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「慰安婦謝罪」の意外な真相

2013-05-26 13:44:18 | 慰安婦
【阿比留瑠比の極言御免】
「慰安婦謝罪」の意外な真相


筆者にも責任の一端があるため、この際きちんと整理しておきたい。

安倍晋三首相が第一次政権時代の平成19年4月のブッシュ米大統領(当時)との会談で、慰安婦問題に関して大統領に「謝罪した」とメディアが一斉に報じ、いまなお国会などでこの問題が取り上げられる件についてだ。
実はこの報道は誤解に基づいており、真相は異なった。

きっかけは、会談後の共同記者会見で慰安婦問題について両首脳が、それぞれこう答えたことだった。

首相「極めて苦しい状況におかれたことについて申し訳ない気持ちでいっぱいだ。20世紀は人権侵害の多かった世紀であり、21世紀が人権侵害のない素晴らしい世紀になるよう、日本としても貢献したいと考えている、と(米議会で)述べた。このような話を本日、大統領にも話した」

大統領「私は安倍首相の謝罪を受け入れる」

この場面を見たメディアは「慰安婦問題 大統領『謝罪受け入れ』」(産経新聞4月28日付)などと筆者も含めて書いた。

だが、よく考えれば、そもそも論理的にヘンな話だっだ。

元慰安婦に「申し訳ない気持ち」を抱くのはともかく、当事者でもない米大統領に謝るのは筋が通らない。

疑問に思った筆者が5月1日の同行記者団との内政懇で「意味が分からない」と質問すると、首相は明確に謝罪を否定した。

「米国に謝罪したということでは全くない。当たり前の話だ」

メディアはこちらの発言はほとんど取り上げなかったが、首相は今月20日の参院決算委員会でも、改めて「私が大統領に申し訳ないという立場では全くない」と明言している。

それならばなぜ、6年前の共同記者会見で大統領は「謝罪を受け入れる」と述べたのか。
その後、首相本人を含む複数の関係者に取材して判明した事実は意外なものだった。

首脳会談の冒頭で、大統領からこんな申し出があったのだ。

「ミスターアベ、きょうは慰安婦問題と米国産牛肉の対日輸出の件は、話をしたことにしておこう」

つまり、双方にとって難しい話題は実際は避けながら、対外的には協議した形をとりたいというわけだ。

結局、慰安婦問題は話題にしなかったのに、質問を受けた大統領が適当に話を合わせようとして「なぜか『謝罪』と言っちゃった」(政府筋)のが真相だ。

大統領は18年11月、ベトナムで日米韓3カ国首脳会談が行われた際にも事前に首相にこう持ちかけた。

「面倒だから、盧武鉉韓国大統領とは朝鮮半島の話はしないでおこう」

盧大統領と朝鮮半島情勢を議論すると、すぐに歴史問題を持ち出して対日批判を展開するので大統領はへきえきして避けたのだろう。

首脳会談の機微を示すエピソードだ。


こうした事情と外交的配慮もあってか、政府が今月17日に閣議決定した19年4月の日米首脳会談に関する答弁書は「ややこしい書きぶり」(首相周辺)だ。

首相が慰安婦問題で大統領に謝罪や釈明をしたとは一切認めない一方、公式には「話をした」ことになっているため、「説明」は行ったことにした。
その内容については、共同記者会見での首相発言(つまり議会での言葉)を引用した。

以上、経緯を反省を込め記した。

ともあれ、首相がいくら否定しても米大統領に「謝った」「屈服した」と信じたがる人が少なくないのは、日本人の対米認識・感情を考える上で興味深い。(政治部編集委員)


msn産経ニュース
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