さて、この「山の牧場」の話の出元は怪談作家の中山市朗氏でしたが、その話は回りまわって、タレントの北野誠氏の知る所になりました。1990年頃、大阪のABCラジオ「サイキックTV」の番組内で、竹内義和氏の「銀色の宇宙人が目撃された」という根の葉もない情報を元に、タレントの北野誠氏がこの牧場の取材したのですが、肝心の情報も正確でなかった事から、まったくの蛇足の取材となっていました。
この時の取材で、北野氏は牧場の中に多くのトイレがある事と、牛が飼育されている状況は確認していたのですが、牧場で働いている人が四人しかおらず「あれは何やったんやろ?」という感想を持ったそうです。(ちなみにこの時、中山氏が見たお札が多量に貼られていた事は確認したとの事でした)
サイキックTV_06
北野誠氏が後に中山氏とあって「山の牧場」の話で語らったのも、北野氏にこういった経緯があったからだと言う事だそうです。
ここからは北野誠氏の話です。
その後、中山氏が「謎の牧場」という事で百物語に寄稿したところ、それを見たある雑誌の編集者が興味を持ち、「山の牧場を見にいこう」という事になったといいます。そして北野氏が取材で訪れてから十五年後、この雑誌は現地取材を行いました。そして現地に着くと、牛はおらずに窓の無い大きな工場が建っていたそうです。また二階に上がる建物には階段が取り付けられており、またお札も多量に貼られているのも確認されました。
またこの時、多くのトイレ(北野氏は男子用便器が40個と言っていますが、過去の映像では個室のトイレが多くあるのが映像では残っていますが)が洋式トイレに変わっいたそうです。北野氏はその写真を見た時に、自分が見た時とあまりに様変わりしたトイレ。また先の謎の工場もあって「これ、俺が見に行った時とは違うぞ!」と思ったと言うのです。
この雑誌の現地取材の際に、取材者は事前に地元の役場などへ行き、牧場の事を調査したところ、役場の人間からは「そんな牧場は無い」と言われたそうで、「今行っても何もない」と言われたそうですが、実際に現地に行ってみると牧場はありました。
またこの現地取材の時、この雑誌の人が道に迷ったふりをして牧場で取材をしたところ、遠くから車がやってきて、多くの外人とそれに混じり何人かの日本人が来たそうですが、そこで「ここには絶対に入るな!!」と言われたそうです。そして取材陣が車で帰ろうとすると、先に登って来た外人の乗る車からかなりの距離の間、尾行されたというのです。
◆「北野誠のおまえら行くな」で山の牧場へ
北野誠氏が言うのは「サイキックTV」で放映する以前に、プライベートで場所の確認のために、この牧場には訪問をしていたそうです。そしてその後、2011年に「北野誠のお前ら行くな~ボクらは心霊探偵団~#5関西編2」で再度、この場所を訪問をしました。北野氏にとっては三度目の訪問です。
この内容はDVDビデオに収録されており、この時には北野誠氏と中山市朗氏、あと同じく怪談師である西浦和也氏。また漫画家のひぐらしカンナ女史の四名でこの山の牧場を訪問したとの事でした。
この訪問の際にも、幾つか不可思議な内容が映像として残されていますが、詳細は次回に書いてみます。
(続く)