「フランスの国連常任理事国枠をEUに」 独財務相発言に仏反発
2018年11月29日 8:42 発信地:ベルリン/ドイツ AFP
【11月29日 AFP】ドイツのオーラフ・ショルツ(Olaf Scholz)財務相兼副首相は28日、フランスが
国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国枠を放棄し、その枠を欧州連合(EU)に
譲る案を示した。フランス側からは強い反発が出ている。
ショルツ氏は欧州の展望について幅広い内容の演説を行った際、EUが常任理事国になれば国際社会に
おいて「一つの声」で発言できるとし、「中期的には、フランスの常任理事国枠がEUの枠になることが
想定できるかもしれない」と述べた。
さらに同氏は、常任理事国という強力なポストを失う痛みを和らげるため、フランスはEUの国連大使に
なれると述べた。
だが、フランスのジェラール・アロー(Gerard Araud)駐米大使はこの案を直ちに一蹴。
ツイッター(Twitter)上で、ショルツ氏の案は「国連憲章に反するため法的に不可能だ」とし、
国連憲章の変更は「政治的に不可能だろう」と指摘した。
フランスは第2次世界大戦(World War II)後、大規模な衝突の再発を防ぐため国連が設立された
当時から、常任理事国5か国の一席を占めている。