ルネ・ユイグのまなざし
フランス絵画の精華-大様式の形成と変容
2019年10月5日〜20年1月19日
東京富士美術館
17世紀から19世紀前半、古典主義からロココ、新古典主義、ロマン主義、アカデミズムまでのフランス絵画、油彩67点・素描12点の計79点が展示される。(九州・大阪の3会場あわせると、油彩71点、素描31点の計102点)。
油彩は、約3分の1が主催館の所蔵品であるが、約3分の2がルーヴル以外のフランス各地の美術館のほか、ベルリン国立絵画館、ロンドンのダリッジ美術館、スコットランド・ナショナル・ギャラリーからの出品でなかなか豪華。
素描は大英博物館からの出品(他2会場ではルーヴル美術館素描・版画部門からも)。
【構成】
第1章 大様式の形成、17世紀:プッサン、ル・ブラン、王立アカデミー
第2章 ヴァトーとロココ美術-新しい様式の創出と感情の表現
第3章 ナポレオンの遺産-伝統への挑戦と近代美術の創出
第4章 デッサン
印象に残る出品作。
ニコラ・プッサン
《55歳の自画像》
ベルリン国立絵画館
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プッサンの自画像は2点しか現存していないという。もう1点はルーヴル美術館所蔵。
マチュー・ル・ナンあるいは「ゲームの画家」
《いかさま師》
ランス美術館、ルーヴル美術館より寄託
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ル・ナン3兄弟の末弟マチュー。カラヴァッジェスキ風の画題、一人の若い男が一方の背後に立ち、もう一方に合図を送る。
ユベール・ロベール
《カンピドリオの丘の空想的景観》
ヴァランシエンヌ美術館
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古代建築のアーチの向こうに見えるマルクス・アウレリウスの騎馬像。
ユベール・ロベール
《洗濯屋》
プチ・パレ、パリ美術館
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壮大な古代建築を洗濯場として利用する人々。その洗濯物の大きさは古代建築に負けていない。
エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン
《クリュソル・フロランサック男爵夫人、アンヌ=マリ・ジョゼフィーヌ・ガブリエル・ベルナール・ド・ブーランヴィリエ》
トゥールーズ、オーギュスタン美術館
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楽譜を読んでいるところ呼びかけられた、見返り美人。
写真撮影可能な作品が3点。
ジャン=アントワーヌ・ヴァトー
《ヴェネチアの宴》
スコットランド・ナショナル・ギャラリー
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ジャン=フランソワ・コルソン
《休息》
ディジョン美術館
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エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン
《ポリニャック公爵夫人、ガブリエル・ヨランド・クロード・マルチーヌ・ド・ポラストロン》
ヴェルサイユ宮殿美術館
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取り上げられる画家は、第1章が13人、第2章が18人、第3章が13人の計44人。うち12人が主催館の所蔵品のみでの紹介、8人が海外からの借用をプラスしての紹介となる。