素直に喜べない勝利
仮想スイスとした臨んだニュージーランド戦で1-0で勝利はしたものの、何かしっくりしないものが私の頭の中に居座っています。確かに勝つ事は勝ったのですけれど、本来の「なでしこ」の試合運びとは全く異って見えているのです。
メンバーはアルガルベ・カップとは異い、2011年のワールド・カップの時に近い構成では有ったのにも拘らず、これがあの「なでしこ」の試合? と云う感想しか浮かんで来なかったのです。その要因は何なのか? 先ず考えられるのは、意思の疎通が不完全であったという事が挙げられると思います。個々のレベルは上がっている筈なのに、自分達のペースに持ち込めなかったところに、それが見て取れます。
どうしてなのか? 経験値が上がるという事は、各選手の思惑、ゲームの流れを判断する基準が大きく変って来ていると考えられます。その事に由り、まとまりが付かず行動にバラつきが生まれるのです。実際、それが如実に表れていたのが、うまく繋がらないパス回しでした。そこを突いたニュージーランドのカウンター攻撃の多さに結果が現れています。パスの出し手と受け手のイメージが異っていては、カットされても仕方がない事です。特にメンバー交代をした後半戦ではそれが顕著でした。奈穂ちゃん⇒大野忍、梢さん⇒菅沢優衣香、川村優理⇒宇津木瑠美の交代をどう見るかによっても、このゲームの本質の一端を垣間見る事が出来そうです。親善試合という事で6人迄の交代が認められている中で、どうしてこの3人であったのか? その辺りに何かが見え隠れしていそうです。
この試合、前半の早い時間帯に、よもや無いと(私は)思っていた澤穂希が出場していて、キャプテン宮間のコーナー・キックにダイレクト・シュートを決め先取点を挙げた。さすが…だと認めざるを得ませんでした。「なでしこ」が「なでしこ」らしい展開をしていたのは前半戦でしたね。僅か1点どまりとは言え、「らしさ」を要所要所で見せていました。目立ったパス・ミスも無く、攻撃に繋がりが見て取れていました。梢さんは得点する事に意欲的であったのが印象的でした。これは代表になってから久し振りのトップ・ポジションであった事と、ドイツでの良い結果が意欲を増していたからでしょう。残念だったのは奈穂ちゃんが若干精彩を欠いていたという事ですね。いつもの奈穂ちゃんとは見た目にも異っていましたから。次回は元に戻っている事を期待しています。それにしても、やはり熊谷選手は前回同様、いいところが有りませんでしたね。DF陣にはあと3人残っているのですから、その辺を考えた方がいいかもしれません。
とにかくこの試合、攻撃の意識は有ったものの、まとまりが無かったというところが課題として浮き彫りになったのは事実です。各チーム共、「なでしこ」ジャパンを研究しているので戦い難くなっているのは確かです。それでも実力は確実に有るのですから、本領を発揮して欲しいものです。
ニュージーランドよりも格上のスイスを相手にするのですから、この様な試合をしていたのでは不安が高まるばかり。親善試合はもう1試合有るので、そこで本来の「なでしこ」の在るべき姿に戻るきっかけを摑んで欲しいと思います。
大丈夫ですよね。皆さん、惜しみない応援をしましょうね。
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