「神のご加護」があったから。(菅元首相)
菅首相が、「最悪の事態」にならなかったのは、
「神のご加護があったから」
と言っている。(国際シンポジウムへのメッセージ、紹介済み)
これは何のことを言っているのかを説明しておこう。
最大のリスクは、原子炉ではなく燃料プールにあった。
原子炉は、”絶対大丈夫”な、4重の壁に守られているが、
燃料プールの核燃料は、剥き出しである。
チェルノブイリとは違って安全、などというのは戯言である。
チェルノブイリとは違ってメチャメチャ危険、なのである。
(チェルノブイリに、燃料プールがなくてよかった・・・)
最大のリスクは、アメリカが一貫して指摘していた、4号機の燃料プールであり、そこには、1535本の燃料集合体が、剥き出しで、ブラックアウト(冷却不能状態)していた。
これだけで、チェルノブイリ(699本)の倍以上のポテンシャルがある。
これがなぜ、最悪の事態(再臨界⇒連鎖爆発)に至らなかったのか?
神のご加護のおかげである。(TM:菅直人)
(まあ、結論を言えば、東電のだらしなさ、いい加減さが幸いした。奇跡だ。)
かいつまんで言うと、
1.原子炉ウェルに溜めてあった水が(本来は、3月7日に抜く予定だった)
2.たまたま、燃料プールとの間の壁が壊れたため(想定外だ)
3.千トンという大量の水が干上がって沸騰寸前の燃料プールに流れ込んだ。
「ウェルから約1千トンという大量の水が核燃料プールに流れ込みました。これは、原子炉の設計上からは、まったくの「想定外」の出来事でした。
この時、ウェルから水が流れ込むことがなければ、ほどなく、核燃料プールは完全な空焚き状態になり、核燃料溶融、さらには臨界という事態になったでしょう。
現在の比ではない大量の放射性物質が撒き散らされ、首都圏からも住民が避難しなくてはいけない最悪の事態に進んでいたでしょう」
原子力発電所というものが、極めていいかげんに管理されており、そのおかげで日本が助かったのも、想定外のおかげである、というのが、真実なのである。
The Moment of Truth;
「実際、3.11の4日前、3月7日には、ドライウェルの水を抜く予定なっていました。ところが、圧力容器内の改修作業が不手際で遅れたため、ウェルは水を張ったままになっていたのです。」
このことを、菅首相は、「神のご加護」と呼んでいるのだ。
彼がこのため(4号機冷却)にやったのが、「セミのションベンショー」と呼ばれる、4号機プールへ、たまたま(火災と東電が呼ぶ爆発により)開いた、開口部から、ヘリコプターから、水を投入する、という、決死の作戦である。(燃料プールは、1400トン、投入水量は、
うまく入って1-2トン程度である。)
少しは、この方々に任せておくとトンデモないことになる、という危機感を持った方が良いのではないか。(もうなっているのだが・・・こどもの甲状腺がんが、エピデミックから、パンデミックになる様相・・・)
この悦明記時は、ネット上にいくつか存在する。
(例えば、「私設原子力情報室」)
Source:
http://nucleus.asablo.jp/blog/cat/shousai/
この想定外が起こったのが、3月15日、
その後”キリン”で対応するまで水温を下げ続けた。
(右図を見ればわかるが、TAF(燃料頭頂部
1mで止まったのだ))
東電は、このことを公表しないままだ。
もちろん、報道もされていない。
だから、「神のご加護」、なのである。
左:想定外(ヘリコプター千台分)
右:神のご加護チャート
The Moment of Truth;
「実際、3.11の4日前、3月7日には、水を抜く予定なっていました。ところが、圧力容器内の改修作業が不手際で遅れたため、ウェルは水を張ったままになっていたのです。」
東電の不手際に、手を合わせよう。