのエリエル・サーリネン。
「SAARINEN in Finland」Museum of Finnish Architecture 1984年より


切手の背景に使われたパース 国会議事堂設計競技応募案 1908年。
「SAARINEN in Finland」Museum of Finnish Architecture 1984年より


「ヴィトレスク」は1901-1903年に完成したアール・ヌーヴォースタイル(ナショナル・ロマンティシズム)の建物で、ヘルシンキの近郊、キルコヌンミ(Kirkkonummi)の森と湖の自然環境の中にある。
ヘルシンキから日帰りも可能で、この建物を訪れた人も多いであろう。
ヴィトレスクを訪れたときに是非観て欲しいのは、丘を下った湖畔にある「レイマ・ピエティラ(Reima Pietilä)」設計の丸太のサウナ小屋である。見落としがちなので一言・・・・・。



レイマ・ピエティラ設計の丸太のサウナ小屋。


(以下、ヴィトレスクのパンフレットからの抜粋)
1900年のパリ万国博のフィンランド館の設計を終え、三人は静かに仕事に専念出来る環境を求め、ヴィトレスク湖畔に各々自分の住居を設計した。
現在、博物館になっている建物はエリエル・サーリネンの住居で、その北側の棟続きの建物で現在ホテルになっているのはリンドグレン(Armas Lindgren 1874-1929年)の住居である。
庭の向こう側にある黒塗りのゲゼリウス(Herman Geselius 1874-1916年)の住居は、現在レストランとして使用されている。
棟続きのサーリネンとリンドグレンの家の間はアトリエで結ばれ、彼等はここで仕事をした。
後年ヘルシンキ工科大学の教授になったリンドグレンは、1905年住居と土地をサーリネンに売却しヘルシンキに戻った。
1916年ゲゼッリウスが喉頭癌で亡くなると、妻マティルダはサーリネンに住居を売り、建物は総てサーリネンの所有になった。彼はこれら二つの建物を友人達の、また一緒に仕事をする若い建築家達のゲスト・ハウスにした。
1923年、サーリネン自らもシカゴ・トリビューン・タワーの設計コンクールで第二位に入賞した後、家族と共にアメリカに移りミシガン州クランブルクに住み、1950年に亡くなるまでそこで建築家として仕事をした。
ヴィトレスクは1949年アネルマとライネルのヴォリオ夫妻が買い取るまでサーリネンが所有し、その後20年間ヴォリオ家がここに住んだ。
1969年ゲルダ&サロモ・ヴォリオ財団のもとに移され、1981年に国の所有に移った。
(以上、ヴィトレスクのパンフレットからの抜粋)



サーリネンの住宅。 


サーリネンの住宅、食堂部分。


「ルイリュ」織りの壁ラグは、
エリエル・サーリネンの妻、ロヤ(Loja Saarinen)の手織りである。


「ヴィトレスク」のあるキルコヌンミ村の鍛冶屋、サントゥ・ハルトマン(Santtu Hartman)による食堂のタイル張り暖炉の銅製のハッチ。


エリエルとロヤ・サーリネンによる寝室の椅子のディテール。


エリエル・サーリネンによるドアの装飾デザイン、


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多摩美術大学の平山 達氏のブログ「北欧建築ゼミ アアルト」に「ヴィトレスク」の写真が多数掲載されています。
他のフィンランド建築作品と共に是非ご覧下さい。



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