不法移民の親子分離停止、トランプ大統領が署名
【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領は20日、大きな批判を浴びている不法移民の親子引き離し政策について、
停止する大統領令に署名した。
ホワイトハウスはどのようにして家族を一緒にしておくのかなど、現時点で詳細を明らかにしていない。
ただ、トランプ大統領は政権として、不法越境者に対しては刑事罰を問う「ゼロ寛容政策」を継続するとの考えを示した。
長年維持されてきた「フローレス合意」と呼ばれる連邦裁の和解に基づき、
政府は不法入国した子供を収監することはできない。

トランプ大統領はこれまで「国境を完全になくすか、違法越境者を刑事訴追するか」の2つの選択肢しかなく、
議会だけが家族を「一つの集合体」として拘束、排除する選択肢を提供できると述べている。
この日も、問題解決には、議会が中心的な役割を担うとの考えを明確にした。
共和党議員の多くは、トランプ大統領にゼロ寛容政策を見直すよう要求。ホワイトハウス当局者によると、
メラニア大統領夫人も、引き離れた家族を支援するため、議会と協力するか、「自分自身で実行可能なあらゆる措置」を
講じるよう促していた。
メラニア夫人、不法移民の親子分断は「見るのがつらい」
2018.06.18 Mon posted at 11:47 JST CNN
(CNN) メラニア・トランプ米大統領夫人が不法移民の子どもが親から引き離されるのを見るのはつらいと語り、
移民法改正を早く実現させるべきだと主張していることが分かった。夫人の報道担当者が17日、CNNに明らかにした。
同担当者によると、米国は「全ての法律を守り、同時に思いやりの心を持って統治する国」でなければならない
というのが、夫人の信条だという。
メラニア夫人は先月発表したファーストレディーとしての公式キャンペーンで子どもの健全育成を中心テーマに
掲げたが、不法移民の子どもたちの問題に言及したのは初めて。
トランプ政権は4月以降、不法移民の取り締まり強化策として、正式な書類を持たずに入国した大人を
全員刑事訴追する方針を取ってきた。親子連れはこの時点で引き離されてしまう。
子どもの行方を知りたい親のためのホットラインが設けられたが、親子が再会できる仕組みは確立されていない。
国土安全保障省(DHS)が15日に発表したところによると、4月19日から5月末までに2000人近い
子どもが親などから引き離されて保護施設に収容された。
この政策を非人道的と非難する声に対し、トランプ氏は野党・民主党が移民法改正に協力しないのが原因だと
反論している。