フィリピン大統領の国連脱退示唆 発言に波紋
8月23日 12時11分 NHK NEWS WEB
フィリピンのドゥテルテ大統領は、警察が麻薬犯罪に関わった疑いがあるとする多くの容疑者を殺害したことについて、国連機関からの
批判に反論し、国連からの脱退を示唆した発言をして、国内外で波紋が広がっています。
フィリピンの警察は２２日、犯罪の撲滅を公約とするドゥテルテ大統領が就任したことし６月末以降、麻薬の取り引きや使用などに関
わった疑いがあるとする容疑者少なくとも７１２人を、捜査段階で殺害したと明らかにしました。
こうしたフィリピン警察による殺害について、国連人権高等弁務官事務所は今月１８日、「法律に基づかない処刑で、人権を尊重する
べきだ」などと批判しています。
これに対して、フィリピンのドゥテルテ大統領は２１日、「見識がない批判だ」と反論したうえで、「われわれは国連から離れることを決
めるべきかもしれない」と国連からの脱退を示唆する発言をしました。
ヤサイ外相
この大統領の発言が国内外で波紋を広げると、ヤサイ外相は２２日、「大統領の発言は深い失望といらだちから行ったもので、国連
から脱退はしない」と述べ事態の鎮静化を図っています。
米国務省報道官「深く懸念」
フィリピンの警察が、犯罪に関わった疑いがあるとする多くの容疑者を殺害したことについて、アメリカ国務省のトナー副報道官は２２日
の会見で、「犯罪への関与が疑われた人物が超法規的に殺害されているという報告について深く懸念している」と述べました。
また、トナー副報道官は「フィリピンは引き続き重要なパートナーだがアメリカは、人権侵害、またはその可能性について目をつぶること
はない」と述べ、フィリピン側に犯罪の取締りについては、人権を尊重しながら進めるべきだという立場を伝えていく考えを示しました。
ヤサイ外相・・・パーフェクト・ヤサイが名前です。
日米と防衛協力し中国に対決姿勢が鮮明だったアキノ元大統領とは異なるスタンスを持っています。
南シナ海の領有権については「国際社会と共に法の支配を尊重するよう促す」と中国をけん制する一方で、中国からのインフラ支援に期待を示すな
ど、関係改善に意欲も持っています。日米だけに偏らないというスタンスです。
ドゥテルテ大統領とは大学時代の友人。ドゥテルテ大統領にとって良い補佐役ではないでしょうか。
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