チェント市にグエルチーノ作品が帰還。
9ヶ月前のこと。
チェント市にて、2016年6月から、チェント市立絵画館所蔵のグエルチーノ作品の公開を行っている。
17世紀のサン・ロレンツォ教会内に、美術館スペース(Pinacoteca S.Lorenzo)を整備し、グエルチーノ作品を展示しているようである。
チェント市立絵画館は、2012年5月の大地震により、大きな被害を受けて閉鎖。2015年春の国立西洋美「グエルチーノ展」会場入口前ロビーのビデオで見た、補強材で支えられてなんとか倒壊しないでいるような建物は、実に痛々しかった。復旧のめどは立っていないとの説明であった。
代替の展示場所を用意したのですね。
サン・ロレンツォ教会絵画館の展示作品は、次のとおり。
http://www.comune.cento.fe.it/primopiano/pagina2113.html
IL GUERCINO
Assunta
《聖母被昇天》
1622
(dalla Chiesa del Rosario di Cento)
IL GUERCINO
Miracolo di San Carlo Borromeo
《聖カルロ・ボッロメーオの奇跡》
1614
(dalla Chiesa di San Sebastiano di Renazzo)
IL GUERCINO
Cattedra di San Pietro
《キリストから鍵を受け取る聖ペテロ》
1618
(dalla Pinacoteca Civica Il Guercino di Cento )
IL GUERCINO
San Bernardino da Siena prega la Madonna di Loreto
《ロレートの聖母を礼拝するシエナの聖ベルナルディーノと聖フランチェスコ》
1618
(dalla Pinacoteca Civica Il Guercino di Cento )
IL GUERCINO
Cristo risorto appare alla Vergine
《聖母のもとに現れる復活したキリスト》
1629
(dalla Pinacoteca Civica Il Guercino di Cento )
IL GUERCINO
San Giovanni Battista nel deserto
《説教する洗礼者聖ヨハネ》
1650
(dalla Pinacoteca Civica Il Guercino di Cento )
IL GUERCINO
Madonna col Bambino benedicente
《聖母と祝福を授ける幼児キリスト》
1629
(dalla Pinacoteca Civica Il Guercino di Cento )
IL GUERCINO
Cena in Emmaus
1620-25 ca.
(dalla Pinacoteca Civica Il Guercino di Cento )
IL GUERCINO
La Madonna della Ghiara con San Pietro pentito, san carlo Borromeo, un angelo e il donatore
《幼児キリストを崇める聖母と悔悛の聖ペテロ、聖カルロ・ボッロメーオ、天使と寄進者》
1618
(dalla Pinacoteca Civica Il Guercino di Cento )
IL GUERCINO
Sant'Alberto prega la Madonna del Carmine
《トラパニの聖アルベルトにスカプラリオ(略肩衣)を与えるカルミネの聖母》
1618
(dalla Pinacoteca Civica Il Guercino di Cento )
BENEDETTO GENNARI (ATTRIBUITO)
Ritratto di Guercino accanto a un dipinto raffigurante Giovanni Battista Manzini
1660/1670 c.a
(dalla Pinacoteca Civica Il Guercino di Cento )
SCULTORE PIACENTINO ATTIVO NEL XVIII SECOLO E IL GUERCINO
La Madonna del Rosario
1626
(dalla Chiesa del Rosario di Cento)
12点。チェント市立絵画館所蔵が9点。同じく被害を受けたチェントのサンティッシモ・ロザリオ聖堂所蔵が2点。レナッツォのサン・セバスティアーノ聖堂所蔵が1点。
そして、上述で日本語の題名を付した作品は、2015年春の国立西洋美「グエルチーノ展」の出品作を示す。なんと12点中9点が来日。グエルチーノ10点に限ると、非来日は次の1点のみ。
消防士たちの手によって被災した建物から運び出された作品たち、
「収蔵庫で眠るかわりに、地震のシンボルとして他の美術館に貸し出されることになり」、東京にもやってきたが、こうして、グエルチーノの聖地、チェントに帰還し、公開が再開されたのは喜ばしい。
私自身は当面イタリア旅行の見込みは全くないが、チェントは、フェッラーラとボローニャの中間にあるので、その近くに行く予定のある方は、グエルチーノ作品に会いに行かれてはどうか。
その場合、サン・ロレンツォ教会絵画館の開館日時は、要注意。
(2016年6月時点)
金曜:10:00〜13:00 / 15:00〜19:00
土曜:10:00〜13:00
日曜:15:00〜19:00
もう一つ、グエルチーノ関連。
現在、ピアチェンツァでは「ピアチェンツァのグエルチーノ」と題し、ピアチェンツァ大聖堂のドームの内側に登っての、1626年制作のグエルチーノのフレスコ画の特別鑑賞と、ファルネーゼ宮でのグエルチーノ作品20点からなる展覧会が行われている。
Guercino a Piacenza
2017年3月4日〜6月4日
http://guercinopiacenza.com
チェントの絵画館からもピアチェンツァに何点か貸し出されている。