明治のこころ モースが見た庶民のくらし
2013年9月14日~12月8日
江戸東京博物館
モースといえば、大森貝塚の発見、と歴史で習った記憶がある。
そのモースが、明治10~16年の間の全3回・約4年の日本滞在を通じて収集したコレクション、生活道具や陶器が当時の写真パネルとともに紹介されている。
モース・コレクションの所蔵
生活道具:ピーボディー・エセックス博物館
陶器 :ボストン美術館
第1章 モースという人
重文の大森貝塚出土品(東京大学総合研究博物館蔵)の貝や土器等
第2章 日本と日本人-130年前の暮らしを彩る品々
2-1 よそおう
2-2 たべる
2-3 すまい
2-4 こども
2-5 あそぶ
2-6 いのる
2-7 あきない
2-8 なりわい
印象に残ったのは。
まず、2-2 たべる。
No60とNo100の海苔は、海苔の缶のみならず、そのなかに入っていた味付け海苔そのものが展示。
当時消費されるはずの味付け海苔が、このように130年後に博物館で姿をさらすことになるとは。
同じように残った、イナゴ、砂糖菓子、金平糖、なども、瓶のなかではあるが、姿をさらされている。
未開封の茶缶については、そのなかに130年前の茶が詰まっているのだろう。
次に、2-7 あきない
商店の看板が11点。デザインが楽しい。
八百屋 : 2本の大根が交差し、「八」の字を作っている。
三味線店: 三味線と撥が配置される。ピカソやブラックの作品を想起させる。
糊屋 : 「の」と「り」の字が意匠化される。単純だが、力強い。
釣具屋 : 釣り針と糸、浮きが意匠化されている。
下駄屋 : 鼻緒が輪郭を形作るお多福。
それ以外に、楽しかったのは。
手あぶり火鉢: タヌキ型。ぷっくりと大きな腹の部分に手を当てて暖をとるようになっている。
掛け花生け: きのこ型、とんぼ型、バッタ型
犬筥: 安産祈願の婚礼調度とのことだが、何とも不気味な犬の顔。
など。
第3章 モースをめぐる人々
陶器。東京近辺関係を選択したとのこと。
特別展示:生き人形
モースは、全8点収集したらしいが、うち3点が出品。
・農夫
・農婦と赤ん坊
・甲冑姿の武士
生き人形と言えば、昔、東博の常設の特集陳列で見て、迫真性に驚いたが、本3点は、その観点からは、おとなしめである。
本展では、写真撮影可のコーナーが2か所あったので、撮らせていただいた。
<モースの肖像>
<農夫、農婦と赤ん坊>
<甲冑姿の武士>