東京でカラヴァッジョ 日記

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最後の印象派 1900-20’s Paris(損保ジャパン日本興亜美術館)

2015年09月12日 | 展覧会(西洋美術)

もうひとつの輝き
最後の印象派 1900-20’s Paris
2015年9月5日~11月8日
損保ジャパン日本興亜美術館


   20世紀最初の20年間のパリ。
   フォーヴィスム、キュビズム、シュルレアリスム、バウハウス、エコール・ド・パリ。美術史を彩る流派たち。
   一方で、「見たままに描きながらも自然や事物に潜む詩情を表現し」、「商業的にも批評的にも成功を得、20世紀初頭におけるフランス美術界の一端を担い」つつも、「前衛的な芸術運動に加わらなかったため、モダニズムを主体とする美術史の視点から」取り上げられることがなく、ほぼ忘れられた画家たち。
   

   本展は、この忘れられた画家たちを紹介する。
   共通項は、「最後の印象派」の画家たち、というと、ちょっと(相当)違う感じ。
   サロン出身の芸術家たちで構成された会員制グループ「画家彫刻家新協会(ソシエテ・ヌーヴェル)」 に属した画家たち、が正確。

   1900年から1922年までパリで毎春展覧会を開催、その後、「役割を静かに終え、時代に取り残される形で忘れられる運命」となる。


   名前を知っていて、作品も見た記憶が確かにある画家は、せいぜい、カリエールとエミール・クラウスの二人。あと、シダネルは最近の回顧展(私は未訪問)で名前だけ認識している程度。あとは、知らない画家20名。


   知らない画家とはいえ、見てみると、相応に楽しめる。

 

   特に楽しく見たのは、

No25 シダネル《コンコルド広場》
   雨+夜のコンコルド広場の光景。画面が大きく、見ごたえあり。

No42 リュシアン・シモン《喪服姿のビグダン地方の家族》
   ブルターニュ地方のちょっとエキゾチック感が残る帽子を被る家族の肖像画。

No70 アントニオ・デ・ラ・ガンダーラ《シャルロット・デ・ラ・ガンダーラの肖像》

   画家の妻の肖像。太い眉毛、ほくろ、濃い口紅が印象的。

 


   見ているときは相応に楽しんでも、すぐに忘れるのが常であるので、出品された画家名を記載しておく。

 

第1章  エコール・デ・ボザールの仲間たち

エドモン・アマン=ジャン(1858-1936)
エルネスト・ローラン(1859-1929)
アンリ・マルタン(1860-1943)

第2章  北部の仲間たち

アンリ・ル・シダネル(1862-1939)
ウジェーヌ・ヴァイユ(1857-1934)
アンリ・デュエム(1860-1941)
フリッツ・タウロヴ (1847-1906)


第3章 「バンド・ノワール(黒い一団)」の仲間たち

シャルル・コッテ (1863-1925)
リュシアン・シモン (1861-1945)
アンドレ・ドーシェ(1870-1948)
ルネ=グザヴィエ・プリネ(1861-1946)
エミール=ルネ・メナール(1862-1930)
ガストン・ラ・トゥーシュ (1854-1913)


第4章  ベルギーの仲間たち

エミール・クラウス(1849-1924)
アルベール・バールトソン(1866-1922)


第5章  遅れてやってきた仲間たち

ジャック=エミール・ブランシュ(1861-1942)
アントニオ・デ・ラ・ガンダーラ(1861-1917)
ジョルジュ・デヴァリエール(1861-1950)
アンリ・カロ=デルヴァイユ(1876-1926)


第6章  最後に加わった仲間たち

アルベール・ベナール(1849-1934)
ウジェーヌ・カリエール(1849-1906)
ジャン=フランソワ・ラファエリ(1850-1924)
ジョン・シンガー・サージェント(1856-1925)



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