戦後7年後に少女向け雑誌に連載された作品の復刻版。
内容は、美少女が悪い奴らに狙われて、それを美少女探偵3人組である白ばと組が解決するというストーリーです。
文体は紙芝居調、内容は子供向けなので、リアリティよりは盛り上げて面白くするという内容。
勿論ツッコミどころ満載。
でも、パワフルで、今、この作品のことを何も知らずに読んでも、受け入れられる面白さがありました。
あとがきでもあるように、少女たちは「ありえない偶然」によって事件に導かれて、「根拠のない確信」に従って行動し、「半ば頭がおかしい勇気」(褒め言葉)によって人を救うっていうのは、実は今でも王道ストーリーだなと思うくらい、この韻を綺麗に踏んでいます。
だって、今のヒーロー戦隊モノも、普通に暮らしていたのに、急にわけのわからん組織に命を脅かされて、そのわけわからん組織は本当に悪なのかわからないけど「絶対悪」という根拠のない確信のもと、普通は戦わない怪人や敵を倒して人を救う。
プリ◯ュアだって、セーラ◯ムーンだって、実はこの韻を踏んでいると思われます。ミステリー作品だってこの韻を踏んでるものがあるんじゃないか?と思うくらいに。
私もミステリーを読んでいてここはいくらなんでもミステリーとしてはおかしいのではないか?とか妙にリアリティを追求して読書をすることがありますが、本作のような突拍子もない話にツッコミはいれるものの、つまらないと思うよりは寧ろ楽しめると思ってしまう不思議さがあります。
いろいろなアイデアがあって、おそらく当時とは全然違う今ではありますが、面白いと思う骨格というのはそんなに変わっていないのかもしれないなと思った作品です。
少女の悩みは少女が解決する。
知恵と腕力と半ば頭がおかしい勇気とともに。
※ブクログに掲載した感想を転載しております。
「半ば頭がおかしい勇気」というパワーワードが私の中でお気に入りになるなと思いつつ、戦後7年後に連載されたという作品なのに、構成は古臭いとは思わなかったです。
少女向け連載とは、今みたいに女性の社会進出している時代ではないはずですが、男みたいに活躍する女性っていうのは憧れで恰好がよいというものだったんだろうなと思います。
そんな悪い男を相手に戦う少女たちを描いた作品は、いまだからこそ男女構わず受け入れられる作品になっているのではないか?
そんなことを思った作品です。