待合室
病院で辛いことの一つは長時間待たされることである
F病院で消化器内科の前で その後ろに待つのが常である その様な外来患者が 二階は三人掛けベンチが前後ありそれが60~70あるだろうがほぼ満席 そこで予約していても3時間待つのであるから それは難儀なことである 多くは人生の晩秋を感じさせられる人たち その晩秋を迎える顔々々 3か所の椅子が2~30並べられているが それらが8階建のビルイッパイであっちにもこっちにもある。 病院はいつもほぼ満席で よくこれだけ病人が居るものだと呆れる 病院の待合室はわたしに忍耐を教えて呉れた。
3時間も待つのは辛い ちょっとした小説を読んでトキを過ごすのもその一つだが この日は病院前のバス停から 乗ったことのないバスのコースに行ってみよう 先は何処へ行方知らず 時間を潰そうと 京都市バス4番に乗ることにした 酔狂なことだが ここで「来た時任せ」にそのバスに乗ることにした 待つことなく4番のバスがやってきた。
バスの乗客はやや少なく 中にはちょっとカッコよいオネイさん 50~60歳かくらいだろうかが2人いた。 そのオネイさんは運転手さんに
「このバス銀閣寺へ行きますか・・?」
と尋ねていた 尋ねられた 運転手さんも丁寧に答えていたが たまたま進行中のバスで わたしの前の席に 彼女達の席があった。
わたしは前方を示しながら 彼女に目の前の一群の人が屯しているところを指示して
「前に人が並んでいるでしょう アチラがバス停です 次ぎで降りてあそこでお待ちなさい・・」
と云った バスは今出川の橋を東へ渡り 北へ曲がり 出町橋の袂で停まった。 カッコよいオネイさんは 軽く会釈して降りて行った。
このバス同乗の客は少なく 加茂川西へ再び渡り北上しながら 知ってる地名 辛うじて知ってる地名 まったく知らぬ地名を 左へ右へと回って行く わがままな町内会の声が このわたしの耳に聞こえて来る バスを通せ! ここに停車場を造れ! 同じ街に住みながら ことの成り行きが新鮮に見えてきた。
このバスの終着点は上鴨神社であった 約20分で上鴨神社の白砂を踏んだ バックの中より小銭を取り出し 先ずは神社に賽銭を供え 二礼二拍手。
ここには鴨氏一族に残る神話がある それには 川上から丹塗りに矢が流れ 乙女はその矢を持ちかえった すると乙女は懐妊したと云う話しがある その神話の鴨の小川の畔を彷徨い歩いた 長袖のシャツは着ていたが暑い もうボチボチ時間が来たと病院の待合室が呼んでいる。 この彷徨のひと時を閉じることにした。
上鴨神社の西 鴨の橋を西へ渡り ハテこれから・・バス停は・・
その辺りにはバス停はない 閑々として尋ねる人も居ない 鴨川の西岸の木陰を求めて歩く 貴方・・本当に病人? と何方(どなたか)がオッシャル オヤオヤ暑い中で誰か働いている人が居る
「オジサン バス停は何処?」
コチラを振り返ったカオ。 渋紙にベンガラを塗りつけた様でまるで鬼瓦 それは赤鬼だ
「ああバス停か? バス停はアッチ!」
とシャベルの先が示していた
「ありがとう!」
シャベルの示している先に 前方からバスがやって来る わたしは手を挙げながらバスに向かって走った。
病院で辛いことの一つは長時間待たされることである
F病院で消化器内科の前で その後ろに待つのが常である その様な外来患者が 二階は三人掛けベンチが前後ありそれが60~70あるだろうがほぼ満席 そこで予約していても3時間待つのであるから それは難儀なことである 多くは人生の晩秋を感じさせられる人たち その晩秋を迎える顔々々 3か所の椅子が2~30並べられているが それらが8階建のビルイッパイであっちにもこっちにもある。 病院はいつもほぼ満席で よくこれだけ病人が居るものだと呆れる 病院の待合室はわたしに忍耐を教えて呉れた。
3時間も待つのは辛い ちょっとした小説を読んでトキを過ごすのもその一つだが この日は病院前のバス停から 乗ったことのないバスのコースに行ってみよう 先は何処へ行方知らず 時間を潰そうと 京都市バス4番に乗ることにした 酔狂なことだが ここで「来た時任せ」にそのバスに乗ることにした 待つことなく4番のバスがやってきた。
バスの乗客はやや少なく 中にはちょっとカッコよいオネイさん 50~60歳かくらいだろうかが2人いた。 そのオネイさんは運転手さんに
「このバス銀閣寺へ行きますか・・?」
と尋ねていた 尋ねられた 運転手さんも丁寧に答えていたが たまたま進行中のバスで わたしの前の席に 彼女達の席があった。
わたしは前方を示しながら 彼女に目の前の一群の人が屯しているところを指示して
「前に人が並んでいるでしょう アチラがバス停です 次ぎで降りてあそこでお待ちなさい・・」
と云った バスは今出川の橋を東へ渡り 北へ曲がり 出町橋の袂で停まった。 カッコよいオネイさんは 軽く会釈して降りて行った。
このバス同乗の客は少なく 加茂川西へ再び渡り北上しながら 知ってる地名 辛うじて知ってる地名 まったく知らぬ地名を 左へ右へと回って行く わがままな町内会の声が このわたしの耳に聞こえて来る バスを通せ! ここに停車場を造れ! 同じ街に住みながら ことの成り行きが新鮮に見えてきた。
このバスの終着点は上鴨神社であった 約20分で上鴨神社の白砂を踏んだ バックの中より小銭を取り出し 先ずは神社に賽銭を供え 二礼二拍手。
ここには鴨氏一族に残る神話がある それには 川上から丹塗りに矢が流れ 乙女はその矢を持ちかえった すると乙女は懐妊したと云う話しがある その神話の鴨の小川の畔を彷徨い歩いた 長袖のシャツは着ていたが暑い もうボチボチ時間が来たと病院の待合室が呼んでいる。 この彷徨のひと時を閉じることにした。
上鴨神社の西 鴨の橋を西へ渡り ハテこれから・・バス停は・・
その辺りにはバス停はない 閑々として尋ねる人も居ない 鴨川の西岸の木陰を求めて歩く 貴方・・本当に病人? と何方(どなたか)がオッシャル オヤオヤ暑い中で誰か働いている人が居る
「オジサン バス停は何処?」
コチラを振り返ったカオ。 渋紙にベンガラを塗りつけた様でまるで鬼瓦 それは赤鬼だ
「ああバス停か? バス停はアッチ!」
とシャベルの先が示していた
「ありがとう!」
シャベルの示している先に 前方からバスがやって来る わたしは手を挙げながらバスに向かって走った。
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