じんべえ時悠帖Ⅱ

例幣使街道5日目、栃木宿に着く

 栃木宿まであと3キロの川連天満宮(川連城址)から街中に向かう。

まず渡る道は国道11号でもあり309号でもある。そしてこれから歩く道も

県道11号である。

 東から北へと左折する角のコンビニで最後の休憩。高架の東武日光線

が寄って来て、やはり高架の両毛線を潜ると栃木駅近く。例幣使街道は

この先で一気にややこしくなる。

 簡単に言えば大きくクランクして栃木宿へと入って行く訳だが、

直行する県道31号と駅前通りに寸断され、辻々の標柱がなければ

正確には辿れないだろう。

 最後の角を曲がって宿場通りに出ると、電柱レスのすっきりした街道、

宿場通りとなる。

 駅前からの蔵の街大通りに合流する室町交差点手前、巴波(ウズマ)川

を渡る開明橋の袂、熊野神社の向かいの商家あたりが栃木宿の南の木戸

だったという。

 巴波川は昔は暴れ川、轟轟と渦巻く波が巴印に似て

いるので「渦巻く波の川」=巴波川(うずまがわ)と呼ばれた。

 室町交差点の右手に長く伸びる白壁の塀は定願寺。扉の彫刻がいい

と言うので寄ってみる。ちょうど4時、1キロ先のホテルのチェックイン

にはチト早い。

 ところが定願寺の広い駐車場の先、入口(山門)を探すうち裏手の

墓地脇に出てしまう。そこに犬の散歩の御婦人が通りかかり訊いてみる。

散歩コースと言うことで墓地の小さな入口から本堂まで案内してくれる。

 本堂の扉は新しく、「こっちじゃないかしら」とご婦人が指すのは

小さなお堂(大国堂)。陽が沈み始めて暗くなり彫刻は良く見えない。と、

今度は定願寺の奥方と思しきご婦人が現れ、彫刻の説明をしてくれる。

 鹿沼の屋台彫刻なども手掛けた名工・磯部儀兵衛の作で2枚の扉の

彫刻は中国の故事に纏わるものなど、と説明する御婦人は大学で歴史や

文化を学んだという。二人の御婦人に感謝である。

 鐘楼、北側の四脚門など境内を散策してから山門から出る。駐車場を

出て逆に回れば20mほどでこの山門から入れた訳だが、逆に回ったことが

結果的には良かったことになる。

 次は、街道筋からちょっと離れた珍しい栃木宿の本陣跡を探すべく、

大通りを少し歩いてから倭町交差点を巴波川方向に向かう。大通りの

一本裏手の通り沿いということはわかっているが、結局わからない。

 大通りに戻りホテルへ向かう途中の観光案内所で訊いてもわからない

との答え。ほんとかい?ひょっとしてもう遅いから詳細を案内するのも

面倒なのかも、と思いながらホテルへ向かう。街はすっかり夜である。

 下の写真、左端が泊まった栃木グランドホテル。

 例幣使街道ウォーク、次は最終日、6日目である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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