シリーズで見ていないから何と何がどう争ってるのかが分からないまま遊園地に放り込まれて、今一つ気が乗らないまま乗り物に載せられた気分である。
しかし、面白いことも発見した。
- 古い映画では敵味方二つしかなかったが、今はどうやら四つくらいありそうでそのうち一つはAIの機器連合に仮想される勢力になって居そうである。すでに世界は多極化していることの現れか。世界の多極化はその通りと思うが、AIの機器連合が人間と同じように勢力争いに参加するとは真面目な予言なのか。
- 取り合いされているのは、国家機密ではなくビッグデータであるらしいこと。そんなにビッグデータは値打ちありなのか?
- 女優さんがアクションに参加するようになったが、まだ主役になって居ない。ここはトム・クルーズも主役を降りお酒を注いで回ったり気分を和ませる役柄になって、きれいで強い女優さんが主役になるのがいいのではないか。もちろんトム・クルーズもいくらかはアクションするが最後には助けてもらう側に立たないといけない。もっと大企業に女性社長が出ないといけないとの掛け声を先取りするのである。
- 007はイギリスの、こちらはアメリカの諜報機関をモデルにしているらしい。それにしては舞台がヨーロッパのそれも古街並みを使いすぎてないか。よほどヨーロッパの古い文明に劣等感をお持ちと見える。それに最後はオリエント急行が舞台になる。オリエント急行がめちゃめちゃに壊されるということは、ヨーロッパ文明をこれから壊してやるぞという意識の現れか。
アメリカはヨーロッパを尊敬し、ヨーロッパの人々はギリシアを尊敬しているということだから、ヒトは自分の文化のルーツになるものを尊敬するという性質があるのか。そう言えば日本人も三国志や史記の時代の中国を尊敬するし、宋の時代位までの文化芸術に敬意を払う人が多い。(わけあって元には敬意を払わないが)インドやエジプトの遺跡や古い文化に、ましてや中南米の遺跡に接するときの心境とは明らかに異なる気分である。エキゾチックなものを求めて接している。
してみると、今日本に来ている外国人観光客は奈良の大仏を見るときも浅草の観音さんを見るときもエキゾチックな気分で見ているのであって敬意を払っているわけではないだろう。
オリエント急行が宙づりになって椅子やらピアノやらが壊れておいしそうな料理が流されていく場面で勿体ないなーと思いながら上の様な事を考えていた。