当社で開発したSynchro PRIMO法によるPMUで、電力系統の「観測」を行っています。計測ではなく、電力系統を対象とする「観測・観察」だと思っています。
一応、給電指令所のほうから「受給バランス」の調整をし周波数を維持していますが、実際の挙動は、電力系統工学の教科書に書かれているようなものではありません。ひたすら測定値を「深夜のライブ」で観察して分かってきたことの一つとして、夜間は周波数が不安定なこと(とは行っても数mHz)程度の一種の周波数変調がおこっており、変調周波数は、1〜4Hz程度でした。こんなに短周期に同期発電機の回転数が変動するわけはなく、理由をずっと考えていましたが・・・答えは簡単でした。
他には、電圧の変動があるのですが、コンセントからモニターしているため、近隣の負荷が原因かもしれません。が、毎日観察していると、一定の時間帯に、同じような電圧形状の変化が発生しているのです・・・
1秒間に100回測定した値をWAVファイルに記録し、それを音として聞いてみると・・・サンプリング周波数の関係で、実際の変動周期の441倍の高さで聞こえます。・・・ここにも奇妙な音が突然聞こえたり、スイープ状の音もあります。
瞬時周波数・瞬時電圧・位相角をリアルタイムに、1秒間に100回の測定をしていますが、「奇妙な現象」が他にもいくつも発見されました。
系統内のどこかの変電所/開閉所で、切り替えをしている様子が観測されました。深夜から早朝にかけて「この現象」がみられます。
以上のような観察結果をまとめ、電気学会 計測研究会で発表します。
https://workshop.iee.or.jp/sbtk/cgi-bin/sbtk-showprogram.cgi?workshopid=SBW00004527
2015年9月に国際会議のため、欧州に行った際、宿泊した各地で「電源の波形」を収集してきました。ニースで収集した波形からは、非常に「奇異な電圧・周波数変動」が測定され、波形を直接観察しても「ゆらゆら」揺れる波形でした。・・・この原因についての考察も発表します。
精密測定してみると、予想しなかった知見が得られるものです。