私は今まで過去に戻りたいと一度も考えたことはなかったが、今は一度だけあの時に戻りたいという日がある。全身全霊をかけて止めたいことがある。
たまたま人と書店で待ち合わせ。待ち合わせの時間より早く着いてしまい平積みのこの本に目がいった。
4回泣けるという。
映画化されるという。
本の帯には泣いた人の感想が並ぶ。
泣いてみようかと買ってみた。泣いたら楽にるかもしれない、そんな気分だった。
読み終えても微笑ましくて笑みは出てくるのに泣けない。人は自分が辛くて辛くて泣いている時、心が折れてしまっている時、他の人の涙には共感できないのだと気づいた。
現実はとても厳しく辛いもの。神経はガサガサにすり減る。毎日朝日を見ながら奮起するのだが、日暮れには絶望感と近い将来の不安に心は折れてしまう。自分にはこの状況を打開する時間は残っているのかと。
この小説を読んで涙する人は、今とても生活が安定しているのだと思う。とても幸せだと思う。そう実感してほしい本。
(2018年9月)
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