フィンランドの建築科教室では、このバッグを持っている学生が、必ず2-3人はいる。 建築デザイナーお気に入りのバッグである。
これは、日本でもファンの多いマリメッコ(marimekko) の製品で、その名も「ARKKITEHITI」! ARKKITEHITI(アルキテヒティ)とは、フィンランド語でアーキテクト (建築家)の事。
まさに建築家ご用達のバッグである。
サイズは40cmx30cmと大きめで、材質は100%綿キャンバス (帆布)、丈夫な造りである。
デザインしたのはプロダクトデザイナーでありインテリア・アーキテクトでもある リストマッティ・ラティア (Ristomatti Ratia、1941年生まれ)、1970年代の作品。
彼は、マリメッコの創設者でデザイナーでもある アルミ・ラティア (Armi Ratia 1912-1979年)の息子で、長くマリメッコで仕事をした後、アメリカなど世界中で活躍した。
1999年にヘルシンキで Ratia Brand Co. という会社を設立している。
2005年夏、 プンカハルユ (Punkaharju)の展示施設 レトレッティ (Retretti)で 「Ratia & Ratia」展という親子のエキセビションを行った。
Marimekko 「Arkkitehiti」 design: Ristomatti Ratia
フィンランドから建築の学生グループが来日した折、案内役をかって出た。
彼らと数日行動を共にしたが、総勢15人のグループうち 4人がこのバッグを持っていた。
偶然かもしれないが、デザイナーに人気のバッグである。
「デザイナーによるデザイナーの為のバッグ」 内部の仕切りといい、多目のポケットといい実に具合が良い。
材質は100%綿キャンバス (帆布)で、大きさは40cmX30cm と見るからにがっちりとした頼りがいのあるバッグである。
ショルダーベルト付きで、デザイナーには嬉しい仕切りやポケットがたくさん付いている。
ここに三スケ(三角スケール)、デジカメ、こちらに電卓、携帯電話と小物や書類を整理して入れられる。
バッグカバー前面にはファスナー付のポケットがあり、裏面には透明のビニールポケットが2つ付いている機能的なデザインだ。
色は白、赤、ベーシュ、渋い緑色、紺、黒の6色。
近年はオタニエミでもタンペレでもオウルでも、このバッグを見かけることが多いが、僕がフィンランドにいた1980年代前半は、学生には高嶺の花だったのか、このバッグを見ることはあまり無かった。
当時の建築科の学生の多くは工科大学の他の学科の学生と同様、アタッシュケースのようなカバンを持っていた。
「映画 007のアタッシュケース」である。
これが当時の学生カバンの定番で、どうして彼らが、あまりスタイリッシュだとも思えない、営業マン風のカバンを持つのか僕の不思議で、よく「なぜ?」と聞いたものだ。
彼らの答えは「雨や雪から教科書や書類を守るため」と言うのだが、今思うとあれが当時の流行だったのだろう。
Marimekko 「Graafikko」 design Ristomatti Ratia
マリメッコの「Graafikko」というモデル。
グラフィックデザイナー用ということか?
Marimekko 「Taittaja」 design Ristomatti Ratia
マリメッコの「Taittaja」というモデル。
メークアップの人達にということか?手ごろな大きさでなかなか使いやすそう。
Photos Quoted from Marimekko Homepage.
追記:
先日、マリメッコのカタログを観たが「ARKKITEHITI」など、「リストマッティ・ラティア」デザインのシリーズは載っていなかった。
既に販売終了なのかもしれない。