中国最大の超大作が大コケ 映画『阿修羅』、初週で公開停止
【7月18日 AFP】中国映画史上最大の予算を投じ製作されたファンタジー映画『阿修羅(Asura)』が、
歴史的な興行不振を記録し、公開初週の週末に上映が打ち切られる事態となった。
アリババ影業集団(アリババ・ピクチャーズ、Alibaba Pictures)が製作した同作は、チベット仏教の神話に着想を
得た壮大な3部作の第1部として、13日に公開された。製作の背景には、伝統的な中国文化を題材とした作品を推奨する
中国当局の働き掛けもあった。
国営メディアは、製作費が7億5000万元(約126億円)だったと報じている。これまで中国で製作された大作映画の
大半は、この半分の予算で製作されていた。
映画チケット販売サイト「猫眼電影(Maoyan)」によると、初週の週末興行収入は4900万元(約8億2500万円)
余りにとどまった。同作のソーシャルメディア公式アカウントは15日、同日午後10時をもって映画館での上映を
打ち切ると発表した。
米ドル換算した推定損失額は1億600万ドル(約116億円)で、興行成績分析サイト「ボックス・オフィス・モジョ
(Box Office Mojo)」によると世界映画史上5位に入った。過去最大の赤字作品は1億2500万ドル(約140億円)の
損失を出した『シンドバッド 7つの海の伝説(Sinbad: Legend of the Seven Seas)』とされている。
国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、本作は製作に6年を費やし、映像面に多額の予算を投入。
上映時間141分のうち2400シーンに特殊効果が使われているという。
香港のドル箱スター、レオン・カーフェイ(梁家輝、Tony Leung Ka-fai)やカリーナ・ラウ(劉嘉玲、Carina Lau)
を起用した他、「ロード・オブ・ザ・リング(Lord of the Rings)」シリーズの衣装を担当しアカデミー賞
(Academy Awards)に輝いたデザイナーのナイラ・ディクソン(Ngila Dickson)といった大物外国人スタッフも
参加した。
それでも、中国で最も影響力の大きいレビューサイト「豆弁(Douban)」での評価は10点満点中わずか
3.1点となっている。あるユーザーは、「おぞましい! 単なる糞便の壮大な山だ!」とコメントした。
第69回ベネチア国際映画祭で写真撮影に臨む俳優のレオン・カーフェイ(2012年8月31日撮影)
香港映画祭のレッドカーペットで写真撮影に臨む女優のカリーナ・ラウ(2016年4月3日撮影)
中国の人気俳優ウー・レイ
《阿修羅》先導預告片-欲海尋人篇