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Re.1997.9.6

2007-09-06 21:49:44 | 旧メンバーブログ
二つの水田

子どものために続ける


上水は今も稲を育てている。
建設が進む、立川市のモノレール「柴崎体育館」駅近く。
2つの農家計36アールの田んぼがある。
水は、玉川上水から分かれ、JR青梅線をくぐり
中央線を越えてくる立川分水を使う。

「稲の緑を見ていると、心を洗われる。」
この水田の持ち主で、分水を利用する
農家5軒でつくる立川分水利用組合の
小川組合長は言う。管理は組合の仕事だ。
田植え前、組合員総出で泥をさらう。
週1回は交代で水路の落葉などを清掃する。

台風が来れば、線路や道路が冠水しないように
分水口を閉め、水路を見回る。
市街地での農業は自分の畑より周囲に気を使う。

小川さんは、農家の土地利用を子どもの
代まで縛る生産緑地は「お上の発想」と嫌う。

宅地並みの固定資産税額は、水田の収益の約4倍
他の稼ぎをつぎ込み、水田を続けてきた。
でもモノレールが開通し、土地の評価額が
跳ね上がればもう限界だ。
「そうなったら、道楽もおしまい。」
やはり稲を育てる加藤さんは、10年以上指導しても
自分で田植えはしていない。小学生が体験学習で、
田植えに来るからだ。

まだ立川市に米軍基地があった1976年、
立川市長に頼まれ、基地の子どもたちに
体験学習の場を提供したのがはじまり。
水田を前に、加藤さんは子どもたちに、
縄文時代から稲作があったこと、
農家には水が大切なこと
歴史から環境問題へと幅広く話す。

子どもたちの目が輝く。
今年も稲穂が色づき始めた。もうすぐやってくる
稲作教室。
もちつきでもてなす。
「水田は続けるよ。子どもが好きだから。
でも農作が授業になるのだから大変な時代だ。」

江戸時代、町を潤した上水は、武蔵野では30の分水に分かれて
多くの新田を生んだ。今、水利権を確保している分水は
立川分水などわずかに6つ。

(朝日新聞 1997,9,6付け ひと、みず、みどり)

日本の食物自給率は40%を切っている
現在、第1次産業は3%ほどである。
農業を支える農家の平均年齢は、60歳以上といわれている。
あと20年もすれば、農家の担い手はどうなるのだろうか!?

自分も含めてなかなか今の子どもたちに
なりたい人というのはいないように感じる。

農業をする親の背中を見なくなってしまったのかもしれない。
身近なところになりたいモデルがいれば、
自然と自分も理想像を描けるものであるが、
そうでなければ、むずかしい。

これからの日本にとって、
農業の担い手の存在は、必要不可欠である。



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