ウクライナ艦船にロシアが砲撃、クリミア半島近くで-緊張高まる
2018年11月26日 11:40 JST Bloomberg
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クリミア半島近くで6人が負傷、3隻が拿捕されたとウクライナ
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ウクライナ議会は26日に戒厳令発令を討議、国連安保理も緊急会合
ロシアが4年前に一方的に編入したウクライナ南部クリミア半島近くの黒海海域で25日、
ウクライナ海軍の艦船がロシアから攻撃を受け数人が負傷、両国の間で緊張が高まっている。
ウクライナは、同国海軍の艦船の船団がクリミア半島近くのケルチ海峡に入ろうとした後、
公海上でロシアの軍艦から砲撃を受けたと説明。
ウクライナ海軍によると、6人が負傷し、3隻が拿捕(だほ)されたという。
ウクライナ議会は26日午後4時(日本時間午後11時)に緊急招集され、戒厳令を布告するかどうかを
検討する。
ヘイリー米国連大使はツイッターで、国連安全保障理事会は同日午前11時(日本時間27日午前1時)に
緊急会合を開き、状況を話し合うことを明らかにした。
ロシアは同国領海を侵犯し、「危険な作戦」に従事したウクライナの艦船を止めるため、
必要なあらゆる手段を講じたと主張した。同国は「安全保障上の理由」から、ケルチ海峡の航行を禁じていた。
ウクライナのポロシェンコ大統領はロシアによる「犯罪行為」への制裁の可能性を巡り
欧州連合(EU)および北大西洋条約機構(NATO)に連絡。ただ、戒厳令布告は軍事動員ないし
戦争を意味するものではないと強調した。
EUの報道官は声明で、「われわれはロシアがケルチ海峡の自由な航行を認めることを
期待するとともに、状況の速やかな緊張緩和のため全ての当事者が最大限の自制をもって
行動することを求める」とした。NATOは別個に、状況を注視していると発表した。
原題:Russia Fires on Ukraine’s Navy Near Crimea as Tensions Flare (2)(抜粋)