IS再編、欧州など紛争地以外での攻撃を重視へ 国連が警告
2017年06月09日 17:00 AFP
英ロンドンのロンドン橋で警戒に当たる警察官ら(2017年6月5日撮影)。
【6月9日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」はイラクやシリアでは劣勢に追い込まれているが、組織を再編成
し、中東の紛争地ではない欧州などを標的とした攻撃に「これまで以上に重点を置いている」と、国連(UN)の専門家が
8日、警鐘を鳴らした。
国連のジェフリー・フェルトマン(Jeffrey Feltman)政治問題担当事務次長は、ISについて「継続して軍事的圧力を受
けているにもかかわらず、(イラクの)モスル(Mosul)や(シリアの)ラッカ(Raqa)をはじめ各地で抵抗を続けている」と指
摘。その上で「ISIL(ISの別称)は、部隊の組織再編を行って前線の司令官により大きな権限を与え、紛争地以外の場
所での攻撃をしやすくすることに今までになく注力している」と警告している。
この1年半、ISがソーシャルメディア上でメッセージを発信する回数は減ったが、フェルトマン氏は「シリアやイラク以外
の地域で、ISの支持者らがプロパガンダを集めてはソーシャルメディアに再投稿して拡散しており、脅威は持続してい
る」と述べた。
また、ISに勧誘される外国人戦闘員の人数は減っているものの「戦闘員が母国に帰国したり、(モスルやラッカなど
の)紛争地以外の場所に再配置されたりしているため、国際平和にとって著しい脅威になっている」と警鐘を鳴らした。