2016年05月11日 14:57 発信地:ロンドン/英国
中国の代表団は非礼極まりない──。
英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)が10日、同国を昨年国賓待遇で訪れた中国の習近平(Xi Jinping)国家主席の一行をめぐり、
こんな発言をした様子が偶然カメラに捉えられた。
女王はロンドン(London)のバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)で催された園遊会で、
習氏夫妻が昨年10月に公式訪問した際に警備を監督した警察幹部のルーシー・ドルシ(Lucy D'Orsi)氏を紹介されると、
「まあ、お気の毒だったわね」と感想を漏らした。
ドルシ氏が「ご存じかどうか分かりませんが、あのときはかなりの試練でした」と述べると、
女王は中国の代表団が「大使に対してとても非礼だった」と発言。
ドルシ氏も「とても非礼で配慮に全く欠けていたと思います」と同意した。
ただ、2人が具体的に一行の誰のことを指して言っていたかは不明。
訪問当時、中国の政府や国営メディアは、習氏の訪英は両国関係の黄金期などと持ち上げていた。
一方、デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相は同日、バッキンガム宮殿で行われた別の行事の席で、
ナイジェリアとアフガニスタンを「おそらく世界で最も腐敗した国」だと女王に説明したところをカメラに撮影され、物議を醸している。
◆英国が無礼な行為と思ったこと
英国メディアによると、
当時中国側は習主席が宿泊するバッキンガム宮殿内のベルジアンス イート(Belgian Suite)に別途トイレがないばかりか
随行員用部屋の家具の配置が風水に合わないとして訪問をキャンセルすると脅したという。
また、クローゼットを赤く塗る一方、晩餐メニューは中国側の同意を得るべきで自分たちの食べ物を宮内に持ち込めるよう要求したという。
これだけにとどまら なかった。晩餐会場の出席者の座席配置まで勝手に変えようとしたほか、
客室スタッフがルームサービスのために部屋に入ってくることも阻んだ。
最も難しい要 求は習主席夫妻が乗る王室馬車の中に警護員を同乗させるよう求めたことだったという。
英国はこのような要求の多くを聞き入れたが、
外交手腕に長けていることで有名なエリザベス女王ですら、7カ月が過ぎた今でも怒りが解けていない様子だ。
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7兆円も出してあげるのだから中国さまの言うことを聞けってことですね。
こんな要望出して英国も習近平が来る前から怒り爆発してたんでしょうね。
だからエリザベス女王が手袋したままでの握手やトイレ前での会見とかがあったのですね。
イギリスもしらっとイジワルしてました。
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英国人ジャーナリスト、ヘンリー・S・ストークス氏が激白
中国の習近平国家主席は、英国訪問で“札束外交”を展開した。
キャメロン英首相は、総額400億ポンド(約7兆4000億円)の契約締結に胸を張ったが、
習氏が、女王陛下主催の晩餐(ばんさん)会で語った発言を「復讐(Revenge)だ」と受け止めた人物がいる。
米ニューヨーク・タイムズや、英フィナン シャル・タイムズの東京支局長を歴任した、英国人ジャーナリスト、ヘンリー・S・ストークス氏が激白した。
習氏は、晩餐会で「中国の茶は英国人の生活に雅趣を添え、英国人が丹精を凝らして英国式の紅茶とした」とスピーチした。
私はこのシーンをテレビで見て、「これは復讐だ」と直感した。
英国は19世紀、綿製品をインドに輸出し、インドのアヘンを中国に売り付け、
中国(=清)の茶を英国に輸入する「三角貿易」で莫大な利益を得ていた。
中国 はアヘンの蔓延で苦しみ、1840年6月にアヘン戦争が勃発した。
英国はこれに圧勝し、香港を割譲させ、上海など5港を開港させた。以降、中国は半植民地 化の道をたどった。
習氏がスピーチに「紅茶」という言葉を入れたのは、わが母国に対する脅迫のようなものだ。
大英帝国の「負の遺産」を女王陛下の前で持ち出して、「新中国」と称する中華帝国の皇帝を演じて、英国への復讐開始を淡々と述べたといえる。
「中国は大英帝国に侵略された。今度は、中華帝国が世界に台頭する番だ」というのが、本音だろう。
キャメロン氏が、こうした「悪意」を認識したとは思えない。
安全保障に直結する原子力発電所の建設に、共産党独裁国家の企業を参加させることに合意したのだから。
人民元建て国債の発行で、一時的に金融街シティーが潤ったとしても、英国の危機は深まったといえる。
ただ、今回の習氏訪英で心強かったことがある。
英国メディアの多くが、経済最優先で中国にすり寄る自国政府に対して、「カネ、カネ、カネだ。モラルはない」
「人権問題で極めて憂慮すべき中国と急速に距離を縮めていいのか」
「米国の同盟国が、中国の特別な友人になれるのか」などと、大々的な批判を展開したことだ。
どうか、女王陛下にも、英国民にも、目を開いて現実を直視してほしい。「中華帝国」の世界支配を許してはならない。
<中国側の記事>
【5月12日 AFP】
英国のエリザベス女王()が一部の中国高官らを「とても非礼」と述べたことを受け、
