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レバノンでデモ隊と治安部隊が衝突、530人負傷  ➡ 抗議デモ続くレバノン、新政権発足、 課題山積。 前首相退陣から3か月

2020-01-22 13:55:00 | 戦争・内戦・紛争・クーデター・軍事介入・衝突・暴動・デモ

レバノンでデモ隊と治安部隊が衝突、530人負傷

2020年1月20日 12:22 発信地:ベイルート/レバノン   AFP
 

【1月19日 AFP】(更新)レバノンの首都ベイルートで18、19日の週末、投石する反政府デモ隊に

治安部隊が催涙弾で応酬し、医療関係者によると2日間で530人以上が負傷した。

 

 昨年10月17日に始まった前例のない大規模デモでは、人々が宗派を超えて政治エリートの

無能と腐敗、深刻化する経済危機の責任を訴えている。サード・ハリリ(Saad Hariri)

首相は街頭デモの圧力に屈して退陣したが、新内閣の組閣が難航し、経済は深刻化の一途を

たどっている。

 

 18日の衝突は、デモ隊のうち数十人が議会へと通じる道路で、警備中の機動隊に石や植木鉢などを

投げつけたことから始まった。参加者の一部はスカーフで顔を隠していた。

さらに、有刺鉄線のバリケードを突破して議会へ向かおうとする参加者や、道路標識を武器として

警察の警戒線の突破を試みる参加者も現れ、治安部隊は放水と催涙ガスで対抗してデモ隊の

解散を試みた。

 

 赤十字(Red Cross)と民間防衛局の情報をもとにしたAFPの集計によると、この衝突で双方に

少なくとも377人の負傷者が出た。この負傷者数は、3か月にわたる抗議デモで最多。

 

 翌19日も、「革命、革命!」と叫ぶデモ隊数十人が議会前のバリケードを守る警官隊に向けて投石。

AFP特派員によれば、機動隊が放水銃やゴム弾、催涙ガスを用いてデモ隊を押し返した。

赤十字は、この衝突で145人以上が負傷したと発表している。


レバノン首都ベイルートの議会周辺で、治安部隊が設置したバリケードを壊そうとする反政府デモの参加者ら(2020年1月18日撮影)




レバノン首都ベイルートの議会周辺で、道路標識を使って治安部隊を襲う反政府デモの参加者(2020年1月18日撮影)




レバノン首都ベイルートの議会周辺で、治安部隊の放水砲を浴びる反政府デモの参加者(2020年1月18日撮影)



Hundreds injured as Lebanon's anti-government protests turn violent




抗議デモ続くレバノン、新政権発足 課題山積 前首相退陣から3か月

2020年1月22日 10:35 発信地:ベイルート/レバノン    AFP

 
レバノンの首都ベイルートで文書に署名するハッサン・ディアブ新首相。レバノン政府の公式写真通信社ダラティ・アンド・ノーラ提供(2020年1月21日提供)


【1月22日 AFP】レバノンで21日、ハッサン・ディアブ(Hassan Diab)新首相率いる新閣僚

20人の名前が公表され、新政権が発足した。長らく待たれていた新政権だが、発表直後から

市民らの抗議と、崩壊寸前の経済を立て直すという極めて困難な課題に直面している。

 

 サード・ハリリ(Saad Hariri)前首相が反政府デモにより退陣に追い込まれてから3か月が経過し、

強力なイスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)の支持を受けたディアブ氏が

昨年12月に首相に指名されてから1か月が過ぎた。

 

 先月までほぼ無名だった工学教授で元教育相のディアブ氏は、首相に指名された後、技術専門家

(テクノクラート)から成る政権を樹立し、市民の不満を解消することを目指すと強調。

新政府は「独立した司法制度の確立、横領された資金の回復、汚職の撲滅などを求める市民の

要求を満たすよう努力していく」と明言した。

 

 新内閣は同国初の女性国防相としてゼイーナ・アカール(Zeina Akar)氏を任命。その他5名の

女性が閣僚メンバーとして名を連ねている。初の閣議は22日に行われる予定。

 

 新閣僚の多くは学者や元顧問など、あまり名前が知られていない人物だが、市民らはすぐさま、

これまで広く非難の的になってきた世襲の有名政治家らの不在は、問題を隠す手段にすぎないと訴えた。

 

 先週末に警察とデモ隊が衝突し、多数の負傷者が出ていたベイルート市内では新内閣発足の

発表の前からデモ参加者らが街に出て、中心部の主要道路を封鎖した。


レバノンの新政府発足に当たり、首都ベイルートの北に位置する沿岸の都市トリポリで兵士らと衝突する反政府デモの参加者ら(2020年1月21日撮影)





レバノンの新政府発足に当たり、首都ベイルートとビブロスをつなぐ幹線道路でタイヤを燃やす反政府デモの参加者(2020年1月21日撮影)