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【画像】「アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真」展(東京都写真美術館)

2022年07月11日 | 展覧会(その他)
アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真
2022年5月20日~8月21日
東京都写真美術館
 
 写真・写真史にも疎い私だが、大阪中之島美術館で見た「流氓ユダヤ」シリーズの<丹平写真倶楽部>メンバーの作品も出ていると知って行ってみる(本展には「流氓ユダヤ」の出品はない)。
 
 近代日本写真史における前衛写真は、海外から伝わってきたシュルレアリスムや抽象美術の影響を受け、1930年代から1940年代までの間に全国各地のアマチュア団体を中心に勃興した写真の潮流です。
 
 本展は、最初に、影響を与えた海外の作家の作品を紹介したうえで、4つの地域グループ(大阪、名古屋、福岡、東京)に分けて、日本の写真家たちの前衛写真活動を見せる。
 
〈展覧会構成〉
 第1章 インパクト―同時代の海外作家
 第2章 大阪
 第3章 名古屋
 第4章 福岡
 第5章 東京
 
 
 本展は東京都写真美術館所蔵作品に限り撮影可。
 以下、気になった日本の写真家の作品を、画像とともに掲載する。
 
 
【大阪】
 
小石清
《疲労感 〈泥酔夢〉より》
1936年
 特撮映画の一場面のよう。
 
 
平井輝七
《月の夢想》
1938年
 総天然色3点から1点。着彩らしい。コラージュのよう。叙情なし。
 
 
小石清
《燐素》
1938年
 日本的ホラー。
 
 
小石清
《叫喚》
1938年
 この落ち着かない雰囲気は、当時の社会情勢を表しているのだろうか。
 
 
本庄光郎
《生・発端1940年》
1940年
 宇宙に初めて生命が誕生した感じで、かっこいいのだが、作品名にある1940年は皇紀2600年と関連させているのだろうか。
 
 
平井輝七
《風》
1938年
 本展のメインビジュアル。
 
 
小石清
《7 象と鳩〈半世界〉より》
《9 静寂 〈半世界〉より》
1940年
 〈半世界〉10点より。
 象と鳩が醸し出す不穏。
 根菜が醸し出す静寂。
 
 
 
【名古屋】
 
山本桿右
《題不詳(脱衣棚と椅子)》
1935年頃
 風呂屋の光景。
 
 
 
【東京】
 
濱谷浩
《東京浅草 花月劇場 舞台裏で出を待つ踊り子 〈東京〉より》
1938年
 前衛という感じではない。
 
 
濱谷浩
《敗戦の日の太陽》
1945年
 本当に8月15日に撮影した太陽なのだろうか。
 
 
 
 第2章「大阪」からの作品が多くなったのは、第2章の作品数が最も多いこと、第3章「名古屋」と第4章「福岡」の作品の大半が借用であり撮影不可であったことによる。
 
 「大阪」や第5章「東京」も、多くの写真家が取り上げられているのだが、特定の写真家に集中した選出となったのは、その日の私の気分による。別の日、別の時間に見たら、異なる選出となろう。


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