寛永の雅
江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽
2018年2月14日~4月8日
サントリー美術館
後期入りしてからの訪問。
「寛永時代」っていつ?
江戸時代。西暦でいうと1624年〜1644年。江戸時代でも初期のほう。
「寛永文化」とは、文化史的には「桃山文化」と「元禄文化」の間に位置する文化だという。
「桃山文化」の「黄金と侘び」、「元禄文化」の「絢爛と活気」に対して、「寛永文化」は「瀟洒な美しさ」が特徴らしい。
「桃山文化」って何でしたっけ?
狩野永徳、長谷川等伯、海北友松、狩野山楽、洛中洛外図屏風、彦根屏風、南蛮屏風など(絵画のみ)。なるほど。
「元禄文化」は?
尾形光琳、菱川師宣、世界図屏風など(絵画のみ)。どちらかといえば文芸のほうが濃いようだ。
で、「寛永文化」は?
本展では、寛永の「雅」な世界、その中心人物であった後水尾院、その宮廷文化、後水尾院の周辺で活躍した小堀遠州、野々村仁清、狩野探幽などの作品が紹介される。
そうか。名前を聞く限り、今まで私が東博の総合文化展やいろんな形の日本美術の企画展に行っても、スルーしてきた作品群だ。
本展鑑賞。やはり私がこれまでスルーしてきた作品群を対象にしている。一応ひととおり見る。
寛永時代。この時代は、国立西洋美術館で開催中のプラド美術館展、ベラスケスやフェリペ4世の時代と重なっているなあ、と思って訪問するが、予想はしていたが、私が楽しめる領域の外にある。
寛永時代の美術はこれらが主流であったのだろうけれど、これらだけでもなかったはず。例えば岩佐又兵衛もこの時代にあたるようだし。
日本美術は取っつきやすいところだけ雰囲気をつまみ食いで楽しんでいる私。そういうスタンスでは拡がりに欠けるなあ、もう一歩、という思い。それで別にいいじゃないかという思い。本展鑑賞で、改めて両方の思いが交錯する次第。
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