反タリバン勢力、最後の拠点で苦戦予想 専門家
2021年8月22日 19:13 AFP 発信地:パリ/フランス
【8月22日 AFP】イスラム主義組織タリバン(Taliban)が実権を掌握したアフガニスタンで、首都カブール
北方のパンジシール渓谷(Panjshir Valley)が反タリバン勢力の最後の主要拠点となっている。
しかし、タリバンが総攻撃を開始すれば、抵抗勢力は苦戦を強いられると専門家らは指摘する。
ヒンドゥークシュ(Hindu Kush)山脈に囲まれたパンジシール渓谷は長らく、反タリバン勢力の要衝と
して知られていた。
アフガニスタン各地がタリバンに制圧される中、今でもタリバンの支配が及んでいないのはパンジシール
渓谷だけとなっている。
アムルラ・サレー(Amrullah Saleh)第1副大統領と、過去の反タリバン闘争で最も有名な指揮官だった
故アフマド・シャー・マスード(Ahmad Shah Massoud)元国防相の息子であるアフマド・マスード
(Ahmad Massoud)氏がパンジシール渓谷に逃れ、タリバンに対する抵抗を呼び掛けている。
アフマド氏は米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)に寄稿し、「父の足跡を追う準備ができて
いる。ムジャヒディン(イスラム戦士、Mujahideen)らもタリバンと再び戦う準備が出ている」とつづり、
米国に軍事的協力を求めた。
しかし、専門家らは、パンジシール渓谷の抵抗勢力がタリバンにとって深刻な脅威となり得るか疑問視
する。
アフガニスタンを専門とする仏パリのソルボンヌ大学(Sorbonne University)のジル・ドロンソロ
(Gilles Dorronsoro)氏は、「タリバンはまだパンジシールに進入しようとしていない」と指摘。
「タリバンはパンジシールに入る必要すらなく、封鎖するだけで十分だ」との見解を示した。
スウェーデンのルンド(Lund)を拠点とするフリーランスの研究者、アブドル・サイード
(Abdul Sayed)氏は、抵抗のチャンスがあるというアフマド氏の楽観論は共有できないと述べた。
「タリバンは全方位からパンジシールを包囲している。アフマド氏が数か月以上抵抗を続けられると思わ
ない。現時点で、アフマド氏には強力な支援がない」
反タリバン勢力指導者、交渉に前向き 拠点進攻なら「戦闘の用意」
2021年8月23日7:44 午前 REUTERS
2001年に過激派組織アルカイダによって暗殺されたアフガンの国民的英雄マスード司令官の息子、アフマド・マスード氏(写真)
[22日 ロイター] - 2001年に過激派組織アルカイダによって暗殺されたアフガンの国民的英雄
マスード司令官の息子、アフマド・マスード氏は22日、実権を再び握ったイスラム主義組織タリバンと
平和的に交渉することを望んでいるが、自身が率いる抵抗勢力は戦闘の用意もあると述べた。
北部パンジシール渓谷で抵抗勢力を結集させている同氏はロイターの電話取材に対し「われわれはタリバン
に、交渉が前進への唯一の道筋であることを気付いてほしい」と強調。「戦争が勃発するのをわれわれは
望んでいない」と続けた。
これに先立ち、タリバンのツイッターフィードはパンジシール州の「当局者が平和的な引き渡しを拒否
した」ため、数百人の戦闘員が同州に向かっていると伝えた。アフガン政府から奪取した大型車両が高速
道路に車列を作っている映像も投稿されている。
マスード氏は、タリバンがパンジシール渓谷への進撃を試みた場合、自身の支持者らは戦闘する準備が
あると表明。「防衛し、戦闘する構えで、いかなる全体主義体制にも抵抗するつもりだ」とした。
パンジシール州に隣接するバグラン州では抵抗勢力が3つの地区を奪還しており、タリバンが15日に
首都カブールを制圧して以降確認された戦闘はこの一カ所のみだ。ただ、マスード氏は、この戦闘は地元
の武装勢力が実施したもので、自身は作戦に関与していないと語った。
同氏は、アフガニスタンの異なる民族集団全てを代表する包摂的で支持基盤の広い政府の発足を呼び掛け、
「全体主義体制」は国際社会によって認めるべきではないと訴えた。
タリバンの報道官は「敵はパンジシールで包囲されている。我々は平和的解決を望んでいる」と主張。パンジシールのアフマド・マスウードの方も話し合いを求めているので、どちらも真実なら戦闘は発生しないことになる。戦闘が発生すれば、どちらかがウソをついていたことになる。 https://t.co/pE9nJm0QwY
— 飯山陽 Dr. Akari IIYAMA『イスラム教再考』4刷決定 (@IiyamaAkari) August 23, 2021
タリバンの報道官は「我々は戦争と流血を避けるためにパンジシールの過激派と交渉している」とのこと。なるほど、タリバンはもう体制派、支配者の立場にあるので、反タリバンのアフマド・マスウードは反体制、過激派ということになるらしい。テロリストのレッテルばりまであと一歩だ。 https://t.co/dsMfHRjhbV
— 飯山陽 Dr. Akari IIYAMA『イスラム教再考』4刷決定 (@IiyamaAkari) August 23, 2021
アフガニスタンのカーブル空港北門付近で銃撃戦が発生し、米軍や独軍も巻き込まれアフガン治安部隊メンバーが死亡したという報道がある。困難を伴う任務の成功とみなさんの無事の退避を心から願う。 https://t.co/sBivySJ0bS
— 飯山陽 Dr. Akari IIYAMA『イスラム教再考』4刷決定 (@IiyamaAkari) August 23, 2021
タリバンはガニ大統領と政府高官に対する恩赦を発表。許してあげるから戻っておいでと呼びかけている。こんなものを信じて戻ったら大変なことになろう。タリバンは政府関係者や外国の協力者をブラックリスト化し、一軒一軒探し回っていると多くのメディアが伝えている。すでに殺害・処刑された人も。 https://t.co/eybPxKOxt0
— 飯山陽 Dr. Akari IIYAMA『イスラム教再考』4刷決定 (@IiyamaAkari) August 23, 2021