PRIMO信号処理研究所 / Synchro PRIMO Lab.

周波数測定、位相差測定に関する新しい数理。
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調波を重ねると・・・奇妙な波形

2017-06-29 01:18:14 | 信号処理

 一風変わった信号を紹介します。

X(t) = sin ωt + (1/4) * sin ( 4ωt ) + (1/9) * sin (9ωt ) + ... +  (1 / m^2 ) sin ( 1/2^m * ωt)

これは  「リーマン関数」と呼ばれています。 https://ja.wikipedia.org/wiki/リーマン関数 

基本周波数に、4, 9, 16,25 ..... 高調波 が、振幅 1/4, 1/9, 1/16 , 1/25 となって加わっていくだけです。

波形は奇妙な形になり、無限に重ねると「いたるところで微分不能」な「連続関数」になるそうです。このような波形を「病的関数」というらしく、「ワイエルシュトラス関数」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ワイエルシュトラス関数 も奇妙な波形になってしまします。

・・・ ちょっと考えると、フーリエ変換の定義の範囲で、特別なことをせず成分を重ねていくと、波形が微分不能になる、つまり、ある特定点での微係数を求めることができないということです。 当然2階微分も求められないわけなので、周波数も定義できない? ことになるのでしょうか。

 非線形の世界なら、こういうことは起こりえるのかもしれません。音で考えるなら、リーマン関数のルールで調波を重ねていくと、どんな音なのでしょうか。 興味あるかたは実験してみてください。

(追記) 2020.1.23

 前述のリーマン関数を使い、逆フーリエ変換すると、「あちこちで微分できない」信号ができてしまいます。従来からの伝統的な考えでは、既知の「周波数成分」をもつ、ごく普通の波形でしょうが、微分できないとなると、その波形はどう解釈すべきでしょうか。 関数の連続性と微分可能性については、フーリエ変換は、あまり明快な答えを示していません。 一度、整理をしてみたいと思います。

 


「基本周波数」定義のジレンマ

2017-06-29 01:06:38 | 信号処理

 2つの、いわゆる「周波数成分」からなる波形の「基本周波数」は、どう定義すればいいでしょうか。例として、100 Hz の成分1、300 Hzの成分2 を考えます。 

それぞれの振幅、 100Hz成分振幅=A1, 300Hz成分振幅= A2 としましょう。

(1) A1 >> A2 の場合

 常識的に、300 Hzが "ちょっとだけ"混入しているが、基本周波数 = 100 Hz と考えてよさそうです。300 Hz の成分2は第3高調波として処理すればなんてことないです。

(2) A1 << A2 の場合

 前と動揺に、 基本周波数=300 Hz と考えてよさそうです。1/3 の分数波が混じります

(疑問)

・ 振幅A1, A2 がどのような条件の時に、上記(1)(2)の境界となるのでしょうか?

・ A1 = A2 のときの基本周波数はどう考えるべきでしょうか。三角関数の和積変換から、周波数が 200 Hz であると見ることもできます。

・ 瞬時位相角から導出される瞬時周波数は元の成分以外の値をとり得ます。基本周波数とは、これらの平均周波数と一致するものなのでしょうか。

・・・ さて、どう解釈すべきでしょうか。基本周波数はどう定義すべきでしょうか。