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韓国400年前から“滅びの道”進む指導者「楽観DNA」と朝鮮日報 =産経新聞

2017-04-26 23:31:04 | 韓国

韓国400年前から“滅びの道”進む指導者「楽観DNA」と朝鮮日報 

次の大統領に戒め苦言「北にダマされた『失われた20年』忘れるな」

2017.4.26 07:30  産経新聞

韓国大統領選は文在寅氏(左)と安哲秀氏(右)の一騎打ちの様相だ

 朝鮮半島情勢が緊迫する中、韓国の大統領選が佳境に入っている。選挙戦は、国連決議採決をめぐる“北朝鮮への

おうかがい疑惑”が取り沙汰されている最大野党「共に民主党」前代表の文在寅(ムン・ジェイン)氏がリード。文氏勝利

の可能性が高まっていることを視野に、保守系韓国メディアは、16世紀から今日まで韓民族リーダーの「楽観的すぎる

判断が度々の国難を招いてきた」と問題提起。親北とされる文氏を、歴史の事実を引き合いに牽制(けんせい)してい

る。


 ■「国難」招く指導者

 韓国紙朝鮮日報(日本語電子版)は23日、「金正恩(キム・ジョンウン)の善意を信じる韓国の楽観的太陽政策論者た

ち」と題したコラムで、「韓民族の統治エリートの遺伝子に『楽観のDNA』が刻み込まれているのは間違いない」と断言。

危機を前に対策もなしに楽観論に酔う習性がある、と指摘した。


 具体例として、16世紀の豊臣秀吉による朝鮮出兵、文禄・慶長の役の前、当時の朝鮮国王が、日本の侵略の可能性

はない、との通信使の報告書を信じたことを挙げ、「国難を招いた」とした。


 さらに17世紀の清による朝鮮侵略、1950年の朝鮮戦争を挙げ、「兆候はあったのにいつも危険を無視して滅びの道

を進んだ」と批判した。

笑みを浮かべる北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長、軍事パレード…

 最近のケースでは、2001年に平壌を訪問し、“歴史的”な南北首脳会談を実現させた金大中大統領(当時)が、「北朝

鮮には核開発の意思も能力もない」と発言し、太陽政策を進めたことをやり玉にあげた。


 実際、北にはそうした意思も能力もあったからこそ、現在の危機が出現しているのではないか。


■南北どちらも理解しがたい

 文氏の北への“おうかがい疑惑”とは、文氏が盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の秘書室長を務めていた2007年、国連総

会の北朝鮮人権非難決議案の採決をめぐり、事前に北朝鮮に意見を求める提案をし、政権は最終的に賛成でなく棄権

を決めたとの疑惑だ。


 当時の外交通商相(外相に相当)が昨年10月、著書で明らかにしていた。


 23日に行われた候補者によるテレビ討論会でも焦点となり、保守系候補が文氏に「嘘をついているなら、候補の資格

がない」と追及すると、文氏は「大統領が先に棄権との結論を下した。(疑惑は)事実でない」と強く反論した。


 韓国が前年の賛成から棄権に回ったことについて当時の国連の外交官は「韓国も多くの自国民が北朝鮮に拉致され

ているというのに、どうしてそこまで寛容なのだろうか」と首をかしげていた。


 朝鮮日報は24日の社説で、対北非難の国連決議案をめぐって新政権が再び北朝鮮の顔色をうかがうことになれば、

「国際社会は南北のどちらも理解しがたい人種とみなすに違いない」と危惧を示した。


■また、だまされるのか

 コラムはさらに、「金正恩は、義理の叔父を殺害し、白昼堂々よその国で異母兄まで殺害した。こんな人物が太陽政策

のパートナーになり得るのか」と対北融和路線に警鐘を鳴らした。


 締めくくりとして、1990年代の朝鮮半島の核危機以降、「北朝鮮にダマされてきた安全保障の『失われた20年』がひ

たすら恨めしい。あれほどだまされたのに、まただまされるのか」と嘆いている。

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元記事

【コラム】金正恩の善意を信じる韓国の楽観的太陽政策論者たち

 2017/04/23 06:07  朝鮮日報

 韓民族の統治エリートの遺伝子に「楽観のDNA」が刻み込まれているのは間違いない。危機を前にして、対策もなしに

楽観論に酔う習性がある。壬申(じんしん)倭乱(文禄・慶長の役)の前、日本へ行ってきた通信使らから正反対の報告

書が上がってきた。当時の朝鮮国王・宣祖は、侵略の可能性はないという方の報告書を採択し、国難を招いた。丙子胡

乱(1636-37年の清による朝鮮侵略)のときも、6・25(朝鮮戦争)の前もそうだった。常に兆候はあった。なのに、いつ

も危険を無視して滅びの道を進んだのだ。


 現在の韓半島の緊張を見つめる韓国国民の胸中では、二つの心情が交錯している。一つは不安で、もう一つは疑念

だ。いったいどういうわけで、こういう状況にまで至ったのか、というわけだ。北朝鮮が核開発をしているという事実は

1990年代初めに確認された。北朝鮮が「ソウルは火の海になる」と脅して回ったのも、20年以上前のことだ。その間、

韓国では政権が4回変わり、ありとあらゆる北朝鮮政策が登場した。国防費も湯水のように使った。なのになぜ、こんな

最悪の状況になったのか、というわけだ。


 そんな疑問の前で、まず真っ先に思い浮かぶのもまた「太陽政策」の楽観論だ。2001年に平壌を訪れた金大中(キ

ム・デジュン)大統領は、北朝鮮には「核開発の意思も、能力もない」と語った。北朝鮮が核を開発したら、自分が責任を

取ると断言した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、北朝鮮の核・ミサイルを「交渉用」だと弁護した。韓国を狙ったものでは

