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【画像その1】 「学年誌100年と玉井力三 - 描かれた昭和の子ども」展(千代田区立日比谷図書文化館)

2022年10月04日 | 展覧会(その他)
学年誌100年と玉井力三 - 描かれた昭和の子ども
2022年9月16日〜11月15日
千代田区立日比谷図書文化館
 
 小学館の学年誌で見る昭和の子どもの文化。
 
 本展の主役である玉井力三が、小学館の学年誌(一年生〜三年生)の表紙を担当した期間である昭和29年〜49年(特に昭和40年代)をメイン対象としている。
 高度成長時代の小学校低学年の子どもたちの文化の一端が伺えて、楽しい。
 
 
小学館発行の八大学習雑誌の誕生
 一年ごとに読者を分けた雑誌は、日本独特の児童出版文化であって、世界でも類がないと言われているとのこと。
 また、対象読者を「学年」で分けたことで、「学年誌」には、対象読者に男女の区別がなくなったという別の特徴を備えることとなったという。
大正11年9月:『小學五年生』、『小學六年生』
大正13年:『小學四年生』
大正14年:『せうがく三年生』、『セウガク二年生』、『セウガク一年生』
昭和7年:『幼稚園』(5〜7歳向け)、『子供園』(3〜5歳向け)
 
 
 
戦前期の学年誌記事
 
 昭和7年、8年、9年および11年の各5月号。
 5月27日が海軍記念日であることが、特に5月号に、東城鉦太郎が昭和4年に描いた《三笠艦橋の図》を元とした記事が繰り返し取り上げられたという。
 
 
 
戦時期・戦後直後の『小学一年生』の変遷
 展示室外の通路に掲示された大型バナー「もうすぐ100年『小学一年生』大正14年〜令和7年」より。
 
 
セイガク一年生 大正14年4月号〜
コクミン一年生 昭和15年11月号〜
良い子の友   昭和18年2月号〜
(コクミン一年生とコクミン二年生を統合改題)
  ★昭和20年4〜8月号は未発行
  ★昭和20年9・10月号と11・12月は合併号
  ★昭和21年1月号は未発行
  ★昭和21年2月号から月次発行再開
   (ただし、21年5・6月号は合併号)
  ★小学一年生の復刊後も、昭和25年3月まで発行された模様。
一年生     昭和22年4月号のみ
小学一年生   昭和22年5月号〜
 
 
 
オバQブーム
 昭和39年に小学館刊行の『週刊少年サンデー』で生まれた「オバケのQ太郎」。
 昭和40年1月号から、『小学一年生』から『小学六年生』でも一斉に連載を開始。
 同年9月からはテレビアニメも開始し、一大ブームに。
 翌41年に完成した小学館の新社屋は「オバQビル」と呼ばれたという(地下鉄神保町駅直結。2013年に取り壊し、2016年に新社屋竣工)。
 
 
 
パーマン〜ドラえもん誕生
 「オバQブーム」に続き、昭和42年には「パーマン」が大ヒット。
 昭和44年には「ウメ星デンカ」。
 昭和45年1月号からは、「ドラえもん」が『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』『小学四年生』の6誌で一斉に連載開始。読者のレベルにあわせて6種類の第1話が描き分けられたという。
 
 
 
ウルトラマンブームと人気者
 「ウルトラマンシリーズ」は、昭和41年のテレビ放送開始当初、講談社の雑誌に独占掲載されていたが、昭和46年の「帰ってきたウルトラマン」以降は、逆に小学館が独占掲載するようになり、「第2次ウルトラマンブーム」のなか、小学館の学年誌が飛躍的に部数を伸ばす大きな推進力になったとのこと。
 
 昭和40年代は、小学館の学年誌の黄金期であったようだ。
 
 
 
付録に見る昭和
 その黄金期にあたる昭和43〜47年の付録14点も展示される。
 組み立てが非常に難しそうな付録たち、私には無理。
 
 以下、9選。
 
レコードセット
『小学二年生』昭和44年3月号
→音が出る付録「ソノシート」
 
ウルトラセブンわなげ
『小学一年生』昭和44年7月号
 
えんぴつスタンド月着陸船
『小学四年生』昭和44年6月号
歩く宇宙パイロット
『小学二年生』昭和44年9月号
 
万国博大パノラマ
『小学二年生』昭和45年6月号
 
光る太陽の塔
『小学二年生』昭和44年7月号
 
アッコちゃんのおへや
『小学一年生』昭和45年4月号
 
かいじゅうげんとうき
『小学二年生』昭和46年12月号
→「帰ってきたウルトラマン」の怪獣「ザニカ」(私は知らない)。
 
エンパイアビルちょ金箱
『小学二年生』昭和47年7月号
 
 
 
令和の小学館の学習雑誌
 
 平成21年〜28年にかけて、『小学六年生』『小学五年生』『小学三年生』『小学四年生』『小学二年生』が休刊。
 
 令和のラインナップは、次のとおり。
『小学一年生』
『幼稚園』(4〜6歳向け)
『めばえ』(2〜4歳向け)
『小学8年生』(小学二〜六年生向け)
他には、『ベビーブック』『学習幼稚園』があるという。
 
 
 
 個人的な記憶を思い出しながら見る。
 小学館の学年誌は買ってもらったことがない。
 もっぱら、学校から斡旋のあった、学研グループ発行の『科学と学習』。
 両方は買ってもらえないので、どちらか一方を選ぶ。
 年間定期購読制であったので、年度更新期には、前年の両誌の付録内容を思い出しながら、科学にするか学習にするか、真剣に悩んだ記憶。


1 コメント

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Unknown (まいんど)
2022-10-15 21:57:44
めばえとベビーブックとベビーブックファーストと幼稚園と学習幼稚園には京急電鉄のマスコットキャラクター「けいきゅん」や「ノルエコけいきゅん」、横浜シーサイドラインのキャラクター「キラキラシーたん」を連載せず、代わりに相模鉄道のキャラクター「そうにゃん」を連載し、そうにゃんの描かれた電車「そうにゃんトレイン」の特集を掲載するそうです(小学館がめばえやベビーブック、ベビーブックファースト、幼稚園、学習幼稚園にけいきゅんやノルエコけいきゅん、キラキラシーたんを連載したり付録に登場させる予定はなく、過去にめばえの付録にアンパンマントロッコがでたときや、ベビーブックにアンパンマン列車の特集がでたときにけいきゅんもノルエコけいきゅんもキラキラシーたんも登場しておらず、めばえやベビーブック、ベビーブックファースト、幼稚園、学習幼稚園の毎年の11月号にもけいきゅんの誕生日の告知が掲載されたこともなく、めばえにけいきゅん号の特集が出たこともなく、けいきゅん10周年記念企画でめばえやベビーブック、ベビーブックファーストの表紙をけいきゅんがアンパンマンと一緒に飾ったことはなかった)。
理由として、アンパンマンのアニメで「顔がぬれて力が」というシーンがかつての京急1500形電車や新1000形ステンレス車、シーサイドライン2000形の事故を連想させて不吉・不適切なことと、京急沿線にはアンパンマンやめばえ、ベビーブック、ベビーブックファースト、幼稚園、学習幼稚園がきらいで美少女戦士セーラームーンやフレッシュからGO!プリンセスやトロピカル~ジュ、デリシャスパーティまでの各プリキュアとキラキラプリキュアアラモードが好きでげんき(乳幼児向けの雑誌のことであり、ネピアのアンパンマンの出ている紙おむつのことではない)、たのしい幼稚園やおともだち、たの幼ひめぐみ、おともだちピンクが好きな人が多いためです。
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