シリア北西部でロ軍機撃墜 イスラム過激派が犯行声明
【2月4日 AFP】(更新)シリア北西部イドリブ(Idlib)県で3日、ロシア軍機が撃墜され、操縦士がパラシュート降下後に
イスラム過激派反体制勢力との交戦で殺害された。ロシア国防省と在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for
Human Rights)」が明らかにした。
同省は「ロシアのスホイ25(Su-25)型機1機がイドリブの安全地帯上空で撃墜された。操縦士には機体から脱出したことを
報告する時間があった。その場所は(旧)アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)が支配する地域だった」とした上で、
「操縦士はテロリストとの交戦で死亡した」と述べた。
「シリア人権監視団」のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、イスラム過激派反体制勢力がスホイ25型機を
イドリブ上空で撃墜し、パラシュートで降下したロシア人操縦士を拘束しようとしたと説明。操縦士はこの際の交戦で殺害されたと
述べた。
イスラム過激派組織「ハヤート・タハリール・シャーム(HTS)」は傘下のウェブメディアIbaaを通じ、携行型ミサイルで
ロシア戦闘機を撃墜したとの声明を出した。ただし、HTSは操縦士の殺害には触れていない。
HTSは国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)との提携関係を絶った勢力を中心とする勢力で、イドリブ県で活発な動きを見せている。
シリア政府軍は昨年12月末、ロシア戦闘機の支援を受け、イドリブで激しい攻撃を開始した。
ラフマン氏は「この地域では過去24時間に数十回にわたるロシア軍の空爆が行われた。撃墜された機も空爆に参加していた」と述べた。
シリア内戦ではこれまで、反体制派が政府軍機を撃墜したことはあるが、それに比べ、ロシア軍機が撃墜される事例はかなり少ない。
イドリブ県では、2016年8月にロシア軍のヘリコプターが反体制派に撃墜され、ロシア兵5人が死亡している。