なく、攻撃用でもないと言った。


 そんな見方がどれほど非現実的だったかは、北朝鮮が確認させてくれた。およそ20年の間、北朝鮮は一瞬たりとも核

プログラムを中止したことはない。隙あらばソウルを廃虚にしてやると、人質戦略を展開してきた。ほんの数日前にも、

烏山・群山・平沢の米軍基地を挙げて「焦土にしてやる」と脅迫した。北朝鮮の善意を信じた二人の元大統領が今の状

況を見たら、何と言っただろうか。


 太陽政策の純真な楽観論は、これで終わりではない。金大中・盧武鉉政権では、北朝鮮のミサイル攻撃に対する備え

は一貫して消極的だった。1990年代初めの「ノドン1号」以降、北朝鮮は絶えずミサイルの性能を改善してきた。金大中

政権時代も核開発は続き、テポドン1号ミサイルが日本近海まで飛んでいった。にもかかわらず、米国のミサイル防衛

(MD)編入問題を理由に、防衛網の構築をためらった。韓国型防衛システム(KMD)を作ると、口先ばかりだった。


 盧武鉉政権になって、パトリオットPAC2と艦対空のSM2ミサイルを導入した。しかし下層での防御能力を備えただけ

で、それですら迎撃成功率は低かった。2006年に北朝鮮は核実験に乗り出し、核開発を公にした。それでも盧武鉉政

権は、実効性が低いパトリオットで5年過ごした。


 保守派の政権に変わった後も、大きく踏み出すことはなかった。李明博(イ・ミョンバク)政権は、先制攻撃の概念を含

む「キルチェーン」構想を作り出した。しかし予算は少なく、政策意思も弱く、推進速度は遅かった。李大統領は、安全保

障でも「どれだけ費用を抑えられるか」にこだわった。朴槿恵(パク・クンへ)大統領は軍を優遇したが、意思疎通が足り

なかった。軍首脳部ですら、大統領とあまり会えなかった。李明博・朴槿恵両大統領いずれも、問題意識はあったが、軍

の統帥権者としての哲学が十分ではなかった。切迫感にも欠けていた。


 半月ほど前、イスラエルが4段階からなる迎撃網を完成させたという発表があった。敵のミサイル攻撃を四つの手段で

迎撃し、鉄壁の防御を張り巡らすシステムだ。イスラエルの国防費は、韓国の半分にもならない。韓国は、2倍以上のカ

ネを使ってもこのありさまだ。イスラエルは備え、韓国は備えなかった。イスラエルは切迫感を持ち、韓国は切迫してもそ

うしなかった。その差が、安全保障上の脅威として返ってきて、韓国の首を絞めている。


今や誰もが同意する、親北朝鮮主義者ですら否定できない事実がある。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委

員長は、決して合理的な人物ではないという点だ。「金正恩除去」が最も確実な解決法だということに、国際社会は同意

している。


 ところが韓国には、金正恩の善良さを信じる「太陽楽観主義者」が依然として存在している。最大野党「共に民主党」の

文在寅(ムン・ジェイン)候補はテレビ討論で、北朝鮮が「主敵」だと語ることを拒否した。一方で、南北首脳会談に言及

することもあった。対話すべきときでも銃を持つのが安全保障だ。北朝鮮を主敵というなら対話は駄目、という論理はど

こから出てくるのか。現在、北朝鮮はやくざじみたまねを続けているというのに、首脳会談に言及していいタイミングなの

か。


 野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補は、北朝鮮に5億ドル(現在のレートで約547億円)送った違法送金事

件には「功績ある」と語った。どういう功績があったというのか。5億ドルが核とミサイルという形で返ってきているのに、

怒る気にすらならない。


 北朝鮮とは対話も必要で、交渉もすべきだ。だからといって、対話そのものが目的になってはならない。金正恩は義理

の叔父を銃殺し、白昼堂々よその国で異母兄まで殺害した。こんな人物が太陽政策のパートナーになり得るのか。太陽

の光で包んでやれば、合理的な対話が可能だとでもいうのか。


 太陽政策は、理論的には立派な政策だ。しかし、非現実的な北朝鮮観が対策なき楽観論を生むという致命的欠陥を

抱えている。まさかと思いながらも備えなかったために、こんなありさまになった。北朝鮮にだまされてきた安全保障の

「失われた20年」が、ひたすら恨めしい。あれほどだまされたのに、まただまされるのか。