ちょっと間が空いてしまいましたが、本山担当の思い出について続きを書いてみます。
私が本山担当で担当したのは、二部四班。正本堂内の整理誘導を担当していました。前の記事にも書きましたが、担当日は一日の間、常に正本堂の中で御開扉を受ける事になります。前にも書きましたが、以前であれば「蛇憑き」や「狐憑き」などが出たりしたそうですが、私が担当している間は、こういった「憑き物」の騒ぎはなく、平和な任務が続きました。
担当日の任務は夕方にはすべて終わります。そして18時には「全国創価班総会」という会合が輸送センターの2階仏間で行われます。もうこの時間になると、ほとんどの担当メンバーはへとへとなのですが、最後の輝きというか、妙にテンションが高くなっていたりしました。
この「全国創価班総会」。名前こそ「全国」と付きますが、要は担当グループの任務終了時の会合で、要は輸送担当で一泊で登山して来ている輸送メンバーも混じり行われる事から、その様な冠名の付いた会合となっていました。
沖縄や北海道など、地方から苦労して引率してきたメンバーも参加していますから、確かに地域的には「全国」とついてもオカシク無いかもしれませんが、その輸送メンバーは精々人数は十人未満なんで、やはり「終了の創価班会」という雰囲気が正しいものかもしれません。
まず早く片付けが終わった担当班のメンバーから、班ごとに1列に並んで唱題して開会時間まで待機します。まあ何故か皆、でかい声で題目を唱えるのですが、早く終わった班などは開会まで二十分以上は正座で唱題します。
そして全員が揃うと、運営指揮や総括、部長といった「黄色ブルゾン」を着た幹部がゾロゾロと壇上に着席します。そのタイミングで司会(庶務だったかな)が「ただいまより、全国創価班総会を開会いたします!」と大きな声で発言して、勤行(方便品・自我偈)が行われます。もうこの段階で大半のメンバーは二十分以上、正座で唱題しています。しかも一日中動き回っているので、もう足の痺れはピークを通り越した状態です。
勤行が終わると司会者は間髪入れずに言います。「創価班歌!指揮、希望者!!」。すると何名かは先駆けて「ハイ!」と大きな声を上げて出ていこうとするのですが、足が長時間の任務と正座により感覚が無くなっています。こうなると大抵、転んでしまうんですね。これがとても危険で、過去にはこれで足の骨を骨折したメンバーもいたそうです。こんな時、そのメンバーは焦って立とうとしても立てません。間髪入れずに第四部長あたりが「●●班!(転んだメンバーの所属班)お前らは同志じゃないのか!なぜ仲間が転んでいるのに助けようともしないのだ!!代わりの指揮者も出てこないのは何故なんだ!!」と大きな怒鳴り声を上げます。するとその班から何名かは「申し訳ありません!!」と大きな声があがり、交代メンバーが出て来て指揮を取り、他のメンバーで転んで動けなくなったメンバーの肩を担ぎ、座る場所まで戻したりします。
そんなメンバーが出てもお構いなく、指揮で前に出たメンバーは上ずった声で歌いだします。「あつはーらーとーもーのー、みーにーうーつぅしー!それ!!」。そこで皆が創価班歌を手拍子入れで合唱が始まります。
もうこの時点で「狂気」に思える雰囲気です。
創価班歌が終わった後、「活動体験 ●部●●班 〇×△◆!」と司会者が言うと、ここでも声をからして元気一杯返事をして、メンバーが飛び出していきます。この段階でも足をしびれ切らせて転ぶメンバーがいた場合、先ほど同様に第四部長の怒号が響きます。
ただこの活動体験の時には、司会から「足をお楽にしてください」と言われるので、ようやく少し落ち着いた雰囲気になります。この活動体験の後に運営総括と運営指揮が幹部指導をして、本山担当任務は終了となります。
その後は、荷物を片付けてから帰りの団体バスに乗り込み、帰路へとつくのです。
創価班は、私が入った時にはまさに「狂気の集団」でした。区創価班会などは毎回修羅場で、折伏の戦いの時なんて、入決(入会希望カードに友人や知人などが名前を書いてもらう事)取れていない時には、皆が立たされ、輸送部長(本山担当が無くなった後は運営部長)から大声で怒鳴りつけられる訳です。「お前ら広宣流布をする気がないのか!!」「池田先生はな!決意はいらないと言われているんだ!」「何時までお前らは結果を持ってくるんだ!!」なんてね。そんな創価班の中でも、より狂気の雰囲気があったのが「本山担当」だったんで、今から考えてみたら私も良くやっていたもんだと思ったりします。
私はこの本山担当を二年間やり、その後に出来た「本部運営創価班」も引き続き担当として着任していました。思うに本部運営時代は、この本山担当の雰囲気はありましたが、理不尽さという事では、かなり薄まっていた様に思えます。まあ本部運営は、それはそれで色々あったんですけどね。それはまたの機会という事で。