中国の国営新聞は12日付の社説で、英国メディアは「野蛮人」であふれ返っており、中国古代文明の礼儀を学ぶことが役に立つだろうと述べた。
女王はロンドン(で催された園遊会で、 )のバッキンガム宮殿( )
中国の習近平()国家主席による昨年の英国訪問について、無防備なコメントを発したところをカメラに捉えられた。
女王による外交的な失言はまれだ。
女王の発言は11日に世界中で報じられたが、中国国内では当初、広範囲にわたって検閲され、
英国放送協会( )によるとBBCの放送も中国で一時遮断された。
中国共産党の機関紙・人民日報( )系列の国営英字紙・環球時報( )は社説で、
英国メディアがこの発言を大げさに取り上げ、まるで「最も貴重な宝物」であるかのようにこの動画をほめそやしていると非難した。
「西洋は近代において世界のトップに上り詰め、卓越した文明を築いた。
しかし、西洋のメディアは見境のない『ゴシップ狂たち』であふれている。
彼らは牙をあらわにして爪を振りかざし、極めて自己陶酔的であり、『野蛮人』の非礼さを今も持ち続けている」(環球時報社説)
また中国語版ではさらに、「われわれは、5000年続いた東洋文明に彼ら(西洋メディア)が絶えずさらされるにつれて
彼ら(のマナー)も進歩するだろうと信じている」と英語版にはない文面も付け加えられた。
ソース
AFP通信
参考
【中国総局】中国メディアが伝えた習近平国家主席の訪英公式晩餐会(20日)でのスピーチ全文は以下の通り。
エリザベス2世女王陛下のお招きで英国を公式訪問でき大変うれしく存じ、この機会を借りて英国の君主として最長の在位期間となられたことをお喜び致します。
また、私の妻と中国代表団を代表し、女王陛下、フィリップ殿下、英国の友人の皆様のおもてなしに心より感謝申し上げます。
中国と英国は東西文明の傑出した代表であり、両国は遠く隔たっていながら互いに影響を与えてきました。
中国の儒家、道家の思想と4大発明は英国の文化と科学技術発展の歴史に影響を与え、「富国論」「進化と倫理」など英国の名著は近代中国の思想界
に新たな視野を開きました。
中国のシルクと陶磁器はイングランド全域で珍重されるところとなり、英国に始まった産業革命は世界のシルク産業と製陶業を一変させました。
中国の茶は英国人の生活に雅趣を添え、英国人が丹精を凝らして英国式の紅茶としたのです。
中英の文明交流は互いの文化を豊かにしたのみならず、社会の進歩を促し、人類社会の発展にも貢献しました。
「志の合う者は山海をも遠しとせず」と言います。
今年は中国人民抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70年であり、第二次世界大戦の盟友として、中英両国は正義を持し、肩をならべて戦い、世界の反ファ
シズム戦争勝利と連合国を中心とする戦後国際秩序の構築に重要な貢献をしました。
第二次世界大戦の盟友として、中英両国人民は互いに支え、苦楽をともにすることで、中英友好の歴史をつむいできました。
われわれは、英国が中国に提供した貴重な経済、道議の援助を忘れません。
中国名で何克(ホーク)といった英国人記者は、中国人民の抗日戦争に積極的に身を投じ、日本侵略者の暴行を暴く記事を発表したのみか、
陝西省双石鋪で培黎学校の校長となり、学生を安全地帯に移して若い命を救いました。
第二次世界大戦中、中国の浙江省舟山の漁民は生命の危険を顧みず、日本の「りすぼん丸」にいた数百人の英軍捕虜を助け出しました。
中英両国人民が戦火の下で結んだ友情は、永遠に色あせることのない両国関係の貴重な財宝となりました。
新中国の成立以来、中英関係は新たな一章を開きました。英国は西側の大国で率先して中華人民共和国を承認しました。
1986年10月、女王陛下とフィリップ殿下が成功裏に中国を公式訪問されたことは、両国関係のよきエピソードとなっています。
1997年、中英両国が創造的に香港返還問題を解決したことも両国関係に新たなページを開いきました。
2004年には、中英両国が全面的戦略パートナー関係を構築しています。
世界に影響力を有する国家として、中英両国は多くの国際、地域問題で良好な意思疎通と協力を進めています。
中英関係が絶えず発展することは、両国に利をもたらし、世界に恵みを及ぼすものであります。
今日の世界で、人類はすでに前世紀の戦争と衝突のかげりを脱し、21世紀の平和、発展、協力、ウィンウィンの新時代に向かいつつあります。
各国の相互依存と利益の交わりはさらに深まり、日増しに苦楽をともにする共同体となりつつあります。
今年は国連創設70年であります。国連の創設メンバーであり、かつ安保理常任理事国として、
中英両国は世界の平和と発展に神聖な責務を負っています。
先進国と発展途上国の重要な代表として中英両国はそれぞれの発展にとり重要な段階にあり、
改革を促し、発展を図り、民生を豊かにする責務には重大なものがあります。
中国では古くから「訪れる好機を失ってはならない」と申します。
英国にても「聡明な人は機会をとらえ、さらに美しい未来に変える」という言葉があるそうです。
今年は中英の全面的戦略パートナー関係にとり、新たな10年の始まりでもあります。
双方は機会をしっかりととらえ、手を携えて前進し、ともに両国関係のさらによき未来を開くべきでありましょう。
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居眠りしてる方がおりましたね。