【社説】文大統領の大言壮語はどれもうそ、国民は何を信じればよいのか
2018/11/15 10:03 朝鮮日報
韓国の情報機関・国家情報院は14日、国会情報委員会で「北朝鮮はノドンやスカッドなど短距離
ミサイルの開発を今も続けており、これに核弾頭を小型化して搭載する技術開発も行っている」と報告した。
さらに「北朝鮮における核ミサイル関連の技術開発は6月の米朝首脳会談後も続いているようだ」とも伝えた。
北朝鮮は今この瞬間にも核とミサイルの研究開発を進めているということだ。
米国の主要メディアも6月にシンガポールで行われた米朝首脳会談直後から同じような警告を何度も
行ってきた。ところが文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9月に平壌で行われた南北首脳会談直後、
北朝鮮が核実験場やミサイル発射場を閉鎖したことに言及した際「将来の核能力を廃棄した」との
見方を示した。しかし国家情報院がこの日行った報告の内容は、大統領のこの発言が北核の現実とは
大きく懸け離れていることを明確にするものだった。
文大統領は先月「北朝鮮は西海(黄海)北方限界線(NLL)を認めた」と発言した。
ところが北朝鮮が先日「西海の海上境界線を命懸けで守れ」という内容の緊急指示を海軍司令部に送って
いた事実を北朝鮮専門メディアが13日に報じた。ここで言う海上境界線とは北朝鮮が韓国のNLLを否定し、
NLLの南側に勝手に設定している境界線のことだ。文大統領の言葉通り北朝鮮がNLLを認めているので
あれば、自分たちが決めた海上境界線を「命懸けで」守るよう指示することなどあり得ない。
文大統領は板門店での南北首脳会談直後、米国のトランプ大統領に「金正恩氏は1年以内に非核化を行う
意思がある」と伝えたが、その後トランプ大統領は「文大統領が伝えた内容と北朝鮮の態度は
なぜこれほど違うのか」と抗議の電話をかけてきた。過去に北朝鮮への宥和(ゆうわ)政策を
行ってきた政権はどれも「北朝鮮」という言葉が出るだけで、違和感を覚えるほど非現実的な楽観論を
並べ立てていた。
例えば「北朝鮮は核開発を行う意思も能力もない」だとか「北朝鮮の核ミサイルは交渉用であり、
われわれを狙ったものではない」といった具合だ。彼らは今もそのような言葉を正しいと考えて
いるのだろうか。現実は北朝鮮の数十発の核兵器は明らかに韓国にとって大きな脅威となっているではないか。
大統領には数多くの使命があるが、その中で最優先すべきは安全保障だ。そのため大統領が国の
安全保障に関して話す言葉には大きな重みがある。ところが文大統領が確信を持って語ってきた内容は
どれも現実と食い違っていることが次々と明らかになりつつある。
国民は何を信じればよいのだろうか。