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見世物大博覧会 現代編(国立歴史民俗博物館)

2017年05月08日 | 展覧会(その他)

見世物大博覧会 現代編
2017年4月18日~ 7月17日
国立歴史民俗博物館 第4展示室 副室


   本展は、2017年1〜3月開催の「見世物大博覧会」の続編で、平成の時代まで続いた見世物小屋を対象とする。


   2016年に大阪の国立民族学博物館で開催された「見世物大博覧会」を再構成したもの。


 先の「見世物大博覧会」は焦点がはっきりしない印象であったのに対して、今回の「現代編」は、同じく小さな展示室での小規模展示ではあるが、平成の時代まで続いていた「盛り場や祭りの喧騒の傍らで」「不思議なモノたちが描かれた絵看板」「怪しげな口上」の見世物の興行に対象を絞っている。

 

   佐倉の歴博の展示室が、いかがわしさ満載の見世物小屋になり切っている。

 

   展示室の外壁には、3点の絵看板。「謎の人魚」「取り上げ」「かに娘かに男」。


   展示室入口には、料金表(大人600円、中人400円、小人300円)があり(←本当に払う必要があると思ったとの声がチラホラ)、「クグリ(入口幕)」をくぐって入室する。


   すぐ左手には、「たこ娘」。


   展示室上部には、「マキツギ」「人間ポンプ」「電気人間」「気合術」など、志村静峯による昭和20〜30年代制作の大型の絵看板。


   人間ポンプを演じた最後の芸人、安田里美氏(1923〜1995)の回顧談を紹介するパネル。


   1990年に名古屋で興行された際の安田里美氏の舞台映像。

・50円玉を飲み込みその穴に鎖を通して出す。
・金魚を飲み込み釣り針で釣って出す。
・ボタンを目の中に入れバケツをつりあげたうえで振り回す。
・ガソリンを飲み込み(その後喋るのだから口に含んだだけではない)噴き出してドォーンという音とともに火炎を起こす。

という氏の持ち芸。なお、映像内の会場は広くはなく、観客は子供が目立つ。


   安田里美氏や同じく人間ポンプを持ち芸とした有光伸男氏(1917〜2005)など見世物関係のビラ、ポスター、写真、小道具といった資料。


   有光伸男氏の、お腹を自由自在に引っ込める(腹囲を極度にまで小さくする)様を撮影した複数写真には驚き。人間の体というのは凄い。


   出口には、料金箱。

 

 

   昔1度だけ見た見世物小屋を思い起こす。平成になったばかりの頃。大きな神社の夏祭り。

   何を見たのか覚えていないが、やはり怪しげな口上で、ヘビ女だかなんだったか、何とか女で呼び込んでいた記憶がある。勿論、何とか女は人権上の配慮でとか言って実際に姿を見せることはない。
   確か料金は500円で、お代は後からで結構(内容に不満なら払わなくて良いとの口上)。

   当時ビックリ人体芸はよくテレビ番組で披露されていたような気もするものの、見世物小屋は、そのときの1回以外は、私が目にすることもなく、近くに寄る機会もなかった。いかがわしさ満載の小屋の実物。

   その時の同行者は、幼いときから祭りの度に小屋を目にしていて、私が入ろうとすると、最初は抵抗されたことも思い出す。

 

絵看板「人間ポンプ」の顔出しパネル

 


会場配布のリーフレットから、展示品の図版

 

   見世物大博覧会の肝は、この見世物小屋にあったのか。

   常設展料金420円で鑑賞可。



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