投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

酒造りの歴史、他4冊 (1)

2003年の暮れに読んだ本。火入れの話。

「酒造りの歴史」        柚木 学    雄山閣books
「酒に謎あり」          小泉 武夫  講談社
「日本の酒5000年」     加藤 百一  技報堂出版
「酒類入門」                    日本食料新聞社
「自然流 日本の酒 読本」 福田克彦    農村漁村文化協会


思い出すままに、まず「火入れ」について。

「低温殺菌」のことである。「火入れ」とは生酒を60~65度に加温し、殺菌するとともに酵素の活動を止める酒造りの工程のことを言う。「低温殺菌」はフランスのパスツールが考案したことで有名。コッホの名前もこれに関しては出てくる。ところが日本人はパスツールよりも三百年以上も前に経験的にこの方法をあみだし、文字にして技術を伝えた。

室町時代の寺は造り酒屋を兼ねていたそうだが、興福寺の僧侶は「多聞院日記」(1560年)という文献に酒造りについて記録を残している。それには「酒を煮させ樽に入れ了る、初度なり」という記述があり、これが「火入れ」のことらしい。

「初度」(一回目)という記述があるところを見ると、2回目、3回目と低温殺菌を繰り返し、酒を安定させていたようだ。これはドイツの微生物学者コッホの滅菌釜の原理の実践していることになるが、時代ははるかにコッホより遡る。

続く・・・・。
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