ゴヤ-光と影
2011年10月22日~2012年1月29日
国立西洋美術館
最終日の16時過ぎの訪問。
さすがゴヤ展の最終日。この時間でも多くの人が入場しようとしてました。
本展は、プラド美術館からの油彩画、素描、若干の版画に、国立西洋美術館所蔵の版画を加えた全123点により、ゴヤの全体像を見ようとするもの。
14章と細かく分けられていることが、ゴヤの多様性を伺わせます。
私としての鑑賞は、版画をパスし、油彩画・素描に集中する方式としました。
まずは目玉の「着衣のマハ」。
さすがの貫録。想像より大きな作品。モデルは実物大?
将来プラド美術館に行くことがあったとしても、「裸」ばかり見てしまい、「着衣」はおざなりになるでしょうから、じっくりと見る機会を得ることができたのはありがたいこと。
今回点数が多いのが肖像画の部。
「レオカディア・ソリーリャ(?)」や「ガスパール・メルチョール・デ・ホベリャーノスの肖像」あるいは図録の表紙にもなっている可愛らしい「スペイン王子フランシスコ・デ・パウラ・アントニオの肖像」あたりがメインなのでしょう。実際「レオカディア・ソリーリャ(?)」は好みの作品。
が、一番印象的だったのは「マリア・ホセファ内親王」。ゴヤの代表作「カルロス4世の家族」に登場するお方。
本作も、その作品のための準備作なのでしょう。
油彩画は全25点の出品。その内訳は、タペストリー原画系9点、肖像画8点、宗教画3点(ここまでで20点)。
残り5点は、自画像、着衣のマハ、アルバ女公爵と“ラ・ベアタ”、魔女たちの飛翔、死せる鳥(静物画)となります。
ちょっと偏りがある感。個人的には、「魔女たちの飛翔」系の作品がもう少しあればなあと。
それを補うのが、40点の素描。素描帳(AからHまで8種あるらしい)、版画のための準備素描の2系統。
今回の見どころは、素描ではなかったかと思います。特に最後の5章は、素描がメインとなっており、見ごたえがありました。
ゴヤは、あまりにも大きな存在なのでしょう。本展クラスの規模でも14章を必要としています。そのため1章あたりの作品数が少なくなっているからでしょうか(版画をパスして見ているからかもしれません)、なんとも足りない感があります。
ゴヤの凄さは、プラド美術館に行かない限り、感じることは難しいのかもしれません。
プラド美術館は、ベラスケスやエル・グレコ等のスペイン画家たちは勿論、ボッスやパティニール、その他イタリア・北方ルネッサンスの巨匠たちの作品が目白押し。
1週間くらい入り浸ってみたい。