THAAD:韓国の政治対立を利用して世論工作を仕掛ける中国
2016/08/05 08:07 朝鮮日報
中国が終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備をめぐり真っ二つに割れる韓国の政治家にインタビューを申し込み、発言の一部だ
けを抜き出し、世論工作に活用しようとしている。韓国野党の共に民主党、国民の党は中国メディアのインタビューに注意を呼びかけ
た。
■THAAD反対の野党にインタビュー攻勢
共に民主党の金映豪(キム・ヨンホ)国会議員は先月末、韓国国内の放送局の記者を通じ、中国中央テレビ(CCTV)のインタビュー
を受けないかという打診 を受けた。
金議員は同党でTHAAD対策委員会の幹事を務めており、これまでに「THAAD配備に対する中国の報復が現実となれば物価が高騰
しかねない」 などと発言していた。
その後、8月1日にCCTVと人民日報の記者が金議員の事務所を訪れ、インタビューを行い、2日にCCTVが「両国国民の信頼が損ね
られることを心配している」という金議員の発言を放送した。
しかし、金議員が本紙の電話取材で語ったところによれば、実際 の発言は「両国がいずれも冷静に対応し、中国は反韓感情を起こ
すべきではない」と語ったものだったが、中国が都合の良い部分だけを放送したことに驚いたと いう。
CCTVは金議員のインタビューと同時に丁世鉉(チョン・セヒョン)元統一部長官(統一相)が「THAAD配備は韓国ではなく、米国の
需要と利益に 基づいたものだ」と述べた新華社のインタビュー内容も伝えた。
人民日報も野党で中国通とされる共に民主党の朴釘(パク・チョン)国会議員に「韓中関係全般 に関する意見を聞きたい」とインタ
ビューを申し込んだが、朴議員は応じていない。
国民の党の朱昇鎔(チュ・スンヨン)国会 議員も先月末、CCTV記者から「THAADに関するインタビューをしたい」という提案を受け
た。THAAD反対を党の統一路線として掲げる同党は7月 21日、インターネット上で議員1人当たり30分ずつTHAAD配備に反対意見
を述べるイベントを開いた。CCTVは朱議員に「このイベントに関する意見 を聞きたい」とインタビューを求めたという。朱議員は4日、
本紙の電話取材に対し、「映像というものはどう歪曲(わいきょく)され、編集されるか分から ず、外交問題はデリケートだとして、インタ
ビューを断った」と説明した。CCTVは国民の党の別の議員にもインタビューを申し込んだという。
一方、中国はTHAAD配備に賛成した与党セヌリ党にはインタビューを申し込まなかった。
セヌリ党所属で国会国防委員長を務める金栄宇(キム・ヨンウ)議員は「韓国の政界がTHAAD反対一色のように報道しようという意図
は明らかではないか」と指摘した。
こうした状況について報告を受けた野党指導部は、インタビューを装った中国の世論工作に警戒令を発した。
国民の党の朴智元(パク・チウォン)非常対 策委員長は4日の記者懇談会で「CCTVの取材要請には応じないよう議員に指示した。
国民の党はTHAAD配備に反対だが、中国の行き過ぎた経済制裁にも 反対であり、今後は注意していく」と語った。
共に民主党はTHAADに対する賛否を党全体としては決めていないが、議員が THAADに反対する個別の行動を取ることは認めて
いる。このため、共に民主党の初当選議員6人(金映豪議員ら)は「THAAD問題を話し合う」として、 8日から中国を訪問する予定だ。
金議員は「我々は野党だが、国家の利益を考えなければならず、(中国の意見も)聞くべきは聞き、両国の利益のために感情的 に対
応してはならないという意見を伝えたい」と述べた上で、「朴槿恵(パク・クンヘ)政権に関する話を誤れば、また利用されかねない点に
留意している」と 強調した。
同党幹部は「議員にTHAADに対する賛否の意見は自由に述べても、中国側との接触時には十分注意するように」 と指示したことを
明らかにした。
こうした中、蘇秉勲(ソ・ビョンフン)、孫恵園(ソン・ヘウォン)両国会議員は3日、THAAD配備予定地である慶尚北道 星
州郡を訪れ、THAAD反対運動に参加した。孫議員は党指導部から星州訪問自粛要請があったことについて、「よくやったと称賛でき
ない状況であるなら ば、むしろ黙っていてほしい」と反発した。
同党の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表は訪中議員に対し、「中国の当局者と接触した場合、不必要な論議を呼ぶた め、できるだけ学者
など民間人と会うように」と注文した。
2010年の天安爆沈事件当時、中国との交渉を担当した現職外交 官は「中国当局者が『韓国国民の半数以上が天安は北朝鮮の魚
雷で撃沈されたという調査結果を信じていないのに、中国に信じろと強要するのか』と述べた際に 返す言葉がなかった」とし、
「中国の全方位的な世論攻勢に悪用されないように、政界の慎重な言行が求められる」と訴えた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
丁元長官はかつて金大中(キム・デジュン)及び盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時期の統一部長官を務めていた。
丁元長官は、朴大統領は就任当初「韓半 島信頼プロセス」、「北東アジア平和協力構想」といった一見華やかな外交戦略を提起してい
たが、今から見れば、これらには本心から出たものが一つもないよ うだ。
韓国政府の対朝鮮政策は日増しに強硬化しており、その結果米国の東アジア戦略の罠に陥ってしまったとの見方を示した。
丁元長官は、「THAAD」の配備は韓国自身の需要から出たのではなく、米国の需要、米国の利益に基づいたものだと批判した。
丁元長官は、韓米が 「THAAD」の配備を首都圏エリアではなく慶尚北道に決めたことは、「THAAD」配備の目的が朝鮮の核やミサイ
ルの脅威に対処するためではなく、米国 が東アジア地域の覇権と地位の維持を企むために講じた軍事的、技術的な措置であることを
正に証明しているとの見方を示した。
韓米が公言した韓国での「THAAD」ミサイルシステムの配備がいかなる第三国も対象にはしていないとの主張に対し、
丁元長官は次のような見解を 示した。問題のポイントは「THAAD」の迎撃能力ではなく、そのレーダーが2000キロメートルに及ぶ探
知距離を持つことだ。それに、先端部の配備と末 端部の配備という2種類の配備モデルを転換するのに8時間しかかからない。
また、米軍が配備の2日目から24時間2000キロメータルの探知レーダーを作 動させれば、極東地域や中国の軍事活動はいずれも
米国人の目の前にさらけ出されることが可能となるだろう。よって、朝鮮のみを対象とするという主張は人を 欺きまた自らをも欺くもの
で、中国とロシアはそのような話を信じることはできない。
丁元長官は、韓国にとって「THAAD」の配備は明らかに得より損の方が大きい選択で、朝鮮を刺激し、また中国とロシアの強い反対
を引き起こした。韓国経済も避けがたい影響を受けたため、地域の緊張情勢はさらに悪化するだろうとみなしている。
中国から「THAAD」についてインタビューを受けた政治家たちの発言を中国の都合のいい部分だけ使い、
無断で中国が報道している。
THAADに反対する政治家を使って韓国国内は「反対派ばかりなんだよ」という世論の操作をしてるので
注意しましょうという話です。
中国は最初から反対し怒っているのに、その中国のインタビューに応じるなんてちょっとおバカじゃないでしょうかね。
中韓とも自分の事は棚にあげて相手を責める、中傷する、貶めるはお得意なのでおおいにやって下さいな。
最後に日本が悪いとなるんじゃないでしょうかね。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。