イラン、デモ死者4百人超か。反体制派、国際調査を要求
(2019/11/27 07:50 共同通信
【ワシントン共同】イラン各地の反政府デモについて反体制派組織「国民抵抗評議会」(NCRI)は
26日、米首都ワシントンで記者会見し、治安部隊の武力行使などによる死者が少なくとも450人に
上ったと発表した。負傷者は4千人以上、逮捕者は1万人以上と主張。
イラン当局が実態を隠していると非難し、国際的な調査団を派遣すべきだと呼び掛けた。
NCRIは現地に展開する支援者らの情報を集計し、死者のうち154人の身元が確認されたと説明。
「超法規的な暴力」に関与したイラン当局者87人を特定し、米政府とも情報共有する方針という。
ガソリン価格の上昇後、イランの主要都市で抗議が勃発。暴動化。
テヘランで、最近の暴動を非難するデモ行進が実施
2019年11月26日19時46分 Pars Today
- テヘラン市民による暴徒らの暴力行為を非難する抗議行進
テヘランでは25日、人々が街頭に繰り出して暴徒らの暴力行為や暴動を非難しました。
イランでは、今月15日からガソリン価格の改定案が実施されたことにより、テヘランやその他の
一部の都市で市民による平和的なデモが発生しました。
しかし、事前に訓練された暴徒らが抗議するこれらの市民に混じって、公共物や私有財産、
銀行や病院の緊急医療センター、救急車や公共の運輸・交通機関などの器物を破損しました。
- テヘラン市民による暴徒らの暴力行為を非難する抗議行進
イランのネット規制で露呈した37歳通信・情報技術相と強硬派の対立
<ガソリン値上げへの抗議デモ拡大を恐れた政府、「治安維持を目的にしたネット遮断指示があった」
と若手閣僚が認めた>
政府が予告なしにガソリン価格を50%以上引き上げると発表した11月15日以降、イランでは
大規模な反政府デモが全土に拡大。さらにインターネット接続が数日間にわたって大幅に制限され、
企業活動や市民生活に多大な支障が出ている。
デモの呼び掛けがSNSなどで広がるのを恐れた政府がネットを遮断したとの臆測が広がるなか、
ジャフロミ通信・情報技術相は「国家安全保障最高評議会からプロバイダ各社にネット接続を
切るよう指示があった」と発言。治安維持を目的とした政府の介入があったことを認めた。
37歳のジャフロミはイラン初となる、1979年のイスラム革命後に生まれた若手閣僚。欧米を
敵視する強硬派の圧力を受けながらも、ツイッター解禁などの改革に積極的に取り組んできた。
だが、政府に批判的な世論が強まるなかでのネット規制緩和はリスクが高く、ジャフロミを支える
ロウハニ政権と強硬派の対立はますます強まりそうだ。