東京でカラヴァッジョ 日記

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カラヴァッジョ作品? 南仏で発見の《ホロフェルネスの首を斬るユディト》が競売に

2019年06月27日 | カラヴァッジョ
【追記2019.6.27】
   競売日(6/27)の2日前に、外国人の収集家(主要美術館に近い収集家)に売却されたとのこと。近い将来、フランス国外の大規模美術館に展示する意向とも。価格は非公表。
 
 
・・・(以下、2019.3.4掲示)・・・
 
   2014年に南仏トゥールーズの民家の屋根裏部屋で見つかったカラヴァッジョ?の作品《ホロフェルネスの首を斬るユディト》が、競売にかけられることとなったという。
  オークションは今年(2019年)6月にトゥールーズで開かれる予定。予想落札価格は86〜129百万ユーロ(110〜165億円)!?
 
 
カラヴァッジョ?
《ホロフェルネスの首を斬るユディト》
1606〜07年、144x173.5cm
個人蔵(トゥールーズ)
 
 
 
  2016年4月、国立西洋美術館でのカラヴァッジョ展の会期中に、「フランスの民家の屋根裏に150億円絵画 カラバッジョか」と、発見の報道がなされた本作品。
 
  今般、競売にかけられることが発表されたという。
  発見以来、仏政府により課せられていた輸出禁止措置も、昨年末に解除されている。どうやらルーヴル美術館は購入しないこととなったらしい。カラヴァッジョ作品ではないと判断したということだろうか。
 
  勿論、カラヴァッジョの真筆とする専門家はいる。その一方で、カラヴァッジョ研究の第一人者ミナ・グレゴリ氏は、質の高さは認めつつも、ルイ・フィンソンによるコピー作品と信じている、と当時話していたようだ。
 
 
 
  2016年11月〜17年2月、本作品は、ミラノのブレラ美術館で一般公開されている。
 
 「Third dialogue “Caravaggio. Readings and Re-readings」と題する小企画展で、他の出品作5点もなかなか凄い。
 
  ブレラ美術館所蔵のカラヴァッジョのまぎれもない真筆《エマオの晩餐》。日本に2回も来てくれている。
 
  ナポリにあるルイ・フィンソンによるコピー作品をトゥールーズ作品と並べて展示。
  ナポリの作品は、トゥールーズ作品のサイズよりやや小さい。
 
ルイ・フィンソン
《ホロフェルネスの首を斬るユディト》
1607年頃、140×161cm
パラッツォ・ゼヴァロス・スティリアーノ(ナポリ)
 
 
  もう1点、ルイ・フィンソン作品。
 
ルイ・フィンソン
《サムソンとデリラ》
1600〜17年
マルセイユ美術館
 
 
  真筆問題が長い間続いていた《法悦のマグダラのマリア》も、コピー作品が2点。
 
ルイ・フィンソン
《法悦のマグダラのマリア》
1612年頃、126x100cm
マルセイユ美術館
 
カラヴァッジョのコピー
《法悦のマグダラのマリア》
1610年以降、100x123.5cm 
Paolo Volponi collection
 
 
 
  なお、トゥールーズ作品は、同企画展にて作者名をカラヴァッジョとして展示されたようだが、所蔵者からの貸出条件であったためであり、ブレラ美術館やその関係者の公式見解を反映したものではない、とのコメントが付されている。
 
 
  トゥールーズ作品は、現在ロンドンにあるギャラリーにて公開(〜3/9)されているとのこと。
 
 
  本当に落札されるのか。その落札価格は。ちょっとだけ気になるところ。
 
 
 
  カラヴァッジョのユディト/ホロフェルネス作品と言えば、やっぱりこの作品。
 
カラヴァッジョ
《ホロフェルネスの首を斬るユディト》
1599年
バルベリーニ宮国立古典美術館、ローマ
 
  2019年8月〜20年2月にかけて札幌・名古屋・大阪を巡回する3年ぶりの「カラヴァッジョ展」で、大阪会場限りで出品予定。非常に楽しみ。
 
 
参考:
 


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