中国、新国際秩序に意欲=インド欠席、覇権主義を懸念-「一帯一路」会議が開幕
2017/05/14-19:43 時事通信
【北京時事】中国が提唱したシルクロード経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議が14日、北京で開幕した。習近平
国家主席は中国主導の新たな国際秩序の構築に強い意欲を示した。だが、インドはボイコット。「覇権主義的」ともされ
る中国の動きに警戒感が根強く、各国首脳が参加する初の会議から足並みが乱れた。
習主席は開幕式で「世界の経済成長には新たな原動力が必要だ」と強調。一帯一路を推進するために設立したシル
クロード基金に1000億元(約1兆6000億円)を追加拠出するとともに、二つの政策銀行が計3800億元の融資を行う
と明らかにし、「中国の貢献」をアピールした。
会議にはロシアのプーチン大統領ら30カ国の首脳級を含め、100カ国以上の代表が参加。日本からは自民党の二
階俊博幹事長、松村祥史経済産業副大臣らが出席した。
ただ、関係者によると、インド政府は代表の派遣を見送った。中国とパキスタンの一帯一路関連プロジェクトに絡む領
土問題が背景にある。地域大国であるインドの欠席は、周辺国の結束を強調しようとした中国にとって痛手だ。
また、英国、フランス、ドイツなど多くの先進国が、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に加盟しながらも、首脳
の出席を見送った。「一帯一路は中国の軍拡につながる」との分析もあり、国際社会で影響力を増す中国への警戒は解
けていない。
中パ経済回廊に反発=「一帯一路」会議ボイコット-インド
2017年05月14日 19:55 AFP
【5月14日 時事通信社】インドは中国が主導するシルクロード経済圏構想「一帯一路」について、「国家主権と領土保全に対する懸念を無視するものだ」と批判し、14日から北京で開かれている国際会議を「ボイコット」した。中国が同構想の一環としてパキスタンで建設を進めている中パ経済回廊が印パの係争地であるカシミール地方を通ることに反発した。
インド外務省は13日、声明で「地域の連結性を高める構想は透明性と公平性を担保し、法の支配などの国際的規範に基づかなければならない」と主張。「(経済回廊がカシミール地方を通ることについて)中国に意味のある対話を求めてきたが、いまだ返答がない」と非難した。